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絵巻の場所に「長屋跡」2棟確認 中には銑鉄精練の鍛冶炉 本年度の橋野高炉跡発掘調査で

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国史跡(1957年指定)となっている橋野高炉跡の発掘調査現地説明会

 
 釜石市の世界遺産「橋野鉄鉱山」の高炉場跡で進められる発掘調査の本年度の成果が9月28日、一般に公開された。2018年から10年計画で実施する「橋野高炉跡範囲内容確認調査」の一環。昨年度に続き、三番高炉の西側、長屋があったとされる場所で発掘調査が行われ、江戸時代末期(1861~63年ごろ)の高炉稼働時に描かれた絵巻とほぼ同地点に長屋建物2棟の遺構を確認。建物敷地内では、高炉で作られた銑鉄を精錬し純度を高めるための鍛冶炉の跡が見つかった。
 
 本年度の発掘調査は7月29日から開始。成果を公開する現地説明会には午前と午後の2回に計26人が参加し、市世界遺産室の髙橋岳主査から説明を聞いた。発掘調査が行われたのは、長屋想定地の3つのエリア。昨年度、試掘した最も南側(大門側)のエリアは範囲を広げて調査した。
 
昨年度の試掘調査で長屋建物跡が確認された最も南側のエリア

昨年度の試掘調査で長屋建物跡が確認された最も南側のエリア

 
 その結果、昨年度見つかっていた鍛冶炉のさらに南側に新たな鍛冶炉を検出。粘土に囲われ、中には炭が見られる。炉の構造は1899(明治32)年に東大の研究者が現住田町の錬鉄工場で聞き取りし、図面に描いたものと同じ。周辺からは炉に風を送るフイゴの羽口片や鍛冶滓、れんがが出土している。これにより、高炉でできた銑鉄をそのまま出荷するほか、鍛冶炉で錬鉄にして品質を高めた形で出荷していたことが確実となった。今回発見された鍛冶炉の外側に新たな柱穴も見つかった。鍛冶炉を設置するために建物を増築した可能性があり、約24.5坪の建物敷地を検出した。
 
昨年度の試掘調査で見つかった鍛冶炉(赤丸)の南側で新たな鍛冶炉(黄丸)を検出。粘土製の炉の中に黒い炭が見られる

昨年度の試掘調査で見つかった鍛冶炉(赤丸)の南側で新たな鍛冶炉(黄丸)を検出。粘土製の炉の中に黒い炭が見られる

 
れんがが並ぶ地点の脇の土坑(黄丸)からは鍛冶用フイゴの羽口(白丸)が完形で見つかった

れんがが並ぶ地点の脇の土坑(黄丸)からは鍛冶用フイゴの羽口(白丸)が完形で見つかった

 
 他の2エリアは試掘調査を実施。柱穴が見られる長屋建物跡1棟を確認した。約15坪を検出し、鍛冶炉とみられる跡も見つかった。1892(明治25)、94(同27)年の橋野鉄鉱山の建物記録には15坪の長屋が記録されている。遺物は鉄銭が多く出土した。北側の試掘箇所では道状遺構を検出した。
 
今回の試掘調査で柱穴が見られ、長屋建物跡と確認されたエリア

今回の試掘調査で柱穴が見られ、長屋建物跡と確認されたエリア

 
 この他、三番高炉の補足調査も行われた。高炉絵巻に描かれる三番高炉(改修前の仮高炉)は水車場とフイゴ座が、これまでの発掘調査で確認された位置と異なることから、「仮高炉は現在、石組みが残る高炉より北側にあったのでは」と推測し掘削したが、今回の調査ではその痕跡は確認できなかった。
 
仮高炉の位置を確認するため、三番高炉の北側を掘削したが、痕跡は確認できなかった

仮高炉の位置を確認するため、三番高炉の北側を掘削したが、痕跡は確認できなかった

 
 今回の調査で見つかった錬鉄にするための精錬用の鍛冶炉は、炭が残り内部構造が分かる形で検出されており、同所で行われていた作業を証明する貴重な証拠となった。市世界遺産室の髙橋主査は「高炉絵巻に描かれている三番高炉西側の長屋3棟のうち、2棟を確認できた。錬鉄製造用の鍛冶炉が見つかったことも大きな成果。絵巻の通り、長屋がもう1棟あるのか、さらに調査を進めたい」と話した。
 
