第6回えんむすびマルシェ

第6回えんむすびマルシェ

第6回えんむすびマルシェ

 
釜石大観音仲見世にて、第6回えんむすびマルシェを開催します。
 
お菓子、飲食物、クラフト雑貨、などの露店とキッチンカーによるマルシェを開催します。ステージ企画やその他コンテンツも実施予定です。
また、釜石商工高校の出店ブースもあります。
今回、過去最高の出店数を予定しております。ぜひお越しください。

日時

2024年11月3日(日) 9:30〜14:30

場所

釜石大観音仲見世(釜石市大平町3-9-1)

料金

入場無料

主催

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト
Facebookページ: https://www.facebook.com/kamaishinakamise
Instagram: https://www.instagram.com/enmusbi_marche

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクトは、仲見世商店街を再生するためにさまざまな活動を行っています。

問い合わせ (代表/宮崎):090-4857-5693 / t-miya@aa.alles.or.jp

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学校以外で地震、津波に遭遇したら… 釜石小 17年目の下校時避難訓練 児童ら自ら判断し高台へ

訓練・大津波警報を受け高台の仙寿院境内に向かう釜石小児童=11日

訓練・大津波警報を受け高台の仙寿院境内に向かう釜石小児童=11日

 
 釜石小(五安城正敏校長、児童79人)は11日、学校管理下以外で地震、津波が発生した場合を想定し、全校児童の下校時津波避難訓練を行った。帰宅途中または帰宅後に、児童が自ら判断し、適切な避難行動をとれるようにするのが狙い。同校は2011年の東日本大震災時、下校していた全児童184人が迅速な避難で自らの命を守った。08年から取り組んできた同訓練の成果とされる。その “防災のDNA”を受け継ぐ現児童らは本訓練にも真剣に取り組み、いざという時の行動を体で覚えた。
 
 この日、1、2年生は午後2時20分に、3~6年生は午後3時10分に下校した。午後3時30分ごろ、市の防災行政無線で大地震発生の緊急地震速報が流れると、それぞれにいる場所で頭を守る低姿勢(シェイクアウト)をとった。下校中の児童は周りの危険を回避しながらその場でかがみ、ランドセルなどで頭を覆った。自宅など建物内にいた児童はテーブルの下などに入り、揺れがおさまるのを待った。
 
写真左:下校時の地震発生を受け、ランドセルで頭を守り低い姿勢をとる児童(訓練) 同右:大津波警報、避難指示発令の放送で高台への避難を開始(訓練)

写真左:下校時の地震発生を受け、ランドセルで頭を守り低い姿勢をとる児童(訓練) 同右:大津波警報、避難指示発令の放送で高台への避難を開始(訓練)

 
市指定津波避難場所・仙寿院に向かう階段を懸命に駆け上がる

市指定津波避難場所・仙寿院に向かう階段を懸命に駆け上がる

 
 続いて大津波警報が発表され、避難指示が発令されると、その場から最も近い高台を目指して駆け出した。転ばないように足元にも注意しながら、階段や坂道を早足で駆け上がった。市の津波避難場所に指定されている大只越町の寺、仙寿院には同町や只越町などに自宅のある児童らが次々に避難。地域住民や天神町のかまいしこども園の園児らも訓練に参加した。訓練開始から10分後、同所担当の教諭が避難した児童の名前、人数などを学校に報告した。仙寿院への避難児童は1~6年の10人。
 
頂上は間もなく… それぞれのペースで境内を目指す

頂上は間もなく… それぞれのペースで境内を目指す

 
釜石小が訓練の声掛けをした、かまいしこども園の園児も天神町側の階段から上ってきた

釜石小が訓練の声掛けをした、かまいしこども園の園児も天神町側の階段から上ってきた

 
 訓練を振り返る場では▽地震発生時、頭を守りながら周りに危険がないか見ることができたか▽津波避難場所に素早く避難できたか▽真剣に取り組むことができたか―を挙手でチェック。一連の自分の行動がどうだったかを確認した。
 
 帰宅後に防災無線が鳴った福士愛梨さん(5年)は「すぐに机の下に隠れて周りを見た。(避難路は)急坂で疲れたが、いざという時は全力を出して逃げ切りたい」と気を引き締めた。山﨑詩さん(同)は1年時から訓練を重ねてきたことで、「身を守りながら素早く行動できるようになってきた。家にいる時はここに避難すると決めている」と成長をのぞかせた。
 
 「避難の態度はとても立派だった」と話したのは、大只越2丁目町内会の柏木成一郎会長(70)。災害時に必要なものを入れた防災リュックを背負って、自身も訓練に参加した。「実際の災害時は思うように行動できないことも。周りの人や先生の言うことを聞いて逃げてください。家から避難する時はこれを持って逃げるというのを決めておくといい」とアドバイス。急傾斜という土地柄、「山や建物の崩落が心配。シカが多いのも気になる」と、避難の妨げも考えられる環境変化を指摘した。
 
避難完了後、自分たちの行動を振り返り。柏木町内会長は非常時の持ち出しについてもアドバイス

避難完了後、自分たちの行動を振り返り。柏木町内会長は非常時の持ち出しについてもアドバイス

 
 大町の薬師公園には児童約20人が避難。澤舘仁さん(6年)は、放送をしっかり聞いて行動することを意識した。目標を達成できた様子で、「津波がきた時は焦らないで、冷静に行動することを大切にしたい。高いところに避難できたら、先生たちの指示をきちんと聞く」と実際の災害時を想定した。
 
 反省会では「放送が鳴ってすぐに身を守り、素早く避難できた」「家にいた時にサイレンが鳴ってびっくりしたけど、避難場所に早く来られて良かった」などの声が聞かれた。付き添いの教諭は、「足元に気をつけて」と自分から声掛けしていた6年生を評価。スクールガードとして普段から児童を見守る地域住民は震災時の避難行動に触れ、「訓練を繰り返し、身に付いていた結果。みんなも自然に動けるようになったらいい」と訓練の重要性を示した。
 
