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仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

仮設住宅で「お茶っこ」、自宅を再建した被災者も交流〜いわて生協ふれあいサロン「おしゃべりでストレス発散」

仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

 

 いわて生活協同組合(本部・滝沢市、飯塚明彦理事長)の震災復興支援活動「ふれあいサロン」が19日、釜石市野田町の西公園にある仮設住宅の談話室で開かれた。仮設住宅で暮らす住民のほか、復興住宅に入居、あるいは自宅を再建した元住民らも集まり、ボランティアとして参加する生協の組合員と交流。“お茶っこ”をしながら、手芸などを楽しんだ。

 

 このサロンは、2011年6月から仮設住宅の住民を対象に行っていて、この日、通算3500回を迎えた。沿岸部を中心に開催し、県内外の組合員がボランティアとして参加。全国の支え合いの心が人々をつなぎ、震災から7年がたった今も続けられている。

 

 釜石市内では仮設住宅の集約が進む中で会場を変更しながら、現在4カ所で継続。野田町のこの仮設住宅では1年ほど前から月1回、開催している。

 

 この日は、住民やボランティアら10人が参加。紙製のクラフトテープを使った小物入れづくりに取り組んだ。長野医療生協のボランティア2人は健康チェックや健康体操を紹介するなどして住民との触れ合いも楽しんだ。

 

 佐々木ユツさん(78)は「住民が少なくなっているが、続けてくれてありがたい。物を作ったり、おしゃべりできる機会があって楽しく生活できている」と感謝。只越町の復興住宅に移ってからもサロンに足を運ぶ前川幸子さん(76)は「昔の仲間とのおしゃべりがストレス発散。月1回、みんなに会えるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 

 いわて生協復興支援活動担当(釜石地域)の福士久美子さん(68)は「仮設住宅の集約化により、復興住宅など新たな環境、地域での居場所づくりの支援などに活動がシフトする傾向もみられる」と指摘。このサロン活動については「人をつなぐ場になれば。必要とされる限り続けたい」と、今後も被災地に笑顔と元気を届けていく考えだ。

 

(復興釜石新聞 2018年6月23日発行 第700号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

お年寄りの暮らし支える、住宅修繕ボランティア〜釜石建設組合「住宅デー」

早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

 

 高齢者に安全・安心な住環境を――。釜石建設組合(藤井泰男組合長、267人)は17日、市内の高齢者世帯(65歳以上)を対象に、住宅の不具合を改善するボランティア活動を行った。全国建設労働組合総連合(全建総連)が推進する「住宅デー」の活動の一環。事前に申し込みのあった15軒を組合員6人で回り、要望箇所の修繕や必要とする設備の取り付けに汗を流した。

 

 野田町の早坂三鈴さん(78)は、2階に上がる階段への手すり設置と浴室のシャワーヘッドフックの修繕を依頼。この日は三浦建工(源太沢町)の三浦祐悦さん(66)が同宅を訪問し、作業にあたった。

 

 早坂さんは一人暮らし。今年に入り、急な階段の昇り降りに不安を覚えるようになり、同組合のボランティア活動を知らせる新聞記事を見て、いち早く申し込んだ。「年齢を重ねるにつれ、身体機能の低下を感じることが多くなってきた」と早坂さん。長時間歩くと、坐骨神経痛や股関節の痛みが出ることも。「ちょっとした住宅の補修は、どこに頼めばいいか分からなかった。組合の活動は高齢者には非常に助かる。ありがたい」と喜んだ。

 

 41回目となる住宅デーは、地域に奉仕して組合員の存在感を高め、組織拡大にもつなげようと展開。釜石では前身の「大工組合」時代から奉仕活動を継続し、近年は高齢者の暮らしを支える軽微な住宅修繕に取り組んでいる。震災後は、仮設住宅住民の依頼にも対応した。

 

 今年は先着10人の受け付けに20人が応募。下見の結果、同活動で対応不能なケースを除く15軒での活動となった。テラス(ビニール)トタンの張り替え、戸やふすまの取っ手、流し台扉のちょうつがい交換―などを工賃無料、材料費のみ実費負担で行った。

 