 本年度の発掘調査は11月上旬までを予定。出土したフイゴの羽口片や鍛冶滓、鉄銭、陶磁器片などの遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで12月8日まで展示されている。
 
橋野鉄鉱山インフォメーションセンターでは出土品を展示中(12月8日まで)

橋野鉄鉱山インフォメーションセンターでは出土品を展示中(12月8日まで)

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JR観光列車「ひなび」三鉄に初乗り入れ 鉄道がつなぐ秋旅!いわて観光キャンペーン進行

三陸鉄道リアス線を走るJRの観光列車「ひなび」=釜石市鵜住居町

三陸鉄道リアス線を走るJRの観光列車「ひなび」=釜石市鵜住居町

 
 JR東日本の観光列車「ひなび(陽旅)」が9月28日、初めて三陸鉄道に乗り入れた。釜石駅では両社の関係者らが宮古駅からやって来た乗客をお出迎え。津軽三味線と墨絵という和のテイストたっぷりの催しで新しい魅力を発信した。いわて観光キャンペーン推進協議会とJR盛岡支社が主催する「いわて秋旅キャンペーン」の開始に合わせた企画。岩手県内の観光素材をピックアップし多彩なプログラムを提案していて、12月31日まで楽しめる。
 
 ひなびは通常、JRの東北本線、釜石線の盛岡-釜石間で運行されている。三鉄リアス線に乗り入れるのはこれが初めて。開業40周年を迎えた三鉄と連携し、3つのツアーを用意して団体客向けの臨時列車として運行した。グリーン車・普通車の2両編成で、定員は59人。満席となった車両は宮古駅を出発し、乗客は三陸海岸の景色や地元食材をふんだんに使った弁当を味わいながら釜石駅に到着した。
 
大きな窓から三陸の景色を楽しんだ乗客が釜石駅に降り立ち、関係者が歓迎した

大きな窓から三陸の景色を楽しんだ乗客が釜石駅に降り立ち、関係者が歓迎した

 
JR(手前)と三鉄(右)の運転士が引き継ぎのあいさつをする場面も

JR(手前)と三鉄(右)の運転士が引き継ぎのあいさつをする場面も

 
 釜石駅でのもてなしは、墨絵のライブペイント。JRの髙橋恒平釜石駅長(44)による津軽三味線の演奏に合わせ、日高寺(礼ケ口町)の菊池錬城住職(47)がえとにちなみ龍(竜)を描いた。ひなびと伝統芸能の虎舞をテーマにした作品も事前に仕上げてあり、キャンペーン期間中、2作品が駅構内に展示される。
 
JR釜石駅長と日高寺住職による墨絵ライブイベント

JR釜石駅長と日高寺住職による墨絵ライブイベント

 
三味線の演奏と墨絵のパフォーマンスを乗客らが見守った

三味線の演奏と墨絵のパフォーマンスを乗客らが見守った

 
 「ひなびに乗ってみたかった」という人が多く、大槌町の佐藤忠義さん(71)は「車内は快適で、ゆっくり走ってくれたり、サービスも歓迎もされ楽しかった。ビールを飲みながら海鮮弁当を味わえたし、相席になった人と話すのもいい思い出になった」と満喫。盛岡市の小学4年生、葛巻澪緒莉さんは「大きな窓から見える景色がきれいだった」とはにかみ、母親の史子さんは「車内モニターに運転席から見える風景が映し出されていたのが印象的」と笑顔を見せた。約1時間の停車時間に駅周辺を散策。関係者に見送られながら、終点の盛岡駅に向かった。
 