学校に近い薬師公園に避難する釜石小児童(正面上り口)

学校に近い薬師公園に避難する釜石小児童(正面上り口)

 
薬師公園へのルートは正面以外にも。児童らは最短で上れるルートを選択

薬師公園へのルートは正面以外にも。児童らは最短で上れるルートを選択

 
落ち葉や濡れた路面で転ばないよう気を付けながら避難。頂上広場では反省会も行われた

落ち葉や濡れた路面で転ばないよう気を付けながら避難。頂上広場では反省会も行われた

 
 同校では毎月11日を「釜小ぼうさいの日」と定める。防災安全少年団の6年生が中心となり、防災や安全に関わる話を校内放送で流したり、防災市民憲章を唱和したりしながら意識を高める工夫をしている。この日に合わせて校内での避難訓練なども実施。下校時避難訓練は年1回、10月に行っている。
 
 学区内には高台の同校を含む計8カ所の市指定津波避難場所があり、訓練参加者全員が各所に避難することができた。緊急地震速報から始まった訓練で、児童らは避難の流れを確認。同校によると、シェイクアウトは多くの児童が実践できていたが、緊急地震速報を聞いてすぐに避難場所に向かった児童もいた。「まずは建物の倒壊などに巻き込まれないよう、安全な場所でシェイクアウト。ある程度、揺れがおさまった後、津波注意報や警報の発表で避難場所への避難を開始する」ことを再度、周知する。                               

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園児たち「火の用心」 防火パレードで啓発 秋の火災予防運動、一足早く釜石市民に

「火の用心」と呼びかけたかまいしこども園の園児たち

「火の用心」と呼びかけたかまいしこども園の園児たち

 
 来月の秋季全国火災予防運動週間にちなみ、釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児88人)は11日、防火パレードを行った。4~5歳児約30人が「戸締り用心、火の用心」と大きな声で歌いながら市街地を行進。道行く人に啓発物を渡して注意を促した。
 
 同園児でつくる幼年消防クラブの活動の一環。例年は釜石消防署に出向いて放水体験などに取り組んできたが、地域の防火意識の向上に一役買おうと初めてパレードを企画した。
 
 そろいの消防はんてんを着た子どもたちは、園舎前に整列。藤原園長は「だんだん寒くなって、火を使う季節になった。『使う時は気をつけて』と地域に元気に呼びかけようね」と激励した。
 
園舎の前で出発式。気合を入れる子どもたち

園舎の前で出発式。気合を入れる子どもたち

 
 釜石署の小林太署長がパレードを先導した。住宅街や目抜き通りを進むと、歌声に誘われ建物から出てくる住民も。子どもらは「火の用心」と記した紙を添えた風船をプレゼントした。
 
「火の用心」と伝える園児らを小林太署長が引っ張る

「火の用心」と伝える園児らを小林太署長が引っ張る

 
地域住民に風船を手渡して「火の用心」を呼びかけ

地域住民に風船を手渡して「火の用心」を呼びかけ

 
 大町広場で、防火の集い。市民らが見守る中で、園児らは「火遊びはしません。火のそばで遊びません」などと誓った後、防火の心構えを伝える歌を元気いっぱい歌った。小林署長は「地域の人に火の用心の心が伝わったはず」と協力に感謝した。
 
大町広場で地域の人たちに防火の誓いを伝える子どもら

大町広場で地域の人たちに防火の誓いを伝える子どもら

 
とじまりよ~じん、ひのよ~じん♪元気に歌った

とじまりよ~じん、ひのよ~じん♪元気に歌った

 
 釜石署によると、市内で今年発生した火災はこれまで5件。前年同時期と比較すると少ないという。原因として多いのは“不注意”で、「火の取り扱いに注意を徹底してほしい。使ったら離れない」と呼びかける。
 
パレードで風船を掲げてアピール「お願い!火の用心」

パレードで風船を掲げてアピール「お願い!火の用心」

 
 同運動は、11月9日から15日まで展開される。暖房器具など火器の使用が増え、空気の乾燥や強風により火災が発生しやすい時季を迎えることから、火災予防意識の高揚が目的。釜石署管内では期間中、市消防団や婦人消防協力隊による広報活動、道の駅などでの啓発活動を予定する。年間を通して行う保育施設での防災教室や事業所の立ち入り火防点検・消防訓練は継続する。

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第18回水車まつり

第18回水車まつり

橋野どんぐり広場での餅まきの様子

 

橋野町振興協議会と栗橋地区まちづくり会議では、恵みの秋に感謝して第18回水車まつりを開催します。

日時

2024年11月3日(日) 11時〜13時

場所

橋野どんぐり広場と親水公園

参加料

無料

内容

餅まき、水車や農具の実演、トン汁のお振る舞い、各種出店(手打ちそば、きびの焼き団子、雑穀おにぎりなどの販売)を予定

 

きびの焼き団子

きびの焼き団子

無料バスの運行

会場までの無料バスを運行します。希望者は11月1日(金)までに(株)岩手旅行社(TEL:31-1300)までお申し込み下さい。
おおよその時刻は次のとおり。
 
●無料バス運行表(行き)
9:50 ビレッジハウス洞泉前
9:55 松倉駅前
10:00 小佐野駅前
10:05 昭和園前
10:10 釜石駅前
10:15 釜石中央
10:25 鵜住居
10:35 砂子畑
10:40 上栗林
 
※帰りは橋野どんぐり広場を13時に出発します。

問い合わせ

橋野町振興協議会事務局 TEL 090-4639-3225

橋野町振興協議会

橋野町振興協議会

問い合わせ:TEL 090-4639-3225 / FAX 0193-57-2212 / 〒026-0041 岩手県釜石市橋野町34-13-12

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秋の自然を体感!五葉山トレッキング 森林ガイドが紹介 釜石の魅力「再発見して」

