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10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

市民ホール開館へ着々準備〜8月に市民向け利用説明会、10月末に竣工予定

 10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

 

 第5回釜石市民ホール計画検討委員会(岩切潤委員長、委員7人)は6月27日、釜石市教育センターで開かれた=写真。同ホールは10月末に竣工(しゅんこう)予定。12月に開館(プレオープン)し、来年4月にグランドオープンする計画となっている。会議では、市民向けの利用説明会を8月に開催、9月からの利用申し込み受け付け開始を目標に、開館に向けた準備を進めていくことなどを確認した。

 

 同委事務局の市生涯学習文化スポーツ課が同ホール指定管理者の釜石まちづくり株式会社について紹介。利用料金、利用申し込み手続き、運営支援委員会(仮称)設置に関する概要などを説明し、委員の意見を求めた。内容は概ね了承された。

 

 市は管理運営計画を策定し、7月中の指定管理者との基本協定締結を目指す。同ホールの管理運営、事業企画などに市民の意見を反映させるための運営支援委員会(仮称)は8月の設置を目指し、委員の選任方法を検討する。

 

釜石市民ホール計画検討委員会

 

 8月をめどに広報かまいしで料金や申し込み方法について市民に告知。利用説明会を複数回開き、指定管理者の準備が整い次第、9月または10月から申し込みの受け付けを開始する予定。ただし来年3月までは、ホール運営スタッフのトレーニング、施設・設備のスムーズな稼働のためのチェック期間に位置付け、ホール(大・小)とギャラリー(展示スペース)は市の行事など公共利用に限る。和室、会議室、スタジオなどは12月の開館から一般利用を開始したい考え。

 

 6月30日まで募集した同ホールの愛称公募には、市内外から500点以上が寄せられた。愛称は7月中に決定し、愛称に係るロゴデザインを作成する。岩手大の指導で市内の高校生17人がデザイン制作のワークショップを重ね、9月にはロゴデザインを完成させる予定。10月22日に三陸鉄道南リアス線の臨時列車で、愛称とロゴデザインの発表イベントを行う。

 

 大ホールで利用するグランドピアノは、釜石ゆかりの音楽家などに選定に加わってもらい、11月の納品を予定する。

 

 開館行事として12月8日に開館記念式典、10日にこけら落とし公演となる「第40回かまいしの第九」演奏会が開かれる。プレオープン期間のホールでの主な行事は、1月の消防出初め式、成人のつどい、2月の市制施行80周年記念式典、近代製鉄発祥160周年記念フォーラム、郷土芸能祭、3月の東日本大震災追悼式など。

 

(復興釜石新聞 2017年7月8日発行 第603号より)

 

復興釜石新聞

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「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

「赤ちゃんの駅」第1号〜子育てサポートさまざま気配り、ホテルフォルクローロ三陸釜石を認定

「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

 

 釜石市は6月30日、子育てサポート拠点「赤ちゃんの駅」の第1号として、鈴子町のホテルフォルクローロ三陸釜石を認定した。同ホテルで認定書交付式が行われ、野田武則市長が齊藤敬次支配人に認定書と、目印として掲げるシンボルマークを交付。併せて公募したシンボルマークの優秀作品者の表彰式も行った。

 

 赤ちゃんの駅は、乳幼児を連れた母親らが気軽に外出できるよう、授乳やおむつ替えの場所、ミルク用のお湯を提供し、育児を応援するまちなか拠点。地域ぐるみの子育てを促そうと、市が認定を進めている。

 

 認定を受けるには、おむつ交換や授乳ができ、ミルクを作るための湯の提供が可能―などの条件がある。認定施設は市の広報誌やホームページで紹介する。一部や全てのサービスを提供する施設管理者からの申請により、同日付で市内4カ所の子育て支援センターなど一部の公共施設や化粧品店など民間の企業・店舗など計12カ所を認定。今後も協力施設を増やしていく予定だ。

 

ホテル内の静かな一角に整備されている授乳室

ホテル内の静かな一角に整備されている授乳室

 