「ひなびに乗ってみたかった」。希望をかなえた家族連れ

「ひなびに乗ってみたかった」。希望をかなえた家族連れ

 
横断幕を掲げ、ひなび「秋は短し旅せよ岩手号」を見送る関係者

横断幕を掲げ、ひなび「秋は短し旅せよ岩手号」を見送る関係者

 
 三鉄の山蔭康明駅長(60)は、沿岸部を出発点とした鉄道旅を歓迎。「互いに取り組みながら交流する機会が増え、沿岸がにぎやかになるといい」とうなずいた。8月中旬に県内に上陸した台風5号の影響で、一部区間で運休が続くが、40周年記念事業は進行中。10月6日~11月10日までの土、日曜を中心に釜石駅-盛駅間で「あわび列車・まつたけ列車」を運行する。秋の味覚づくしで三陸の魅力を上乗せ。上下線でメニューが異なり、「景色と豪華2大食材をぜひ楽しんで」とアピールする。
 
 同キャンペーンは10月1日にスタート。「秋は短し旅せよ岩手」をキャッチコピーに、県内の多彩な魅力の発信や企画を実施しながら、県全域への誘客を図る。沿岸エリアでは長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」や三陸の絶景日の出クルーズ(宮古市・田野畑村)、おおつち潮風テントサウナ(大槌町)といった自然体感スポットを紹介。グルメ・お酒ではヤマキイチ商店 ガストロノミーツアー(釜石市)などのイベントを提案している。
 
改札付近に設置された墨絵作品。ひなびの車内装飾品として使われている花巻市無形文化財「成島和紙」(左下の写真)に描かれた

改札付近に設置された墨絵作品。ひなびの車内装飾品として使われている花巻市無形文化財「成島和紙」(左下の写真)に描かれた

 
 JR釜石駅では10月12日に「鉄道まつり2024」を予定する。釜石初企画の運転シミュレーター体験のほか、鉄道模型(Nゲージ)展示、ひなびの塗り絵展示などの催しを用意。髙橋駅長は「おいしいものがあり、紅葉が美しい季節を迎える。岩手は広く、まだ知らない魅力がある。ひなび、列車でたくさん旅をしてほしい」とPRした。

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書で応援!ふるさと大使・支部蘭蹊さん(書家) 釜石で個展「言葉との出合いを」

釜石で2回目の個展を開いた書家の支部蘭蹊さん

釜石で2回目の個展を開いた書家の支部蘭蹊さん

 
 「釜石応援ふるさと大使」で宮城県仙台市在住の書家、支部蘭蹊(はせべらんけい=本名・一郎)さん(73)の個展「見る・観る・魅る-書・響きあい展」は9月27日~29日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。昨年に続く2回目の開催で、ずらりと並んだ約100点はほぼ新作。つづった言葉に込めた思いや表現世界を、独創性という“味”を加えた文字で伝えた。
 
 支部さんは中学、高校時代を釜石で過ごした。東日本大震災後、釜石市内の仮設住宅を回って書を届けたり、高校の同期生でつくった復興支援グループ「釜南44」の活動(作品展示や音楽イベントなど)を通じて古里応援を続けている。2022年に同大使に就任。今年から、「脳活書道」という手法で文字を書くことや創ることを楽しんでもらう講座を月に1回開いている。
 
 会場に多く並んだのは額入りや掛け軸、帯地を利用したタペストリーなど日常生活で目にできる形に仕上げられた作品。はがきや置物もあり、心に寄り添う言葉のほか、宮沢賢治や石川啄木、金子みすゞらの詩、井上ひさしの言葉、種田山頭火の句などを書で表現した。
 
大小さまざまな作品が並んだ「書・響きあい展」

大小さまざまな作品が並んだ「書・響きあい展」

 
紙、布、硯石、壁紙などさまざまなものに表現した書作品

紙、布、硯石、壁紙などさまざまなものに表現した書作品

 
 ひと味違う―のが、支部さんの作風。書道は「筆と紙があれば」と思うが、半紙のような白っぽい紙を使っているものは少ない。紙ではないものも多く、着物など布、壁紙を使い、表面の凸凹を生かした立体表現を見せる。硯石に刻字(すかし彫り)した作品は震災被災地で石の産地・石巻市(宮城)を応援、「一緒に頑張ろう」と気持ちを込めて使い続ける“書紙”の一つだ。
 