秋の五葉山を味わうトレッキングツアー

秋の五葉山を味わうトレッキングツアー

 
 秋の行楽期、山肌に紅葉が映える魅力的な季節-。釜石、大船渡、住田の3市町にまたがる三陸沿岸最高峰・五葉山(標高1351メートル)では6日、地元の森林インストラクターがガイドを務める初心者向けのトレッキングツアーがあった。色づく木々や草花、落葉で見えてくる樹形など秋ならではの楽しみ方を体感しながら、ゆっくり時間をかけて散策。残念ながら山頂は霧が濃く、絶景は“おあずけ”となったが、「次こそは」と楽しみを残す。
 
 釜石ならではの体験プログラムを集めた「Meetup Kamaishi 2024」の秋季企画の一つ。釜石市が主催し、観光地域づくり法人かまいしDMCが実施主体として事務局を担う。この日は事務局スタッフを含め、8人が参加。20~70代と年代は幅広い。
 
 案内役は、森林インストラクターの石塚勇太さん(34)。釜石・甲子町を拠点に林業やそれに関わるものづくり、研修の受け入れなどを手がけ、人と森、自然とをつなげている。趣味を仕事にというほどの「樹木好き」と自負。知識だけでなく、そうした楽しみが伝わるガイドで引き込む。
 
森林インストラクターの石塚勇太さんが案内

森林インストラクターの石塚勇太さんが案内

 
 「久しぶりの…」という人が多い今回の山登りは、両市境の赤坂峠登山口がスタート地点。人の手が入って歩きやすいよう整備されており、初心者にも優しいコースだ。石塚さんは入山前に、岩手県立自然公園、日本三百名山、花の百名山に選定される五葉山の歴史を説明。藩政時代、伊達藩にとって重要な山だったことから「御用山」と言われていたことが由来とされるが、のちに、山で多く見られるゴヨウマツ(五葉松)にちなんでその名で呼ばれるようになったという。
 
 そして、“本領”の植生解説。「賽(さい)の河原」と名がついた地がある3合目までに見られるのはコナラ、クリ、サクラ、ケヤキなど暖温帯~冷温帯の木々で、そこから9合目にある避難小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」までにはミズナラ、ブナ、ダケカンバ、アオモリトドマツなど冷温帯、亜高山帯の植物が混生する。御用山の由来とされる、「伊達藩直轄の火縄産地」として守られたヒノキアスナロも自生。そして、山頂に向かう道では亜高山帯植物のハイマツ、コケモモ、ガンコウランなど低木が根を張る。
 
豊かな植生が見られる登山道を歩く参加者

豊かな植生が見られる登山道を歩く参加者

 
標高によって変わる植生に参加者は興味津々

標高によって変わる植生に参加者は興味津々

 
 「五葉山はおもしろい山」と石塚さん。山頂に向かって歩を進めると、どんどん樹種が変わり、気温の変化が感じられるからだという。高木が生い茂る道を抜けると視界が開ける場所があったり、「同じ木でも小柄なのは風が強いから成長できない。自然のおもしろさ」とニヤリ。固有種「ゴヨウザンヨウラク」(ツツジ科ツツジ属)の存在も特徴とするが、今回は花期ではないことから説明だけにとどめた。
 
解説の時間は休憩の時間。ヒバとクロベの違い(右下・左の写真)やゴヨウマツの特徴(同・右の写真)を紹介したり

解説の時間は休憩の時間。ヒバとクロベの違い(右下・左の写真)やゴヨウマツの特徴(同・右の写真)を紹介したり

 
 秋の気配を感じる登山道には落ち葉も多い。やわらかく歩きやすいようだが、終始曇り空のこの日は、植物には水滴が付着していたこともあり、道が湿っていて滑りそうになることも。それでも参加者は、季節を勘違いしたのか花開くツツジや秋咲きの草花フデリンドウを見つけたり、シラカバとダケカンバの特徴や違いを確認したり…さまざま寄り道を楽しみながら3時間かけて頂上に立った。
 
色づき始めた木々の間を歩いて山頂を目指す参加者

色づき始めた木々の間を歩いて山頂を目指す参加者

 
登山道から大船渡市の街並みが見えた瞬間があった

登山道から大船渡市の街並みが見えた瞬間があった

 
ツツジ⁉、フデリンドウなどかれんな花が咲いていた

ツツジ!?、フデリンドウなどかれんな花が咲いていた

 
 山頂は真っ白な霧に包まれ、四方の景色を望むことはできなかったが、参加者は達成感を味わった。食事休憩後、さらなる解説を耳にしながら2時間ほどかけて下山。「歩きながら植物観察したり、参加者と話しながら登れて楽しかった」「故郷の山だから、一度は登りたかった。60代にして初登頂。山の楽しみ方はさまざまあると知った」「天気のいい日に来たい」などと感想を伝え合った。
 
「五葉山」と記された看板を囲んで記念写真

「五葉山」と記された看板を囲んで記念写真

 
 最高齢の参加者は、平田の西野徳和さん(77)。昨年11月に愛知県名古屋市から移住し、ラグビーの試合観戦や三陸鉄道での旅、囲碁などで釜石生活を楽しむ。春から毎週のようにこの山に通っていて、5合目辺りでUターンして「しゃくなげの湯っこ五葉温泉」(大船渡)に寄るのが、お決まりのコース。健康維持のためトレーニングとして続ける考えで、「緑いっぱいで、海もあり、釜石はいいよ」と笑みを広げた。
 
 「天気のいい日に登りに来て。山頂からの景色がすごくいい」と石塚さん。一度では紹介しきれないほど多くの植物が見られることもあり、「本当の良さを体感してほしい。山の魅力を広く伝えたい」と望む。
 