 同ホテルでは開業時から1階に授乳室を整備し、レストラン利用者らが活用していたという。ミルク用のお湯はフロントに依頼すると用意してもらえる。今回の申請にあたり、「においを気にされる人もいる」との女性従業員の意見を取り入れ、授乳室に消臭スプレーを設置。齊藤支配人は「お客さまに利用していただきやすい施設づくりを考える、見返す機会にもなった。釜石市民はもちろん、市外から訪れた方にも安心して、気軽に利用してもらいたい。住みよいまち、滞在しやすいまちづくりに協力できれば」と話した。

 

 シンボルマークは、10代から60代の7人から10点の応募があった。選考の結果、千鳥町の八幡真美さん(26)の作品が最優秀賞に選ばれ、マークとして採用。八幡さんは「駅ということで、釜石にちなみSLを盛り込んだ。ポップでやわらかい感じのイラストにしたので、お子さんや保護者の方に親しみを持ってもらえれば」とデザインの意図を話し、子育て応援の取り組みに協力できたことを喜んだ。

 

 優秀賞には、佐藤裕子さん、黍原里枝さんの作品が選ばれた。

 

(復興釜石新聞 2017年7月5日発行 第602号より)

 

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全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

“トラック野郎” 被災地へ意気なエール〜炊き出し、歌謡ショーで住民と交流

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

 

 ”デコトラ”愛好者で組織する一般社団法人全国哥麿(うたまろ)会(田島順市会長、43支部、500人)の会員が25日、釜石市の平田第6仮設団地を訪れ、炊き出しや歌謡ショーで住民と交流した。米や野菜、日用品も届けられ、住民は大喜び。震災から6年が経過し被災地への関心が薄れていく中、いまだ仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者に心を寄せる会員らに団地住民は深く感謝した。

 

平田の仮設団地で支援継続誓う

 

 東北の支部会員を中心に約40人が来釜。団地の屋外スペースに会場設営し、豚汁と焼きそば、冷たい飲み物を振る舞った。トラックの荷台をステージにした歌謡ショーでは、会の活動に賛同する歌手、西夕子さんが懐メロなどを聞かせ、親しみのあるトークで観客を笑いに包んだ。ジャンケンで勝ち残った人に自転車をプレゼントする企画も。会員は住民を楽しませようと奮闘し、会場にたくさんの笑顔を広げた。

 

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

 

 同会は35年前から、自然災害に見舞われた地域に出向き、炊き出しなどで元気づける活動を展開。東日本大震災の被災地訪問は6年間継続し、各地の避難所、仮設住宅を訪れた数は50回にも及ぶ。平田第6仮設には2年ぶり2回目の訪問となった。

 

 会は年に3回、チャリティーイベントも開く。400~500台のデコトラが全国から集結し、愛好者とファンで多い時には1万人もの人が集まるイベントでは、被災者のためにと支援物資や支援金が寄せられるという。これら(支援金は会が物資に替えて)を仮設住宅訪問時に持参。今回は5月に静岡県で開いたイベントで託された物資を届けた。

 

 同団地に暮らす男性(74)は「忘れないで来てくれてうれしい。店が遠いので米や野菜をいただけるのもありがたい」と顔をほころばせた。森谷勲自治会長によると、最大で240世帯が入居した同団地は現在、120世帯ほどに半減。うち30世帯は行政やNPOの支援職員で、実質の被災者は100世帯を下回ると見られる。

 

 「仮設住宅で住民が少なくなってくると、取り残された感じがして精神的に厳しさを増す。仮設がある限りは、この活動を続けていく」と田島会長(69)。岩手・宮城内陸地震を経験している岩渕克志岩手支部長(50)=一関市=は、自身の被災と重ね沿岸住民の気持ちを推し量る。「今、仮設にいる人は高齢者が多い。少しでも生活が楽になるよう手助けできれば。イベントに出向いた一般の方の好意もしっかり届けたい」と気を引き締めた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月28日発行 第600号より)

 

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釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

岩手×東京「花の交流」今年も〜道に咲く、ありがとう

釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

 

 東日本大震災の被災地と東京都を花苗の育成、植栽活動でつなぐ「岩手×東京 花のみちプロジェクト」が今年で4年目を迎える。18日、プロジェクトに協力する釜石市の鈴子町内会(澤田政男会長、54会員)が、釜石駅周辺の花壇に花苗を植えた。釜石で育てた花を東京に送るためのポットへの植え付けも行われ、両都県の花による交流が今年もスタートした。