 立体との視点では、独自の技法「墨彩書(ぼくさいしょ)」も紹介する。表面には普通に文字を書くが、裏面から油分を含んだ墨を吹きかける手法。墨の黒文字の外側に白い枠線がついた“袋文字”的なものだが、色彩のコントラストで文字が浮かび上がっているように見える。
 
支部さんオリジナル技法「墨彩書」を用いた作品

支部さんオリジナル技法「墨彩書」を用いた作品

 
 墨をつけたら筆になるー。「何を求める 風の中ゆく」としたためた作品はたばこのフィルターを使い、「はばたき」と記したものは金色のインクが入ったチューブで字形を絞り出している。使う素材を生かす支部さんが残す文字は自然体。「書道は言葉との出合い。手紙文なようなもので、読めて、相手に伝わらなければ」と一文字ごとに思いを乗せている。
 
教えてもらわなければ分からない⁉筆ではないものを使った作品

教えてもらわなければ分からない⁉筆ではないものを使った作品

 
作品の説明をしながら来場者と触れ合いを楽しむ支部さん

作品の説明をしながら来場者と触れ合いを楽しむ支部さん

 
 書道は「難しい、次元が違う」「書いても下手」と思われがちだと話す支部さん。「違う世界がある」と、会期中に書のパフォーマンスを見せた。来場者の好きな言葉を書いてプレゼント。その際に見せたのが脳活書道で、文字を分解して書き順を変えながら書き上げた。「絵を描くように文字を創り上げる。書はデザイン。アートしようよ、ということ」と楽しそうに笑った。
 
訪れた人のリクエストに応えて書をしたためる支部さん

訪れた人のリクエストに応えて書をしたためる支部さん

 
脳活書道の実演。左上の写真から時計回りに見ていくと…

脳活書道の実演。左上の写真から時計回りに見ていくと…

 
 支部さんは、鑑賞をきっかけに「何かやってみよう」という人が増えることを期待する。「だまされたと思ってやってみてほしい」と呼びかける脳活書道講座は10月13日、11月24日(会場はいずれも釜石情報交流センター)に開催予定。「文字に対する新発見を糸口に発想を転換させ、脳に刺激を。若々しく元気に、人生、いきいき楽しみましょう」。個展のタイトルに込めた“響きあい”を待つ。

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能登半島地震被災者のために… 13年前被災の釜石の飲食店 義援金託す 9月大雨災害にも心痛

かまいし親富幸通り飲食店会が能登半島地震災害義援金を寄付=9月26日

かまいし親富幸通り飲食店会が能登半島地震災害義援金を寄付=9月26日

 
 釜石市大町1丁目のかまいし親富幸通り飲食店会(久保秀俊会長、38店)は、1月に発生した能登半島地震の被災者のために役立ててほしいと、加盟店で募金活動を行ってきた。寄せられた義援金を日本赤十字社(日赤)に送るため、9月26日、久保会長ら役員3人が市役所を訪れた。
 
 加盟36店舗が空きペットボトルで手作りした募金箱を店内に置き、3月から8月までの6カ月間、来店者に協力を呼び掛けた。集まった義援金は計22万1896円。久保会長、鈴木葉子副会長、田中裕也理事が市役所を訪れ、日赤岩手県支部釜石市地区長を務める小野共市長に託した。
 
久保秀俊会長が義援金の目録を贈呈

久保秀俊会長が義援金の目録を贈呈

 
 同通りは市中心市街地にあり、約70メートルの区間に居酒屋、スナック、バー、焼き肉店などが軒を連ねる。大町1丁目界隈(かいわい)は2011年3月の東日本大震災で津波に襲われ、約8割の飲食店が被災。営業再開店舗が増えてきた16年7月、それまでの通称「親不幸通り」を「親富幸通り」に改称し、飲食店会(29店加盟)が組織された。被災の痛みを知る店主らは、16年4月の熊本地震の被災者や今なお戦禍にあるウクライナの人たちにも思いを寄せ、これまでにも募金活動を展開してきた。
 