思い思いに五葉山の魅力を楽しんだ参加者

思い思いに五葉山の魅力を楽しんだ参加者

 
道を譲り合って言葉を交わすのも登山の魅力

道を譲り合って言葉を交わすのも登山の魅力

 
 かまいしDMCの平澤果鈴さん(24)は「釜石の隠された魅力を発見、知って楽しんでもらえたら。案内役となる、ある分野に詳しい人(鉄人)に会いに来てほしい」と呼びかける。ミートアップ関連プログラムとして「くるみ細工体験」(参加費あり)を用意。11月16日(土曜)の午前9時半~、会場は鵜住居町の根浜キャンプ場レストハウスで、講師となる鉄人は石塚さん。問い合わせは同レストハウス(電話0193-27-5455)へ。

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広報かまいし2024年10月15日号(No.1842)

広報かまいし2024年10月15日号(No.1842)
 

広報かまいし2024年10月15日号(No.1842)

広報かまいし2024年10月15日号(No.1842)

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【P1】
表紙

【P2-7】
釜石よいさ
- 特 集 -
~釜石の「新たな学び」の取り組み~釜石オープン・フィールド・カレッジ

【P8-9】
第50回衆議院議員総選挙
第26回最高裁判所裁判官国民審査
参議院岩手県選出議員補欠選挙 他

【P10-11】
手続きはお早めに
第54回釜石市民芸術文化祭 他

【P12-15】
まなびぃ釜石
まちの話題

【P16-19】
保健案内板
まちのお知らせ

【P20】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024100800047/
釜石市

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紡ごう「鋼鐵の路」 釜石高校創立110周年記念式典 続く学び…OBの大学教授が講演

歴史と伝統をかみしめながら校歌を歌う釜石高の生徒ら

歴史と伝統をかみしめながら校歌を歌う釜石高の生徒ら

 
 釜石市甲子町の岩手県立釜石高校(青木裕信校長、生徒・全日制387人、定時制16人)の創立110周年記念式典は5日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。在校生、教職員、同窓生ら約550人が出席。歴史の重みを感じながら「鋼鐵(はがね)の路(みち)」を紡ぐ思いを一つにした。
 
 同校の始まりは、1914(大正3)年に設置された釜石女子職業補習学校。学制改革を経て49(昭和24)年、3校の統合により釜石高校が誕生した。高校進学率の向上などで釜石南、釜石北の2高校に分離独立。2008(平成20)年、高校再編で2校が統合し新生「釜石高校」となった。これまでに4万人近くの卒業生を輩出している。
 
 教育理念「文礼一如(ぶんれいいちにょ)」を礎に、広い視野を持った人材の育成に力を入れる。ここ10年間は、変化する生活様式や社会との関係性に対応すべく変革を推進。ICT(情報通信技術)を教育活動に取り入れた生徒主体の探究的な学びや体験学習を重視する。東日本大震災後の復興の道のり、防災の学びを伝える活動も活発。新型コロナウイルス感染症の流行で生活の一変という逆境に直面したが、学び続ける姿勢は変わらない。
 
釜石高校の創立110周年を記念して開かれた式典

釜石高校の創立110周年を記念して開かれた式典

 
 式典で、青木校長が「先輩たちが築き上げた歴史と伝統の重さを受け止め、釜高生としての誇りを持ちながら新しい時代の創造者に。創立110周年を一つの出発点として、鋼鐵の路を紡いでいこう」と式辞。創立110周年記念事業実行委員会の澤田龍明委員長は「今、この時が人生においての経験であり、将来の大きな糧になる。高校時代の一瞬一瞬を大切に過ごしてほしい」とあいさつした。
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式典であいさつした青木裕信校長(左の写真)、澤田龍明委員長

式典であいさつした青木裕信校長(左の写真)、澤田龍明委員長

 
 生徒を代表し、前生徒会長の一関航帆(かずほ)さん(3年)は「110年の歴史を持つことは数多くの先輩方が挑戦し、地域に貢献してきた証し。その重みを受け止め、後世に伝えていく決意を新たに、それぞれが高みを目指して挑戦し続ける」と誓った。
 
釜高生としての誇りを胸に飛躍を誓う一関航帆さん

釜高生としての誇りを胸に飛躍を誓う一関航帆さん

 
 「岩手の山川 太平洋の……百錬鍛へし 鋼鐵の意志(こころ)……文あり 我等の釜石高校」。校歌斉唱、心一つに声を合わせた。歴代の校長(3人)やPTA会長(4人)、定時制教育振興会長(2人)、同窓会長(2人)、記念事業実行委員長(1人)への感謝状贈呈もあった。
 
教育理念「文礼一如」が詰まった釜石高の校歌

教育理念「文礼一如」が詰まった釜石高の校歌

 
校歌斉唱。「鋼鐵の意志」をかみしめながら歌う在校生ら

校歌斉唱。「鋼鐵の意志」をかみしめながら歌う在校生ら

 
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吹奏楽部の生徒らは音に思いをのせて演奏した

 
 式典後は、同校OBで広島大宇宙科学センター長の川端弘治教授(観測天文学)=1989年度卒=による記念講演があった。タイトルは「五葉下ろしと鉄の街に導かれた我が天文学の旅」。高校時代は山岳部に所属し、幾度も登った三陸沿岸最高峰・五葉山(標高1351メートル)などで見た絶景や星空に感動して天文学に興味を持ったこと、部活での経験が現在の研究者人生にも役立っていることを紹介し、「釜石高を選んで良かった」と大きくうなずいた。
 
高校時代や研究人生を振り返る川端弘治教授

高校時代や研究人生を振り返る川端弘治教授

 
 宇宙の成り立ちに大きく寄与する超新星に関する研究に取り組み続ける川端教授。謎に迫る研究の成果を示しながら、「『鉄』は超新星爆発を引き起こし、中性子やブラックホールをつくる特別な重元素。釜石とのつながりを感じ続けていた」と、これまでの道のりを振り返った。
 
 宇宙に関心があるという阿部愛奈(えな)さん(3年)は「ゴールがない研究をすることは大変なこともあったと思う。釜高での経験が今につながっている―という言葉が印象に残った。私も日々の生活、青春を大切にしていきたい」とお礼の言葉。木村妃菜さん(同)が花束を手渡した。
 