 

 花のみちプロジェクトは、「被災地を花のあるまちに」と願う東京都と公益財団法人東京都道路整備保全公社が被災3県と連携し、震災後に始めた活動。本県では2014年から釜石市で始動し、昨年から大船渡市でも実施されている。東京から培養土や肥料などの提供を受け、県が花苗を用意。市内の町内会の協力を得て、道路沿いを花で彩る活動を続けている。

 

 今年は鈴子、大渡の両町内会が合わせて12種類、3300株を植える計画で、3週連続で日曜日に作業を実施。初日は鈴子町内会会員と県職員17人が、ローソン釜石駅前店前と大渡橋手前の交差点付近に8種類を植えた。ローソン前の花壇では、2年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げようと、「RWC2019」の文字とW杯のロゴマークが浮き出るようにマリーゴールド、ペチュニア、ニチニチソウの苗を配置した。町内会は今後、水やりや雑草取りも行う。

 

 鈴子町の高橋光子さん(69)は「手入れをしていると、道行く市民から『ありがとう』、『いつも楽しませてもらっている』と声を掛けられ、こちらもうれしくなる」と作業の励みになっている様子。

 

 同プロジェクトでは、被災地で育てた花を東京都庁前に定植したり、8月に新宿駅西口広場で開く都のイベントで展示したりし、被災地から復興支援への感謝の気持ちを発信する。都民に東北への関心を持ち続けてもらう機会にもしている。今年は釜石から350株を東京に送る予定で、鈴子で150株、大渡で200株を受け持ち、8月上旬まで各家庭などで育成することにしている。

 

 県沿岸広域振興局土木部の横澤和志主任は「昨年のイベントには約2万人が来場(主催者発表)。東北へ応援メッセージをくれたり、植栽に協力してくれる人も多かった。都は20年の東京五輪を”復興五輪”と位置付ける。両地域の絆を育む一環として、この活動が継続されれば」と話した。

 

 25日には大渡橋に飾るハンギングバスケット55個を両町内会合同で製作する予定。来月2日に大渡町内会が橋の欄干にバスケットを設置するほか、イオンタウン釜石入り口交差点までの県道沿いに花を植える。

 

(復興釜石新聞 2017年6月24日発行 第599号より)

 

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地域おこし協力隊員としての活動に意欲を高める(右から)石橋さん、深澤さん、吉野さん、福田さん、古賀さん、細江さん

若者6人 釜石の新しい力に、県外出身者 復興へ起業目指す〜外部人材受け入れ、産業振興・定住促進

地域おこし協力隊員としての活動に意欲を高める(右から)石橋さん、深澤さん、吉野さん、福田さん、古賀さん、細江さん

地域おこし協力隊員としての活動に意欲を高める(右から)石橋さん、深澤さん、吉野さん、福田さん、古賀さん、細江さん

 

 釜石市は、県外出身の若者を受け入れ、起業を支援する取り組みとして「釜石ローカルベンチャーコミュニティ事業」を始め、20日、事業に参加する第1期6人を委嘱した。総務省が全国で進める地域おこし協力隊制度を活用したもので、6人は市内で生活しながら漁業や観光などをテーマに新たな産業創出に向けて活動。市は報酬と住まい、起業のノウハウを提供する。震災から6年が過ぎ、生活再建が進む被災地では震災前より活力ある地域づくりを進める段階を迎えており、市では外部の人材を受け入れて産業振興を促し、起業から地域へのIターン、定住促進につなげたい考えだ。

 

 委嘱されたのは、細江絵梨さん(30)、古賀郁美さん(25)、福田学さん(40)、吉野和也さん(36)、深澤鮎美さん(30)、石橋孝多郎さん(26)。全国から応募があった30人の中から面接などを経て選ばれた。前職は化粧会社員、水産加工、印刷オペレーター、ホームページ制作会社員などさまざま。保育士の資格を持つ人もいる。首都圏や被災地で復興支援に携わり釜石と縁のある人もいるが、出身地は東京、千葉、茨城と全員市外からやって来た。

 