 久保会長は能登半島地震被害について「東日本大震災を思い起こすような状況。私たちも当時は多くの支援をいただき助けられた。少しでも力になれればと、今回も募金活動を決めた」と経緯を説明。コロナ禍で減った客足がなかなか戻らない中ではあったが、各店で多くの協力があり、店主らの気持ちも添えて今回の寄付に至った。鈴木副会長は「市内はもちろん、外から来た人も協力してくれた。お客様が募金箱に気付いて、自らお金を入れてくれることもあった」と感謝。3人は5日前に発生した豪雨災害にも心を痛め、被災者の心情を思いやった。
 
募金活動について報告する(左から)久保会長、鈴木葉子副会長、田中裕也理事

募金活動について報告する(左から)久保会長、鈴木葉子副会長、田中裕也理事

 
小野共市長(左)が能登半島支援への協力に感謝

小野共市長(左)が能登半島支援への協力に感謝

 
 小野市長は「(9月)21日の線状降水帯による大雨被害で、能登半島はさらに厳しい状況にある。皆さんから預かった義援金を大切に届けさせていただきたい」と話した。
義援金は日赤を通じて同地震の被災4県に配分される。
 
 市は9月21日の石川県北部の豪雨災害を受け、「能登半島大雨災害義援金」の受け付けを始めた。募金箱は市内各地区生活応援センター、市民課(市役所第1庁舎1階)、地域福祉課(保健福祉センター2階)に設置している。受付時間は午前8時半から午後5時15分まで。募金は日赤を通じて被災者の生活支援に役立てられる。

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令和6年釜石まつり

※19日(土)に開催が予定されていた「曳き船まつり」は、強風注意報が発令され天候の悪化が予想されるため中止となりました。尚、20日(日)の行事、青葉通りの縁日広場は予定通り開催します。(10/18 20:22)

 

令和6年釜石まつり
 
令和6年釜石まつりを10月18日(金)、19日(土)、20日(日)の3日間の日程で開催します。
18日は尾崎神社宵宮祭、19日は日本製鉄山神社宵宮祭、曳き船まつり(尾崎神社神輿海上渡御)、20日は両神社神輿合同市内渡御などを予定しています。
 

日程

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令和6年10月18日(金)~20(日)
 
・10月18日(金)
18:00 尾崎神社宵宮祭(尾崎神社)
 
・10月19日(土)
9:00 「曳船まつり」釜石市魚市場出港
11:30 「曳船まつり」尾崎神社神輿海上渡御(釜石港内)
15:00 尾崎神社例大祭(尾崎神社)
17:30 日本製鉄山神社宵宮祭(山神社)
 
・10月20日(日)
8:00 尾崎神社出御祭(尾崎神社)
8:00 日本製鉄山神社例大祭(山神社)
11:20 尾崎神社・山神社合同祭(シープラザ釜石西側駐車場)
12:10 両神社神輿市内渡御出発(シープラザ釜石西側駐車場→釜石市魚市場)
14:05 神輿還御式(釜石市魚市場)
15:30 釜石市魚市場出港
 
※気象条件等でイベントの内容が変更になる場合があります

主催

釜石まつり実行委員会

お問合せ

釜石観光案内所:TEL 0193-27-8172
本部携帯(当日):TEL 080-4516-0333

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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知って食べて遊んで大満足!釜石まんぷくフェス 市内外の味を一堂に 地元特産物はお振る舞いで

釜石まんぷくフェス2024=9月23日、釜石鵜住居復興スタジアム

釜石まんぷくフェス2024=9月23日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 釜石市の秋恒例の味覚イベント「釜石まんぷくフェス」が9月22、23の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。コロナ禍による中止後、名称を変更。同スタジアムで開かれるラグビー交流試合「釜石絆の日」イベントと日程を合わせて開催されるようになって3年目となる今年は市内外から約70の出店があり、多くの来場者でにぎわった。地元農水産物のお振る舞い、林業機械の操作体験なども人気を集めた。2日間の来場者数は約2500人(主催者発表)。
 