式典会場には生徒らの探究活動を紹介する展示もあった

式典会場には生徒らの探究活動を紹介する展示もあった

 
 記念事業は、記念誌「10年小史」の刊行、記念品(トートバッグ)やメッセージパネルの製作など。文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校(第3期)として課題研究に取り組む生徒らを支援する取り組みも行っており、会場となった同ホール内には、研究成果をまとめたポスターが展示された。

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「餅鉄で鉄瓶を作ろう」第2弾 れんが積みの炉で木炭熱し製鉄成功 鉄のまち釜石で市民ら奮闘

炉から流れ出るノロ(不純物)に興味津々の参加者=「餅鉄で鉄瓶を作ろう」第2弾

炉から流れ出るノロ(不純物)に興味津々の参加者=「餅鉄で鉄瓶を作ろう」第2弾

 
 “近代製鉄発祥の地”釜石市で行われている餅鉄から鉄瓶を作るプロジェクトが第2段階を迎えた。5月に橋野町の河川で採集した餅鉄を使い、手作りの炉で製鉄する作業が9月29日、10月6日の両日、甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所前で行われた。参加した市民らは、日本古来のたたら方式の製鉄を体験。複数の工程を経て生まれる鉄に興味をそそられながら見入った。12月には盛岡市で鉄瓶ワークショップが予定される。
 
 製鉄のための炉はコンクリートブロックを基盤に、耐火れんが約100個を組み上げて作る。底にはこねた耐火モルタルを敷き詰め、側面には高さを変えた2カ所に鉄パイプの送風口を取り付け。低部の送風口は後にノロ(不純物)出しにも使われる。加熱中に炉の中を見られるのぞき口も取り付けた。れんがの上部には鉄製の煙突を重ねる。約3時間で3基の炉を完成させた。1日目は採集した石状の餅鉄を約1時間半加熱し、ハンマーで細かく砕く作業も行われた。
 
9月29日の作業。耐火れんがを積み、3基の炉を設置した

9月29日の作業。耐火れんがを積み、3基の炉を設置した

 
木炭を燃やして約800度で餅鉄を加熱。ハンマーで細かく砕いた(原料の下準備)

木炭を燃やして約800度で餅鉄を加熱。ハンマーで細かく砕いた(原料の下準備)

 
 1週間後、いよいよ鉄づくりが始まった。午前9時、各炉に燃料となる木炭20キロを入れて1時間加熱。その後、餅鉄1キロ、木炭2キロ、石灰100グラムの割合で、材料を10分おきに投入していく。風を送りながら加熱を続け、午前10時40分ごろには炉の下部で約1000度に達した。炉内の温度は炎の色で判別できるという。途中で送風口を切り替えると、中の炎の色が変わった。炉内の温度は最終的に約1300度にまで達した。
 
風を送りながら加熱中の炉。煙突口には投入した木炭が見える=10月6日午前10時半ごろ

風を送りながら加熱中の炉。煙突口には投入した木炭が見える=10月6日午前10時半ごろ

 
午前10時から10分おきに材料を投入。左は木炭、右上は石灰をまぶした餅鉄

午前10時から10分おきに材料を投入。左は木炭、右上は石灰をまぶした餅鉄

 
鉄パイプののぞき口から炉の中の様子を撮影する参加者。炎の色の変化などを確認できる

鉄パイプののぞき口から炉の中の様子を撮影する参加者。炎の色の変化などを確認できる

 
 材料の投入から約1時間10分後、各炉でノロ出し。送風口のパイプをはずし、中をつつくとオレンジ色の粘りのある液体が流れ出た。ノロの主な成分はケイ素、シリカ、硫黄。砂の上にたまったノロは外気に冷やされて固まった。水に入れて冷やした後、ノロのかけらをハンマーでたたいてみると簡単に割れた。鉄の場合は割れずに延びるという。
 
ノロ出しは2回。写真上段は2回目の様子。勢いよく流れ出る光景に「マグマだー!」と子ども

ノロ出しは2回。写真上段は2回目の様子。勢いよく流れ出る光景に「マグマだー!」と子ども

 
 昼食をはさみ午後1時ごろ、2回目のノロ出し。その後、煙突をはずして約30分蒸らした。参加者は炉の近くでその熱さを実感。作業員の大変さも知った。炉を解体すると、姿を現したのは「ケラ」と呼ばれる鉄塊。割ったものに磁石を近づけ、くっついたものを袋に集めた。最終的に、種焼きした餅鉄20キロから6.5キロの鉄が取れた。
 
煙突を取り除き炉を解体。耐火れんがを一つ一つはずしていく。高温になったれんがに水をかけると真っ白い水蒸気が上がった

煙突を取り除き炉を解体。耐火れんがを一つ一つはずしていく。高温になったれんがに水をかけると真っ白い水蒸気が上がった

 
炉底には「ケラ」(写真右上)と呼ばれる鉄の塊ができていた

炉底には「ケラ」(写真右上)と呼ばれる鉄の塊ができていた

 
ハンマーで叩いて割れないものが鉄。磁石にくっつくかも判断基準

ハンマーで叩いて割れないものが鉄。磁石にくっつくかも判断基準

 
「磁石についたよ」。餅鉄由来の鉄の出来上がり!

「磁石についたよ」。餅鉄由来の鉄の出来上がり!