 6人は、それぞれが観光レジャー、水産資源の6次産業化、1次産業を生かしたツーリズム、子育て、若者ビジネス支援などをテーマに事業化を目指して活動する。市は6人に年間200万円の報酬を支払い、住宅や事務所を提供。地域内外の企業や関係機関が活動をサポートし、起業に向けた助言を行う。6人のうち5人は市内の仮設住宅に入居する。

 

 委嘱状を手渡した野田武則市長は「ようこそ釜石へ。新たな挑戦の舞台に選んでもらい感謝している。震災から7年目、住まいの再建が進み、復興の兆しが見えつつある。外から来た皆さんの取り組みは釜石の発展に力強さを与えるものになると期待。この地に根を張り、自立した道を歩んでほしい」と述べた。

 

 母親が一関出身の福田さんは、震災を機に自分の生き方を見直し、ふるさとと呼べる岩手の力になることをしたいと、釜石に来ることを決意。観光レジャーでビジネスを起こそうと考えており、「釜石を観光地としてPRしたい」と意欲を見せた。

 

 大学で水産を学び、水産加工会社で働いてきた古賀さんは「釜石の水産資源や郷土芸能に魅力を感じる。魚の価値を食を通じて市内外に伝えたい」と意気込んだ。

 

 地域おこし協力隊制度による取り組みは1年ごとの更新で、最長で5年まで更新できる。市は昨年9月に国の認定を受けた全国10自治体でローカルベンチャー推進協議会を組織。起業家育成支援の経験や知恵の共有、育成の仕組みづくり、PR活動など連携して取り組む。

 

(復興釜石新聞 2017年6月24日発行 第599号より)

 

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釜石ひまわり基金法律事務所の4代目所長に就任した多田創一弁護士と前任の加藤静香弁護士

「被災者の力になりたい」と決意、多田弁護士 4代目所長に〜釜石ひまわり基金法律事務所

釜石ひまわり基金法律事務所の4代目所長に就任した多田創一弁護士と前任の加藤静香弁護士

釜石ひまわり基金法律事務所の4代目所長に就任した多田創一弁護士と前任の加藤静香弁護士

 

 全国の弁護士過疎地域に開設される公設事務所の一つ、釜石市上中島町の「釜石ひまわり基金法律事務所」は6月1日から新たな所長に多田創一弁護士(28)が就任。17日、前任の加藤静香弁護士(33)の労をねぎらい、多田弁護士を激励する会が市内のホテルで開かれた。3月から釜石での業務を開始している多田弁護士は「被災者の生活再建など悩みを抱える方々の力になりたい」と決意を新たにする。

 

 4代目の所長となる多田弁護士は東京都三鷹市出身。早稲田大、同法科大学院で学び、2013年に司法試験に合格した。仙台市で司法修習を行い、15年1月に弁護士登録。同市内の法律事務所勤務を経て、釜石に赴任した。

 

 大学卒業時に東日本大震災を経験。「いつか弁護士として復興に携わりたい」との思いを胸に、司法試験に挑んだ。試験直後、ボランティア活動で初めて足を踏み入れた被災地で住民の苦悩に触れ、あらためて現地で働くことに意を強くしたという。

 

 釜石に来て3カ月余り。すでに80件以上の新規相談を受ける。「債務整理や住宅再建に関わる相談が多く、自立による新たな問題も生じている。市民の皆さんに寄り添い、問題解決につなげたい」と多田弁護士。地域に根差し信頼される弁護士を目指し、新たな一歩を踏み出した。

 

 5月末で3年半の任期を終えた加藤弁護士は沿岸初の女性弁護士として活躍。在任中に受けた相談件数は894件に上る。赴任(13年10月)当初は区画整理に伴う土地の換地問題が多かったが、復興の進展とともに二重ローンなどの住宅問題、遺産分割、離婚といった問題が現れてきたという。DV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)、性犯罪被害女性の相談体制充実にも取り組んだ。

 

 7月からは山形県酒田市の父親の経営する法律事務所で働く。「釜石で培った経験を糧にどんな事件にも対応できる弁護士に」と地元貢献を誓う。3カ月間、仕事を共にした多田弁護士について「物腰が柔らかく、細やかなフォローで相談者にいろいろな可能性を提示してくれる」と頼もしい仲間の後任を喜んだ。