 同イベントは釜石観光物産協会が主催。スタジアムのグラウンド外周を会場に、キッチンカーやテントで各店が自慢の味を販売。同市の姉妹都市や友好都市も特産品を持ち寄り出店した。焼き物、揚げ物、煮込み料理、デザート類などメニューは多種多様。来場者は会場を回って好みのものを買い求め、その場で味わったり、土産用に持ち帰った。
 
市外からの出店も多数。各地の“おいしいもの”が集まったフェス会場

市外からの出店も多数。各地の“おいしいもの”が集まったフェス会場

 
 釜石湾で養殖される「釜石はまゆりサクラマス」は、同フェスに初めてお目見え。市内の水産加工業者が味付けした幽庵焼きで、1日300食限定で振る舞われた。同魚は
2020年から試験養殖が始まり22年に事業化。サクラマス養殖では生産量日本一を誇り、不漁の秋サケに代わる新たなブランド魚として同市がPRしている。
 
 遠野市の新田佳祐さん(27)は初めて食べる同サクラマスに「すごく脂が乗っていておいしい魚。甘さが感じられる味付けもいい」と舌鼓。「こういう新しい魚で地域が活性化すればうれしいこと。もっと皆さんに食べてもらえるといいのでは」と話した。同フェスへの来場は2回目。家族4人で楽しみ、お持ち帰り用に海産物や県外の特産品なども購入。「毎年続けてほしい」と来年以降にも期待した。
 
幽庵焼きで味わう釜石はまゆりサクラマスのお振る舞いは大人気。開始前から長蛇の列ができた

幽庵焼きで味わう釜石はまゆりサクラマスのお振る舞いは大人気。開始前から長蛇の列ができた

 
初めて食べるはまゆりサクラマスに笑顔を見せる親子

初めて食べるはまゆりサクラマスに笑顔を見せる親子

 
 地元農産物をPRしようと今回初めて振る舞われたのは、釜石産野菜のスープ。タマネギ、ピーマン、ジャガイモ、ニンニクのほか、同市が新たな特産品として生産拡大を進めるクッキングトマト「すずこま」を材料にした。同市に養鶏場を持つオヤマ(本社・一関市)の鶏肉「いわいどり」も使用。トマトベースの味付けでミネストローネ風に仕上げた。300食限定に長い列ができ、1時間ほどで大鍋が空になった。
 
釜石産野菜スープのお振る舞いも大好評。“オール釜石”の食材で地元農産物をPR

釜石産野菜スープのお振る舞いも大好評。“オール釜石”の食材で地元農産物をPR

 
野菜スープにはお好みでチーズをトッピング。「おいしい!」とピースサインの子ども

野菜スープにはお好みでチーズをトッピング。「おいしい!」とピースサインの子ども

 
 市内の農産物生産者らが出店する「かまいし軽トラ市」も同時開催。季節の野菜や加工品を販売した。栗林町の小笠原房子さん(74)はリンゴや同ジュース、カボチャ、ピーマン、ミョウガなどを販売。来店者と食べ方の情報交換もし、「お客さんと会話しながら販売できるのがいい」とコミュニケーションを楽しんだ。リンゴ栽培は3代にわたり、「先祖が残してくれた農地をできるだけ生かし、栽培を続けたい」と話した。
 
初夏から秋にかけ月1回開催中の「かまいし軽トラ市」も同時開催。季節の野菜や果物を販売した

初夏から秋にかけ月1回開催中の「かまいし軽トラ市」も同時開催。季節の野菜や果物を販売した

 
ピーマン釣りを楽しむ子ども。体験者には複数のピーマンをプレゼント。会場では就農相談も実施

ピーマン釣りを楽しむ子ども。体験者には複数のピーマンをプレゼント。会場では就農相談も実施

 
 地元高校生発案の新商品も販売された。釜石商工高総合情報科の3年生8人が、ジェラート(氷菓)販売を手掛けるかまいしDMCとコラボし完成させた「Kamanasu berry(カマナス ベリー)」。ヨーグルトベースのアイスの上に、同市根浜海岸に自生する海浜植物“ハマナス”の実を使ったソースをかけたオリジナルジェラートだ。同社の「さんりくジェラート」キッチンカーで200個を限定販売した。
 