 
 同市の小学生藤井啓輔さん(10)は両親と参加。炭にまみれながらも懸命に作業し、「材料を火で燃やしたり、できた鉄を磁石で集めたりするのが面白かった。意外と楽しい」とにっこり。「煙突で炭が燃えているところやオレンジ色の(ノロ)が出たのが印象的だった」と話し、「昔の人は大変そう」と思いをはせた。父祐一さん(53)は「“鉄のまち”ならではの体験。息子はものづくりにも興味があるよう。いろいろな経験をして将来の選択にもつなげてほしい」と願った。
 
 炉作りから参加した市内の男性(70)は「釜石で生まれ育ったが、鉄づくりの工程は全然知らなかったので、いい学びの機会になった。たたらと近代製鉄の違いも分かり、大島高任が洋式高炉で連続出銑に成功したことはすごいことだったんだと改めて実感した」と貴重な経験を心に刻んだ。
 
 同プロジェクトは滝沢市の南部鉄瓶職人田山和康さん(74)=田山鐵瓶工房代表=の提案で始まった。田山さんは以前、釜石産餅鉄からつくられた鉄で鉄瓶を製作した経験がある。今回は5月の餅鉄採集から加わり、釜石市民とともに鉄づくりに挑戦。盛岡たたら研究会代表でもある田山さんは、今回準備した3基の炉のうち1基に炭を埋め込んで、保温性を高める実験も行った。
 
鉄瓶職人の田山和康さんも各種作業に夢中。鉄瓶作りを楽しみにする

鉄瓶職人の田山和康さんも各種作業に夢中。鉄瓶作りを楽しみにする

 
 田山さんによると、今回のように小型炉で木炭を燃料につくった鉄は純度を高められる利点があるが、鋳物にする場合は合金でないと鋳型にうまく流すことができないという。できた鉄はこの後、県工業技術センターで分析してもらい、炭素量などの成分調整をして流れやすくする。田山さんの手によってどんな鉄瓶が生まれるのか、参加者は楽しみにする。
 
餅鉄からできた6.5キロの鉄を前に笑顔を輝かせる参加者

餅鉄からできた6.5キロの鉄を前に笑顔を輝かせる参加者

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震災伝承に三陸道活用を 釜石で地域活性化フォーラム 女性目線で提案「魅力の新形」

震災伝承と三陸道の活用を考える地域活性化フォーラム

震災伝承と三陸道の活用を考える地域活性化フォーラム

 
 東日本大震災の伝承施設と被災地を縦貫する三陸沿岸道路を活用した交流人口の創出を考える地域活性化フォーラムが2日、岩手県釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。一般財団法人「3.11伝承ロード推進機構」(宮城県仙台市、今村文彦代表理事)が主催し、「三陸の新しい魅力」をテーマに講演やパネル討論を展開。行政や観光、建設などの業界関係者ら約80人が耳を傾けた。
 
 東北大学災害科学国際研究所の奥村誠教授(地域・交通・土木計画学専門)が「未来に役立つ災害伝承のための三陸沿岸道路の役割」と題して基調講演。三陸道(青森県八戸市-宮城・仙台、全長359キロ)の全線開通による移動時間の変化や来訪者数の推移に関するデータを示し、「無料区間が延伸され、時間の短縮と交通費用の低下が実現したが、岩手県外からの来訪者に関して顕著な増加は見られない」と指摘した。
 
三陸道の役割についてデータを示しながら解説する奥村誠教授

三陸道の役割についてデータを示しながら解説する奥村誠教授

 
 そのうえで、「量より質を目指しましょう」と呼びかけ。質の向上につながるヒントに―と滞在時間の変化に関するデータも紹介し、「県外からの来訪者は帰りの駅や空港までの時間が読めると、滞在可能な時間がのびる。そうして生まれた時間で地域との交流が生まれ、その人にあった満足が提供できるようになる」とした。
 
 震災伝承のあり方について「多くの人に安く提供するのではなく、少数でも深い学びを提供することが重要」と強調。時間の確保という点で、「三陸道など復興支援道路が持つ、時間的な信頼性が役立つ」と見解を示した。
 
 パネル討論のテーマは「女性が語る三陸の新しい魅力」。石巻専修大の庄子真岐教授が進行役を務め、パネリスト4人で展開された。
 
「女性が語る三陸の新しい魅力」をテーマにしたパネル討論

「女性が語る三陸の新しい魅力」をテーマにしたパネル討論

 
新しい三陸の魅力発信について意見を交わすパネリスト

新しい三陸の魅力発信について意見を交わすパネリスト

 
 釜石・鵜住居町のいのちをつなぐ未来館スタッフの川崎杏樹さんは、学校などの教育旅行や企業のワーケーション研修の実績を紹介。「コロナ禍で落ち込んだが、現在は上昇傾向にあり、釜石式の防災にニーズがある」と感じる一方で、「防災だけを売りにすると飽きられる」とキッパリ。ラグビーやインフラ、産業など多様な要素と組み合わせたプログラムの提供を始めており、「さまざまな面から防災を考えられるよう入り口を広げ、リピーター獲得につなげたい」と展望した。
 
 同じく鵜住居にある旅館・宝来館おかみの岩崎昭子さんは地域にあるものをつなげたり、団体が手を取り合って共に盛り上げる視点の必要性を熱弁。「災害の形は違っても三陸の経験や学びは生かせるはず。世界遺産や歴史、海、環境などに関わる各主体がアイデアや知恵を出し合って魅力ある釜石を発信すべき」と力説した。
 
釜石から岩崎昭子さん(左の写真)と川崎杏樹さんが加わった

釜石から岩崎昭子さん(左の写真)と川崎杏樹さんが加わった

 
 伝承ロードは、震災被災地にある遺構や石碑、慰霊碑、伝承施設をネットワーク化したもので、訪れた人が効果的に教訓や防災などを学べる仕組みを構築する。同機構は、国土計画協会の支援を受け、新たな交流人口を創出する未来志向の地域活性化事業を実施中。今年9月には、政府が新設した「NIPPON防災資産」に選ばれた。
 
震災伝承に三陸沿岸道路の活用を=大船渡市三陸町付近

震災伝承に三陸沿岸道路の活用を=大船渡市三陸町付近

 
 アドバイザーとして討論に加わった同機構の原田吉信業務執行理事は、道路整備により内陸との横の連携だけでなく、三陸道で結ばれた縦の連携も考える必要性を指摘。伝承施設を拠点に観光面でも活用していくことで、「三陸地域の良さや魅力の発信につながる。求められているのは、『今だけ、ここだけ、あなただけ』というプログラム。地域内外で協力して作っていければ、人を呼び込む強みになる」と締めくくった。