 

 ひまわり基金法律事務所は、日本弁護士連合会が1999年に立ち上げた基金をもとに全国各地に開設。これまでに117カ所設置され、釜石には06年11月、全国75番目の事務所として開所した。震災当時は浜町の市営ビル2階にあったが、津波で被災し中妻町に移転。現在は上中島町のビル3階に事務所を置く。

 

 岩手弁護士会の東海林利哉会長は「釜石は弁護士が2人しかおらず、過疎地域という状況に変わりはない。多田弁護士には、仙台での経験と若さを生かし、心のケアを含む今後の復興課題に取り組んでほしい」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2017年6月21日発行 第598号より)

 

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県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

達増知事と県政懇談、釜石・大槌の6人〜地域の未来を語り合う

県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

 

 「ともにある三陸~より豊かで希望あふれる三陸の創造」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞く県政懇談会「がんばろう岩手!」は16日、釜石市鵜住居町の鵜住居公民館で開かれた。震災からの復興を目指し、釜石市や大槌町で地域づくりに取り組む6人が活動内容を紹介し、知事と意見を交わした。

 

 出席したのは、釜石で活動する奥村康太郎さん(浜千鳥醸造部長)、藤井サヱ子さん(創作農家こすもす代表、甲子地区活性化協議会長)、佐々木拓磨さん(釜石シーウェイブス選手、小佐野小教諭)、山崎鮎子さん(ブルーア・シエーロオーナー兼店長)のほか、芳賀光さん(つつみ石材店代表取締役、はまぎく若だんな会代表)、兼澤悟さん(フラワードレス代表)。

 

 冒頭、達増知事は「津波被害が大きいゆえ、復興に時間がかかっている地域だが、復興を成し遂げた暁には地域をリードする場になっていかなければ。声を聞き、県政で役立てたい」とあいさつ。6人が取り組みの課題や地域の未来について語った。

 

 酒づくりに携わりたいと埼玉からやって来た奥村さんは岩手の印象について、「何もないのが魅力。都会のような便利さはないが、人の力の大きさを感じるところ。不便だけど自然豊かで、心のゆとりがある。そんな人の魅力を発信していきたい」と話した。山崎さんはカフェ開店までの経緯を説明し、つながりの大切さを強調。「一人ではできないことも、人や企業、団体が連携することで成し遂げられることが多い。人の力は地域を支える財産。つながりを持てる空間、情報発信できる場を目指していきたい」と展望を語った。

 

 佐々木さんはラグビーを通し子どもたちの地域を誇りに思える気持ちを育てるための学校での取り組みを説明。藤井さんは、地域外から来る若者の中に「この地で頑張りたい」と思う人がいることを紹介し、夢や希望を持つ若者が定住できる環境づくりを要望した。

 

 高速道路網の整備、2019年ラグビーワールドカップ釜石開催による人の流れの変化をチャンスととらえ、地域間連携、広域で考える地域づくりの必要性を指摘する声もあった。

 

(復興釜石新聞 2017年6月21日発行 第598号より)

 

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三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

親子の交流、馬がアシスト〜こどもの相談室、初の野外イベント

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

 

 釜石市大町の青葉通りこどもの相談室(青葉ビル1階)は10日、馬との出会い・コミュニケーションをテーマとした親子交流会を橋野町の一般社団法人三陸駒舎(寄田勝彦代表理事)で開いた。市内の小学生以下の子どもと保護者22人が参加し、馬との触れ合いを通して心豊かな時間を共有した。

 

 同相談室は震災後の心のケアを目的に、市が昨年11月に開設。事業を委託されたNPO法人日本リザルツ(東京都千代田区)が相談業務のほか、研修、交流会などを行い、子どもの健やかな成長を後押ししている。この日は本年度の親子交流会第1弾。ホースセラピーの体験プログラムを提供する三陸駒舎の協力で、心身を癒やし、思いやりの気持ちを育む時間が設けられた。

 