 生徒らは課題研究の授業の一環で商品開発に取り組んだ。「ラグビーのまち釜石」を盛り上げる一助にと、地元チームの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)をイメージした商品を考えた。ハマナスの実にラズベリーを加えた赤いソースでチームジャージーの色を表現。マスコットキャラクター“フライキー”に似せたホワイトチョコをトッピングした。開発メンバーの一人、山地結逢さんは「ハマナスの酸味とラズベリーの甘みが絶妙にマッチし、ベースのアイスとの相性も抜群。自信作です」と太鼓判。今回のジェラートメニューの中で一番の売れ行きを見せた。10月26、27の両日開催される「商工祭」では同商品のアレンジ版を販売予定だという。
 
自分たちのアイデアを形にしたジェラート「Kamanasu berry」を販売した釜石商工高生。色鮮やかなソースで釜石ラグビーを応援

自分たちのアイデアを形にしたジェラート「Kamanasu berry」を販売した釜石商工高生。色鮮やかなソースで釜石ラグビーを応援

 
 イベント初出店で市民との“再会”を喜んだのは、9月上旬に「US COFFEE(アス コーヒー」という念願のコーヒー店を住田町にオープンした釜石市出身の植田真治さん(38)。震災後にUターンし同市職員として働いていたが、夢の実現へ一念発起。約13年の市役所勤務にピリオドを打ち、起業を決めた。Uターン後、家族と暮らしてきた住田町に「人の集まれる場所を作りたい」と、町の商店街に店を開いた。これまで世話になった釜石への感謝の気持ちも込めた同フェスへの出店。「市役所ではスポーツ関連の業務に従事し、このスタジアムも担当していたので感慨深い。今までと違う立場からこの場所を見られるのも楽しい」とほほ笑んだ。
 
元釜石市職員の植田真治さん(右)は自慢のコーヒーを販売。顔なじみの市民が多数立ち寄った

元釜石市職員の植田真治さん(右)は自慢のコーヒーを販売。顔なじみの市民が多数立ち寄った

 
 会場では地元林業と触れ合える企画も。昨年までの親子木工教室に加え、今年は林業機械の操作体験が人気を集めた。現場で作業効率向上に貢献している機械で、1台で「切る。つかむ。掘る。」の三役をこなす車両も。作業員と一緒に運転席に座り、高性能機械を操作した子どもたちは大興奮だった。釜石地方森林組合の高橋幸男参事は「林業の裾野を広げるいい機会。多くの子どもたちに触れてもらい、将来の担い手育成にもつながっていけば」と期待。同組合では震災後の2013年から小中高生を対象とした林業体験も実施していて、同体験が組合への就職に結びついたケースもあるという。
 
「働く自動車展」に初お目見えした林業機械の操作体験。釜石地方森林組合の職員と一緒に機械を動かす

「働く自動車展」に初お目見えした林業機械の操作体験。釜石地方森林組合の職員と一緒に機械を動かす

 
県建設業協会釜石支部青年部の高所作業車は約15メートルの高さまで上昇。乗車した人たちは最高の眺めを満喫

県建設業協会釜石支部青年部の高所作業車は約15メートルの高さまで上昇。乗車した人たちは最高の眺めを満喫

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広報かまいし2024年10月1日号(No.1841)

広報かまいし2024年10月1日号(No.1841)
 

広報かまいし2024年10月1日号(No.1841)

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【P1】
表紙

【P2-3】
10月から児童手当が変わります
令和7年4月入園 幼稚園児を募集します

【P4-5】
参議院岩手県選出議員補欠選挙 他

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024093000035/
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