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ライフセービングを競技で 釜石・根浜海岸で大会初開催 スキル向上、次世代の人材育成へ

根浜海岸で開かれた第2回さんりくリアスカップライフセービング競技大会

根浜海岸で開かれた第2回さんりくリアスカップライフセービング競技大会

 
 海水浴シーズンを中心に水辺の事故防止活動に尽力するライフセーバー。その技術向上や活動人材育成を目的とした大会が9月29日、釜石市鵜住居町の根浜海岸で開かれた。「さんりくリアスカップライフセービング競技大会」(同実行委主催)と銘打った大会は、昨年の宮城県気仙沼市での開催に続き2回目。関係者は「未経験者にも競技に触れてもらい、東北のライフセービング活動の裾野を広げていきたい」と大会継続に意欲を示す。
 
 本大会長を務めた地元、釜石ライフセービングクラブの菊池健一会長は「今シーズンの海水浴監視活動を無事故で終えられたことに敬意を表したい。この大会は日ごろの活動成果を試すとともに各クラブ間の交流の深める場でもある。自分の力を出し切って楽しんでほしい」と参加者を歓迎した。
 
 競技には岩手、宮城両県から7~58歳の男女35人が参加。日本ライフセービング協会の派遣スタッフがコース設定や審判で協力した。競技は砂浜と海上で行うものがあり、年代、男女別に16種目が用意された。砂浜では70メートルダッシュを競う「ビーチスプリント」、ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、ゴールにあるフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」、400メートルの海岸線を走って往復する「ビーチラン」、海上では約200メートルのコースを泳ぐ「サーフレース」、救助や監視に使うボードに乗って同コースを泳ぐ「レスキューボードレース」、小中学生の「ニッパーボードレース」が行われた。リレー競技もあった。
 
70メートルの砂浜を走り、速さを競うジュニア男子ビーチスプリント

70メートルの砂浜を走り、速さを競うジュニア男子ビーチスプリント

 
小中学生対象のニッパーボード(レスキューボードの縮小版)レース

小中学生対象のニッパーボード(レスキューボードの縮小版)レース

 
一般女子レスキューボードレース。波打ち際の高波を乗り越えて沖へ。設定されたコースを回り砂浜へゴールした

一般女子レスキューボードレース。波打ち際の高波を乗り越えて沖へ。設定されたコースを回り砂浜へゴールした
 
海上で競技する選手に声援を送る釜石ライフセービングクラブのメンバーら

海上で競技する選手に声援を送る釜石ライフセービングクラブのメンバーら

 
 盛岡ライフセービングクラブに所属する宮古市の上野杏華さん(10)は体験会を機に昨年から競技を始めた。「ボードに乗って泳ぐのが楽しい」と話し、本大会のニッパーボードレースでは1位を獲得。海にたくさん通って練習を重ねているといい、9月上旬に行われたジュニアの全国大会ではボード競技で決勝に進んだ。「もっと速くなりたい。ライフセーバーの活動にも少し興味がある」と向上心を見せる。
 
 東日本大震災後、東北のライフセービング関係者は事故や災害から人命を守る同活動を根付かせようと、ジュニアの大会に着手。コロナ禍による休止を経て、幅広い年代が参加できる同大会を立ち上げた。大きな目的の一つが未経験者にも競技に触れてもらい、ライフセービングの魅力や意義を知ってもらうこと。今大会には昨年よりも多い未経験者のエントリーがあった。
 
 岩手医科大(矢巾町)に通う麻田恭大さん(26)は同大水泳部の友人と初参加。「海での競技は初めて。波に合わせて泳ぐのがきつかった」と息を切らした。実際に活動するライフセーバーと接し、「体力も体格もすごい。自分はまだ泳ぐだけで精いっぱいだが…」と苦笑い。それでも、いち早く人命救助にあたれるライフセーバーに魅力を感じ、「医師と両立できれば、救命の現場でもより役立つことができそう」と話した。
 
ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、競技者より少ない数のフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」

ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、競技者より少ない数のフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」

 
日ごろから訓練を重ねるライフセーバーは迫力のスピード!

日ごろから訓練を重ねるライフセーバーは迫力のスピード!

 
競技未経験者も全力でバトンの争奪戦。ビーチ競技の面白さを体感

競技未経験者も全力でバトンの争奪戦。ビーチ競技の面白さを体感

 
 毎年、夏の海水浴シーズンは、全国各地で水辺の事故により命を落とす人が後を絶たない。気仙沼ライフガードの浦健太さん(32)は「ライフセーバーがいないところで事故が起きているというニュースも聞く。全国的に(海水浴期間中)ライフセーバーが常駐していない海岸はまだまだ多く、活動人員の拡大が望まれる。こうした大会を通して子どもたちが役割を知り、大人になった時に活動に加わってくれたら」と期待を寄せる。
 
 今回、大会開催地となった根浜海岸はトライアスロンやオープンウオータースイミング(遠泳)の大会が開かれてきた場所でもあり、ライフセーバーは競技者の安全確保にも大きな力を発揮してきた。近年は海遊びイベントへの協力などさらに活躍の場を広げている。
 
トライアスロン、オープンウオータースイミングに次ぐ新たなスポーツ大会会場となった根浜海岸

トライアスロン、オープンウオータースイミングに次ぐ新たなスポーツ大会会場となった根浜海岸

 
ライフセービングの基本的スキル「泳ぎ」を競うサーフレース。リレーも行った

ライフセービングの基本的スキル「泳ぎ」を競うサーフレース。リレーも行った

 
 釜石ライフセービングクラブの事務局を務める中田深雪さん(43)は「ライフセービングというと人命救助に目が向きがちだが、私たちの活動のメインは事故を未然に防ぐこと。出動体制は整えているが、まずはパトロールの強化や事故防止の啓発で最悪の事態にならないようにすることが大事」と活動趣旨を強調。競技大会などで敷居の高さを払拭しながら、「興味のある方は臆せず入ってきてほしい。救助技術などは訓練で身に付く。ぜひ一緒に活動を」と呼び掛ける。
 