 改修した築90年の古民家に家族3人で住み、道産子馬2頭の世話をする同駒舎理事の黍原豊さん(40)が、馬の体の特徴や生態をレクチャー。馬と仲良くなってもらおうと餌やり、ブラッシング、引き馬・乗馬の仕方を教えた。「馬毛のブラッシングは人の血圧を安定させる効果も。馬とのコミュニケーションは人との付き合いにもつながる」と黍原さん。子どもたちは代わる代わる雌馬アサツキ(7歳)と親しみ、乗馬では満面の笑顔を輝かせた。

 

 両親、妹と参加した甲子町の水野朱莉(あかり)ちゃん(6)は「お馬さんは温かかった。また乗ってみたい」と大喜び。母智美さん(37)は「馬と身近で触れ合えるのは貴重。お馬さんにちゃんと『ありがとう』って言えたかな。子どもたちにはいろいろな経験をしていってほしい」と愛娘を見守った。

 

 同相談室の相談員を務める鈴木裕子さん(日本リザルツ)は今回の交流会について、「初めての野外イベント。親子が馬を介し、普段しない会話ができたり、注意や禁止が多くなりがちな子育ての中で上手に褒める、成長を見てあげられるきっかけになれば」と期待した。会では古民家で昼食後、クラフトワークとして写真立て作りも行われた。

 

 親子交流会は本年度中にあと2回実施予定で、秋のそば打ちなどを検討している。

 

(復興釜石新聞 2017年6月17日発行 第597号より)

 

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ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

ふるさと復興へ熱いエール、釜石はまゆり会32回目の集い〜支援継続誓い合う、160人参加

ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

 

 首都圏在住の釜石市出身者やゆかりの人々でつくる釜石はまゆり会(石森寛会長)の32回目の集いが3日、東京都荒川区日暮里のホテルラングウッドで開かれた。釜石から駆け付けた野田武則市長らを含め、前回を上回る約160人が参加。6年前の東日本大震災に加え、昨年夏の台風10号災害、さらに今年5月の尾崎半島山火事と”ご難続き”の古里へ「負けずに前を向こう」と熱いエールを送った。

 

 就任から3年目になる石森会長(61)=町田市=は「こんなに大勢集まっていただき、ありがたい。台風、山火事もあったが、2年後にはラグビーワールドカップ(W杯)もある。前向きに頑張ろう」と呼び掛けた。

 

 総会の部では、震災後から取り組む募金活動で、首都圏以外の個人や団体を含め4260万円余りの支援金が寄せられたことも報告。この1年間に寄せられた支援金の中から100万円が石森会長から野田市長に託された。

 

 支援金100万円を野田市長に託す石森会長(右)

支援金100万円を野田市長に託す石森会長(右)

 

 野田市長は「震災被災者の住まいの再建は本年度がヤマ場」と近況を報告。「今年は近代製鉄発祥160周年、市制80周年の大きな節目。これからも釜石を励まし、応援し続けてほしい」と呼び掛けた。

 

 現在も職員3人を釜石に派遣している荒川区の西川太一郎区長も駆け付け、「今後も支援を続けたい」とエールを送った。

 

 釜石出身の映画監督・佐藤雅道さん(67)は制作を進める映画「奇跡の釜石」について報告。釜石出身の民謡歌手で、昨年の郷土民謡全国大会でグランプリに輝いた佐野よりこさん(46)は「釜石小唄」などを自慢ののどで披露した。

 

 会場には、ラグビーW杯に向けて建設が進む「釜石鵜住居復興スタジアム」をパネルで紹介するコーナーも設けられた。

 

釜石の特産品もたくさん並び、競って買い求める

釜石の特産品もたくさん並び、競って買い求める

 

 千葉県市川市に住む宮本信子さん(64)=旧姓結城=は、新日鉄釜石ラグビー部のマネジャーなどを務めた夫政志さん(64)とともにラグビーW杯を心待ちにする。「チケット買えるかなって、夫婦で気をもんでます」と笑った。

 

 釜石市東前町出身で神奈川県横須賀市に住む佐々木幸子さん(76)=旧姓岩間=の夫實さん(82)は尾崎白浜出身。幸子さんは「古里の兄弟たちと仲がいいので、(山火事を)とても心配しました。住宅へ延焼しなくて本当に良かった」と胸をなで下ろしていた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月10日発行 第595号より)

 

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広報かまいし2017年6月15日号(No.1666)

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広報かまいし2017年6月15日号(No.1666)

 

広報かまいし2017年6月15日号(No.1666)

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【目次】
表紙:リッチー・マコウ チャリティーフォーオール
P02:釜石市観光振興ビジョンへの意見を募集します
P04:洪水・土砂災害から身を守るために
P06:釜石市公共施設等総合管理計画を策定しました
P07:復興住宅・市営住宅入居者募集
P08:バスロケーションサービスについてなど
P10:まちの話題
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:釜石地区山火事警戒宣言を発令、RWC2019™ミニ通信

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1210590_2596.html
釜石市

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バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

 

市は、岩手県交通(株)とアーティサン(株)の三者共同でバスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を市内バス路線で行います。

 

「バス予報」とはスマホから近くのバス停や使いたいバス停にあと何分でバスが来るのか確認したり、バス停の位置や時刻表の表示もできるWebサイトです。

 

対象路線

・市内コミュニティバス運行路線
・大槌町方面広域バス運行路線

対象区間

「釜石市役所前」~「上大畑」間

期間

6月15日(木)~9月15日(金)まで

 

「バス予報」操作説明など詳細はこちら

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問い合わせ先

・全体に関すること: 生活安全課 電話27-8451
・Webサイト「バス予報」に関すること: アーティサン(株) 電話042-444-4815
・バスの運行に関すること: 岩手県交通(株)釜石営業所 電話25-2527

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釜石市 市民生活部 生活安全課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8451 / Fax 0193-22-2702 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/kotsu/detail/1210546_2211.html
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地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

鵜住居公民館、復旧喜ぶ〜地域住民の集いの場、復興住宅に併設整備

地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

 

 今年1月に開所した鵜住居公民館の復旧を祝う会が4日、釜石市鵜住居町の同館で開かれた。住民らは集いの場の完成を喜び、新しい地域づくりに向けた市民活動充実へ思いを新たにした。

 

 同館は市の出先機関、鵜住居地区生活応援センターを併設する。この2つは震災前、鵜住居地区防災センターに併設されていたが、震災の津波にのまれ、完成から1年余りで流失した。震災後は仮設の施設で出先機関としての業務を行ったが、公民館活動は場所が無く、大幅に縮小した。

 

 新施設は町内中心部の復興公営住宅の建設と合わせて整備。鉄骨造り平屋、延べ床面積は約500平方メートル。多目的室や和室2部屋、調理室などがある。

 

 祝う会は、鵜住居地域会議、同館運営審議会、鵜住居地区復興まちづくり協議会で組織した開催実行委員会が主催。復興途上で、まちびらきにはまだ時間がかかるが、同館や高台への学校の完成を機に、地域の代表者が集い親睦を深め、新しい地域づくりへの機運を高めようと開催した。

 

 地域住民ら約60人が参加。実行委員長の花輪孝吉さん(鵜住居地域会議議長)が「やっと念願の施設が完成。箱崎半島部の公共交通、買い物できる場がないなど悩みはあるが、ここでラグビーワールドカップが開催されることは未来につながるものと期待感もある。この会を連携を深める機会に」とあいさつした。

 

 祝辞に立った野田武則市長は「地域住民が集う核施設が公民館。文化、教養、健康づくりに取り組んでほしい」と期待。同協議会の藤原博会長は「みんなで利用し明るい場所に。住民活動が活発化してほしい」と願った。

 

 乾杯の後、食事を味わいながら歓談。お祝いに駆け付けた田郷鹿子踊、新神町内会大黒舞、日向振興会長月会の手踊り、鵜住居青年会の虎舞を楽しんだ。

 

 同館によると、2010年度の登録自主サークルは18団体あったが、震災後は活動の休止が目立った。場所を変えながら継続した団体もあり、この6年余りで徐々に活動団体は増加。今年4月現在の登録サークルは10団体となっている。鈴木伸二館長は「新たなコミュニティーづくりや、さまざまな生活課題への対応が必要。地域の皆さんと連携し、できる限り、お役に立ちたい」としている。

 

(復興釜石新聞 2017年6月7日発行 第594号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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