 「震災後、住宅再建などで組合員も仕事量が増加。多忙な中での奉仕に感謝したい」と協力者の労をねぎらう藤井組合長(70)=建築藤泰(ふじやす)=。同活動は地元の職人を市民に知ってもらう機会にもなる。「訪問セールスで住宅リフォームなどを頼み、後でトラブルになるケースも聞く。地元職人ならアフターケアも安心。こういう機会に顔見知りになり、何かの時にはぜひ使ってほしい」と期待を込めた。

 

 同組合は大工のほか、内装、タイル、サッシ、配管など住まいに関わるあらゆる業種の職人で組織する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月20日発行 第699号より)

 

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緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

野鳥の鳴き声に耳澄ます、震災後初の観察会〜甲子町福祉の森、釜石野鳥の会がサポート

緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

 

 釜石市主催の自然に親しむ市民の集い「山野の鳥観察会」が17日、甲子町大畑の福祉の森で開かれた。6月の環境月間にちなんだ行事で、震災後は初めての開催。子どもから大人まで25人が参加し、釜石野鳥の会(臼澤良一会長)のレクチャーで、野鳥観察やネイチャーゲームを楽しんだ。

 

 参加者は同会会員の案内で、新緑がまぶしい散策路を進み、野鳥の鳴き声に耳を澄ませた。声がする方向に目を凝らし、双眼鏡をのぞき込むと、森に暮らす鳥の姿が…。図鑑と照らし合わせ、名前や特徴を学んだ。

 

 午前10時すぎから約1時間の観察で、13種類の野鳥を確認。愛らしい顔で愛好家に人気のエナガは複数の個体が見られたほか、巣づくりをしていると思われるヤマガラ、同会が以前、設置した巣箱を出入りするシジュウカラも見ることができた。

 

 姿は確認できなかったが、特徴的な鳴き声のサンコウチョウのさえずりも耳にした。尾が長く優雅に飛ぶ姿が魅力的な鳥だが、なかなか見ることができないという。臼澤会長も「観察会の下見の際に10年ぶりぐらいに目にした」と話す。

 

 確認した鳥の種類を全員で共有した後は、ゲームに挑戦。自然の産物を探して完成させる「フィールドビンゴ」、植え込みに置いた人工物の数を見極める「カムフラージュ」を行い、自然観察の目を養った。ビンゴでは鳥の卵殻や上空から落ちてきた、鳥が食べた松の実の破片を発見した人もいた。

 

 小笠原皐さん(甲子小4年)は「名前を知らなかった鳥も図鑑で調べられたし、きれいな鳴き声も聞けて楽しかった。また参加してみたい」と初めての観察会を満喫。

 

 臼澤会長(69)は「種類は少なめだったが、鳥の生活の一端をのぞき見ることができ、子どもたちも喜んでくれた。鳥も人も地球の仲間。みんな生かされていることを再認識する場にもなった」と会の復活を歓迎。確認できる種類は時期や時間帯、天候によっても異なるといい、「5月のバードウイークごろだと20種類ぐらいは見られるのでは」と予想した。

 

 自然に親しむ市民の集い事業では震災前、野鳥、ホタル、星空の3観察会を実施。野鳥は、春の「山野の鳥観察会」(楢ノ木平)、冬の「水辺の鳥観察会」(鵜住居川河口域)を開催。釜石の豊かな自然を体感できる機会として市民から好評を得てきた。震災後は事業を見送ってきたが、昨年からホタル観察会を再開。今年は7月にホタル、8月に星空の観察会を予定する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月20日発行 第699号より)

 

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「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」の公式サイトが、本日6月20日に公開となりました。
 

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアムの公式ページです。Official Page of Kamaishi Unosumai Memorial Stadium.
https://kamaishi-stadium.jp/


 

2018年8月19日(日)に開催されるオープニングイベントの詳細など、今後どんどん情報を追加・更新して参りますので、皆様ぜひチェックをお願いします。

 

※Facebookページでも情報発信をしていますのでこちらもよろしくお願いします。

釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話:0193-27-8420 / Fax 0193-22-6040
縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

復興住宅でバーベキュー、花木の植栽作業も楽しく〜大町5号棟で住民交流会

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

 

 釜石市大町1丁目の大町復興住宅5号棟(24世帯)で10日、自治会(伊藤清会長)主催の環境美化活動とバーベキュー交流会が開かれた。隣接する同住宅4号棟の住民も参加し、約40人が敷地内への花木植栽や昼食を共にした。

 

 午前中は住宅周辺の草取りと敷地内の植栽スペースに花や木を植える作業を実施。釜石園芸の指導で、住宅入り口付近の緑化に取り組んだ。土の感触や植物を育てる楽しみを味わいながら仲良く作業。今後の成長に期待を寄せた。

 

植物を植え、潤いのある住宅環境に…

植物を植え、潤いのある住宅環境に…

 

 バーベキュー会場は1階の屋根のある通路。昼時間が近くなると、女性陣が下ごしらえした食材が運ばれた。炭火焼きやガスコンロで焼きそばや焼き鳥、フランクフルトなどを調理し、参加者に振る舞ったほか、テーブルに置かれたホットプレートを囲み、焼きたての肉や野菜を味わった。市内で活動する音楽ユニットMiA&YKのミニコンサートもあり、にぎやかな交流が繰り広げられた。

 

 5号棟に暮らす新沼与志彦さん(73)は「一人住まいなので、大人数のバーベキューは最高。大満足です。皆さんとお話もできてうれしい。月に1回ぐらいやってほしい」と喜びの笑顔。被災前に暮らした大町の住民とは離れ離れになってしまったが、「ここで新しい人と顔見知りになり、少しでも交流を図れれば」と願う。

 

 4号棟で夫婦2人暮らしという赤﨑静枝さん(88)は「こんなに住民が集まる場は普段なく、初めて顔を合わせる人も。楽しませてもらっています」と声を弾ませた。浜町で被災。買い物など利便を考え、同住宅に入居した。「イオンは散歩がてら歩いても、まずまずの距離。体の自由も利かなくなってはいるが、生協の宅配も利用しながら、何とか暮らしています」と近況を語った。

 

 大町5号棟は昨年3月末から入居を開始。11月1日に自治会を設立した。住民は1人または2人世帯で、1人世帯が半数を超える。高齢者が多く、障害を持つ人も。5号棟は入居から1年、4号棟は1年半を経過したが、各棟とも「隣近所の住民を知らない」「扉を閉めてしまうと会話する機会もない」といった現状があるという。

 

 伊藤自治会長(71)は「5号棟は男性が多く、隣の4号棟(約40世帯入居)は女性が多い。住民交流や防災の面で互いの弱い部分を補い合うため、両棟の連携を進めている。昨年11月には交流餅つき大会を行った」とこれまでの経緯を説明。「災害などいざという時は、住民同士のつながりがものをいう。こういう行事を機に互いの顔を知り、日ごろから行き来したり、集会所でお茶飲みをする関係を築ければ」と期待を込めた。

 

(復興釜石新聞 2018年6月13日発行 第697号より)

 

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木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

復興スタジアムに木のぬくもり、被災のスギ材を座席に〜釜石森林組合「山林所有者の励みに」

鵜住居町に建設中のスタジアムで進められている木製座席の取り付け作業の様子

鵜住居町に建設中のスタジアムで進められている木製座席の取り付け作業の様子

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として釜石市鵜住居町に整備中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)で、地場産木材と地元企業の技術を結集した木製座席の取り付け作業が進められている。常設スタンド全6千席中4990席に導入。木のぬくもりあふれるスタジアムで岩手・釜石の特色を打ち出し、世界からの来場者をもてなす。5月下旬から設置を始めており、8日に作業の様子を公開した。

 

 木製座席は昨年5月に尾崎半島で発生した山林火災で被災したスギを100%使用。釜石地方森林組合が伐採し、大槌町で製材、塗装などの加工も県内企業が担当した。骨組みは市内のスチール製事務用家具製造、エヌエスオカムラが製作。自然に優しい塗料を使い、座面に角度をつけて座りやすくしているのが特徴だ。

 

 このほか、被害木を使って公衆トイレ2棟、ベンチ108基、日よけのためのルーバーも整備。使われたスギは約800本になる。

 

 同組合の久保知久組合長は「焼けた木を生かせたことは、山林所有者の励みになる。地元の山の資源を活用していることを多くの人に知ってほしい」と期待を込める。

 

木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

 

 同スタジアムは、常設スタンド部分が7月に完成する見込み。市は仮設席にも被害木の活用を検討している。整備方針の一つに、「自然環境や歴史文化を野外活動として学習できる場所」があり、木製座席の設置はそのコンセプトとも合致する。

 

 野田武則市長は「地元産材の活用はスタジアムの魅力の一つ。世界中の来訪者を木のぬくもりでもてなしたい。市民にも有効に使ってもらえるよう、しっかり整備する」と話した。

 

(復興釜石新聞 2018年6月13日発行 第697号より)

 

復興釜石新聞

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広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

 

広報かまいし2018年5月15日号(No.1688)

広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

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【目次】
表紙:RWC2019TM開幕500日前 PRキャラバン隊結成‼
P2~3:鵜住居駅前公共施設の愛称募集/市政懇談会開催/地域会議開催
P4~5:釜援隊の今とこれから
P6~7:防災行政無線/TETTOイベント情報/育成センター情報便
P8~11:市民のひろば/まちのお知らせ
P12~13:まちの話題
P14~15:健康案内板
P16~19:復興情報
P20:やっぺし!RWC2019TMミニ通信

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1219397_2596.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

復興推進へ前向き提言、達増知事と県政懇談会〜地域づくりの課題共有、交流人口拡大へ地域間連携を

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

 

 「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞き、意見を交わす県政懇談会「がんばろう岩手!」は4日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。震災からの復興を目指し、釜石市や大槌町で産業や地域づくりに取り組む5人が活動内容を紹介し、知事と意見を交わした。

 

 出席したのは、釜石で活動する熊谷友行さん(新日鉄住金釜石製鉄所総務部)、小山明日奈さん(藤勇醸造広報・商品企画開発担当)、遠藤ゆりえさん(NPO法人かまいしリンク代表)のほか、大槌町の松橋康弘さん(城山観光常務)、岩間妙子さん(アトリエ・イスト)。

 

 冒頭、達増知事は「元に戻す復旧ではなく、より安全、より暮らしやすく、地域経済や産業も新しい時代へと進んだ復興にしなければ。地元の底力、外部とのつながりを生かし力強く復興に取り組んでいる地域の声を聞き、県政で役立てたい」とあいさつ。5人が取り組みの課題や地域の未来について語った。

 

 共通の話題として挙がったのは、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催。関心の低さを心配する声も聞かれた。インバウンドの推進やW杯のプロモーション事業を手掛ける遠藤さんは▽民間人の活用▽女性と若者の巻き込み▽スタジアムの活用―が課題と指摘。「大会は岩手の復興、釜石ラグビーの再興につながる」と信じ、活動推進に意欲を見せた。

 

 熊谷さんは、仮設住宅や復興住宅の整備などに必要な土地を提供するといった会社の不動産管理を担当し、「生まれ育ったまちの復興に携わることができ、やりがいを感じる」と充実した表情。高校生のキャリア教育にも関わっており、進路選択の幅を広げる機会となる取り組みの継続に向けた意気込みも語った。

 

 小山さんは震災後の商品開発、食育などの取り組みを説明し、つながりの大切さを強調。「地元企業や団体とコラボして売り出すことで既存のものも新しいものに変わる。可能性は無限大」と、ものづくりの楽しさを話した。

 

 交流人口拡大に関し、地域間連携、広域での取り組みを求める人や、県内陸部から沿岸部につながる誘客方法の検討を望む声もあった。

 

(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)

 

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こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

和洋の草花咲き誇る「陽子ガーデン」解放〜甲子町洞泉菊池さん宅

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

 

 季節の花や緑を楽しんでもらおうと、釜石市甲子町洞泉の菊池秀明さん(70)、陽子さん(71)夫妻が自宅の庭を開放し、鑑賞を呼び掛けている。華やかなバラが咲き誇るイングリッシュガーデン風の庭もあれば、枯れ山水の日本庭園もあり、それぞれの雰囲気を楽しめる。10日まで。

 

 夫婦でこつこつ手作りした庭は、約1600平方メートルの広さになる。公開するのは3年目。今年も、花びらがレースのような「クチュール・ローズ・チリア」、真っ赤な大輪花が目を引く「アンクルウオルター」、とげのないしなやかな枝に小花を多数咲かせる「春風」など、今では約60種類にもなるバラのきれいな姿、心地よい香りを楽しめる時期に合わせた。

 

 花の手入れを担当するのは陽子さん。「花と触れ合っていると気持ちが和らぎ、癒やされる。花それぞれの個性を楽しみ、喜んでもらえたらうれしい」と願う。

 

 庭造りは、秀明さんが退職した10年前に本格的に始まった。サツキなどで彩った日本庭園づくりを楽しんできた秀明さんが庭を拡張。陽子さんも気に入った草花をどんどん育てるようになり、花壇や小径などが次々と設けられた。

 

 年々、庭を見に来る人が増えていることから、今回の公開に合わせ歩道を整備し、駐車場も用意。「陽子ガーデン」の愛称も付けた。

 

 庭では、例年より遅れ気味のサツキがバラを追いかけるように少しずつ開花。さらにアジサイ、ヤマユリと続き、秋にはまた四季咲きのバラが楽しめる。冬期は庭をイルミネーションで飾り付け。秀明さんは「さまざまな花が咲き誇る今が一番幸せだけど、一年中楽しみがある庭にしたい。和洋の組み合わせも楽しみつつ、石造りの日本風の庭の良さも感じてもらえたら」と、庭造りの意欲は衰えない。

 

(復興釜石新聞 2018年6月6日発行 第695号より)

 

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60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

「終活」講演会スタート、7月まで市内6地区で開講〜相続が争族にならないために

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

 

 元気なうちに人生の最後に向けた準備をする「終活(しゅうかつ)」をテーマにした講演会が5月31日、釜石市甲子町の甲子地区生活応援センターを皮切りに始まった。高齢化が加速し、終活の注目度が高まる中、残される家族の負担を軽減し、前向きに人生の締めくくり方を考える機会にしてもらおうと、市地域包括ケア推進室が昨年度に続いて企画。本年度は7月まで市内6地区の生活応援センター単位で順次開催する。

 

 甲子地区での講演会には約60人が参加した。釜石ひまわり基金法律事務所長の多田創一弁護士が「人生100年時代の終活~相続が争族にならないために」と題して講演。万一の時に自分の意思を残しておく準備の必要性、遺言の重要性、今すぐ始める終活などをアドバイスした。

 

 多田弁護士は相続問題を例えに挙げながら、「もっと早く対応していれば争うことなく済んだと思えるケースが多くある。残された家族、親族が仲たがいせず関係を継続していけるよう配慮するのが終活。始めの一歩を踏み出してほしい」と訴えた。

 

 財産、医療・介護と葬儀・お墓についての希望、親戚・友人の連絡先など、自分の身の回りのものを記録しておく終活ノートを配布。「残された人たちに決断させるのは酷。自分はどうしたいか、どうしてほしいか思いを残してほしい。意思表示があると家族が動きやすくなる。記録したノートのことを教えておくことも必要」と強調した。

 

 成年後見人制度、死後事務委任契約についても紹介。「悩み事の交通整理が弁護士の役割。必要なところにつないだり、アドバイスもできる。相談場所として選択肢に加えてほしい」と呼び掛けた。

 

 平田から足を運んだ60代の女性は「相続問題を抱え、すごく大変な思いをしている。子どもたちに同じ思いをさせたくない。迷惑をかけないよう、終活をきちんとしていかなければ」と話した。

 

 昨年度は、中妻と小佐野地区で実施。この日は甲子のほか、唐丹地区でも開催した。

 

 今後の開催予定は次の通り(かっこ内は開始時刻)。
 ▽6月19日=平田集会所(午後1時半)▽29日=栗橋地区基幹集落センター(午前10時)▽30日=青葉ビル(同)▽7月2日=鵜住居地区生活応援センター(午後2時)

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

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開講したボランティア通訳養成講座

ボランティア通訳養成講座開講、外国人観光客をサポート〜ワールドカップへ おもてなしの心も学ぶ

開講したボランティア通訳養成講座

開講したボランティア通訳養成講座

 

 1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)に向け、釜石市国際交流協会(丸木久忠会長)が主催するボランティア通訳養成講座が5月27日から市民ホールで開講した。釜石を訪れる多くの外国人観光客をスムーズに受け入れるのが目的。中学生から一般まで約30人が受講。講座は11月まで5回にわたって開かれ、英会話の基礎や、おもてなしの心などを学ぶ。

 

 同講座は昨年から来年まで3年計画で進めており、2年目の今年は受講者のほぼ半分が昨年からの継続。本年度初回のこの日は、市ラグビーワールドカップ2019推進本部事務局の増田久士主幹が国際大会のボランティアガイドについて講義。高橋晃進副主幹はボランティア募集について説明した。

 

 増田主幹は、3年前のラグビーW杯英国大会を視察した経験をもとに「現地のボランティアが失敗を恐れずに学び、挑戦する姿勢が強く印象に残った。釜石には釜石らしいやり方がある。相手のことを知ってあげるのが一番のおもてなしになるのではないか」などとアドバイスした。

 

 続く英会話講座では市の国際交流員エミリー・ハラムズさん、アシュリン・バリーさんが講師となり、身ぶり手ぶりを交えながら分かりやすく指導した。

 

 W杯組織委員会は、観客席への誘導などを担当する大会公式ボランティア(開催12都市で約1万人)を7月18日まで募集している。開催都市で観光案内などを行う独自ボランティアの内容や実施方法については検討中。釜石市国際交流協会事務局の宮崎敏子さんは「釜石の力を生かし、スムーズなサポートをお手伝いしたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

復興釜石新聞

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実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

形はラグビーボール、カボチャでワールドカップ盛り上げ〜鵜住居町田郷の遊休農地に植え付け、釜石市農業委員会「特産品に」

「農地の日」にちなんだ活動を展開した農業委員ら

「農地の日」にちなんだ活動を展開した農業委員ら

 

 釜石市農業委員会(二本松誠会長)は21日、鵜住居町田郷の遊休農地でカボチャの苗の植え付けを行った。今回植え付けたのは「ロロン」「白栗(しろぐり)」という品種で、どちらもラグビーボールのような形をしたカボチャ。来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の機運醸成を農業面からも後押しする。

 

 県農業会議が2013年に設定した「農地の日」(7月15日)にちなんだ取り組み。釜石市では農地の有効活用、景観保全を狙いに、市内各地にある遊休農地でソバ栽培などを試みてきた。16年から今回と同じ農地(約10アール)で品種の異なるカボチャを栽培。昨年は夏にロロンを植え付け、晩秋に収穫したが、台風の影響やシカによる被害があり、収量は目標の8割程度だった。

 

 今回はW杯開催時に活用できるよう、植え付けを春、収穫を夏と作業の時期を変えて再挑戦。上品な甘さと滑らかな舌触りが特徴のロロンのほか、ほくほくした食感と甘い味わいで日持ち性の高い白栗の2種類を植え、一定の収量確保や品質などを調査する。

 

 この日の作業には委員ら15人が参加。甲子町の農業、佐々木四郎さん(72)が育てた2種の苗計80株を植え付けた。

 

実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

 

 佐々木さんは自身のビニールハウスにも2種を植え付けており、水やりなど管理されたハウスと露地栽培での収量、品質の違いを確認するのを楽しみにする。マスクメロン、イチゴ、トマト、ホワイトアスパラなども育てていて、「農業は、ぼけ防止にいい。普通にやるより、いろいろ試して面白おかしく楽しみたい」と笑った。

 

 二本松会長(54)によると、ロロンは昨年の特産品販売イベントなどで試食してもらい、味の評価は上々。今年も生産を楽しみにする声もあり、「ユニークな形のカボチャを飾ってもらえれば、いい宣伝になる。ラグビーの盛り上げ、釜石の特産品につなげたい」と協力者の増加を期待した。

 

 今後は協力して間引き作業などを行い、7月下旬から8月に収穫する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2018年5月23日発行 第691号より)

 

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