一般男子レスキューボードレース。ゴール間近の先頭争い

一般男子レスキューボードレース。ゴール間近の先頭争い

 
砂浜の緑の旗がゴール地点。計測タイムを記録し順位が確定。力を尽くした競技者を砂浜のメンバーが温かく迎える

砂浜の緑の旗がゴール地点。計測タイムを記録し順位が確定。力を尽くした競技者を砂浜のメンバーが温かく迎える

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まちに時告げるメロディー…釜石市民歌 85歳女性、市役所で熱唱「人生の応援歌」感謝込め

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釜石市役所の前で市民歌を歌った若山節子さん

 
 釜石市内で毎日朝と昼、そして夕方の3回、防災行政無線から流れてくるメロディー...その曲は「釜石市民歌」。時を告げる「愛の鐘」(通称)として親しまれ、市民に耳なじみはあるが、「歌詞を知っているか」「歌えるか」といったら首をかしげる人も少なくないのではないか。そんな市民歌に励まされ、生きる力をもらってきた女性がいる。「市民歌、ありがとう」。そう何度も繰り返す、その人は長年、ある願いを持ち続けていた。「市役所前で歌いたい」。1日、多くの人に支えられ、その希望をかなえた。
 
 釜石市民歌は1937(昭和12)年の市制施行を記念して作られた。作詞は広瀬喜志、作曲は「長崎の鐘」「六甲おろし」「栄冠は君に輝く」などで知られる古関裕而が担当。鉄の都や港など、当時の市の産業を象徴する言葉が多く盛り込まれている。郷土の歴史を表す市民歌を受け継ぎ、郷土愛を深めてもらおうと、95(平成7)年、大町に石碑を設置。2005(同17)年からチャイムとして防災無線で市内全域に放送している。
 
 市民歌は私の応援歌-。そう話すのは、特別養護老人ホーム仙人の里(同市甲子町)に入所する若山節子さん(85)だ。1日、市役所本庁舎の玄関前。施設の職員が寄り添う中で、小野共市長や市職員らと共に5番まで熱唱し、「一緒に歌えて幸せ」と穏やかに笑った。
 
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右手には握りこぶし。自身を鼓舞するように歌う若山さん

 
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市職員らも若山さんと向き合って歌声を重ねた

 
 若山さんは中妻町出身で、4人きょうだいの一番上。幼少期に戦争で父を亡くし、母を助け家族を養うため、中学卒業後に上京して働いた。知り合いがおらず、慣れない土地での生活は孤独で寂しさが募り、仕事や人間関係にも悩み、「死にたい」と何度も思ったという。
 
 そんな時は多摩川の河川敷などで市民歌を思い出し、歌って自分を元気づけた。「ひとり寂しくとも、帰りたくても、帰れなかった。歌にどれだけ励まされたか…人生の応援歌です」。市民歌は生きる支えだった。
 
 結婚したが、夫は早世。静岡県・熱海のホテルで長く働いた。6年前、神奈川県内で交通事故に遭い、左足を骨折。手術した3日後には脳梗塞となり、左半身が不自由になった。車椅子生活となり、4年前に妹の釜澤典子さん(83)が暮らす釜石に帰郷。同施設を短期利用し、今年1月から長期に切り替えて生活する。
 
 幾度もつらい思いをしたが、その都度、市民歌を歌って困難を乗り越えてきた若山さん。施設でも毎日歌っていて、2年前からは何度も「感謝の気持ちを込めて、市役所の前で歌いたい」と職員に伝えていた。いつも一緒に歌っていた千葉敬施設長(64)らが、9月に開いた施設の敬老会に参加した市の保健福祉部長に相談。熱意を市が受け止め、実現した。
 
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小野共市長(右)や千葉敬施設長(左)らも声を合わせた

 
 ♪おおこの命 釜石市~。2番の歌詞の最後のフレーズが若山さんのお気に入り。この日も感極まった様子で、胸に手を当てリズムをとりながら一言一言大切そうに声にした。一番元気が出る言葉であり、必ず涙が出る言葉でもあるという。
 
 希望をかなえた若山さんに「これから先は?」と聞いてみると…。「景気のいい時、戦争も見てきたけど、釜石は素晴らしいまち。自然の中でおいしいものを食べて、元気に楽しく過ごしたい。釜石市民歌、ありがとう。何十年も長生きできそう」と首をかしげてほほ笑んだ。
 
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願いをかなえて元気いっぱいの若山さんと妹の釜澤典子さん(奥)

 
 そばで見守った釜澤さんは「責任感が強く、私たちのために苦労してくれた。願いをかなえてもらい、ありがたい。周りの人たちに本当に良くしてもらった」と目頭を押さえた。小野市長は「市民歌が生きる希望になっていたと聞き、市長としてこれほどうれしい話はない。誇らしい」と感激していた。
 
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大町の目抜き通り、青葉通りに近い歩道の一角に釜石市民歌の石碑がある

 
 今回の市民歌熱唱には「多くの市民に歌ってもらうきっかけに」との思いもあるようだ。市職員に「歌えますか?」と聞いてみると、「1番なら」と答えが返ってきた。記者の私は……改めて歌詞を確かめようと、石碑を見に行ってみた。制作された当時のまちの様子を表す言葉の多くは、今の釜石が目指す姿にも重なる気がした。
 
 ♪仰げ颯爽(さっそう) 三陸の…。防災無線から流れるそのメロディーが聞こえたら、歌詞を口ずさんでみたい。「とりあえず1番は歌えるように」

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT ガイナーレ鳥取戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT ガイナーレ鳥取戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT ガイナーレ鳥取戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第32節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs ガイナーレ鳥取戦

日時

2024年10月13日(日) 13:00 キックオフ
開場 12:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト