ロート製薬と創作農家こすもすが共同開発したアイスバー
大手製薬メーカーのロート製薬(本社・大阪市)は、釜石市の特産品「甲子柿」を使った冷菓「フローズンフルーツバー」を開発した。旬の時期に収穫された新鮮なフルーツや野菜を果汁やジェラート、ヨーグルトなどに閉じ込めたもので、「PALETAS(パレタス)」というブランド名で関東を中心に販売され、注目を集めている。今回、創作農家こすもす(甲子町)と協力し開発を進め、17日に釜石市役所で野田武則市長に試作品をお披露目。釜石地区限定で6月23日(予定)から販売することを報告した。
ロート製薬仙台支店地域連携室の小久保伸一さん(55)、こすもすの藤井サヱ子代表(74)ら関係者4人が市役所を訪問。開発の経緯や今後の展開について説明した。
小久保さんによると、パレタスは健康に良いものをおいしく楽しく食べてもらうことをコンセプトに、着色料や人工甘味料を使用しない安心にこだわったフルーツバー。産地や生産者にこだわり、果汁・果実も可能な限り国産のものを使う。「フルーツが凍っていても柔らかく食べられる技術を開発し、自然の甘味や果汁を使ったレシピにこだわっている」という。
現在、鎌倉本店に加えて、銀座、六本木で店舗を運営。みずみずしい食感や風味の冷凍フルーツがごろごろ入っているのが特徴で、見た目の楽しさも評判になっている。
今回の開発は、小久保さんが2016年に甲子柿に出会ったのがきかっけ。「すごいインパクトがあった」とパレタスとのコラボを考え、昨年秋頃に成分調査を実施。いぶして作る甲子柿はビタミンCと、リコピン、ベータカロテン、クリプトキサンチンといった抗酸化物質が多く含まれていることが分かり、開発が一気に進んだ。
試作品は、甲子柿をとろみのある半液体状にして練り込んだ柿風味アイスに、旬の果物などを合わせている。試食した野田市長は「フルーツの香り、ほのかな甘みがいい。高級感もある。甲子柿の持つ可能性が感じられ、新たな展開への期待が広がる」と高く評価した。
柿風味アイスに旬の果物を閉じ込めた
小久保さんは「珍しい柿を生かすことができた。安心安全なものを食べて健康になってほしい」とアピール。藤井代表は「すっきりとした後味でおいしい。体に優しい感じも好き。大手企業に注目され、柿のPRには最高。市民の皆さんに食べて楽しんでほしい」と期待した。
販売は釜石市内限定で開始。こすもすを会場に6月23日に予定するイベントで売り出す。価格は500円前後となる見込みで、1千個を生産。こすもすでの売れ行きを見ながら販路開拓を進める考えだ。
(復興釜石新聞 2019年4月24日発行 第785号より)
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