降りしきる雨の中、行われたリーグワン2部順位決定戦 釜石SW対広島=1日
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは1日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで4~6位の順位決定戦に臨み、マツダスカイアクティブズ広島と対戦。勝てば2部残留が確定する試合を20-21(前半12-14)で惜しくも落とした。釜石は8日に対戦する日野レッドドルフィンズに勝てば残留が決まるが、引き分け以下の場合は3部の上位チームと入れ替え戦を戦うことになる。
あいにくの雨の中で行われた釜石の順位決定戦初戦。レギュラーシーズンでは1勝1敗だった広島を初めてホームに迎えての試合となった。釜石は前半5分、ハーフウェイライン付近からSH村上陽平のうまい判断でCTBヘルダス・ファンデルボルトに短いパス。ファンデルボルトは相手を引きつけてからボールを離し、これを受けたWTB吹越大清がタッチライン際を独走しトライ(ゴール失敗)。5-0と先制した。
前半5分、ファンデルボルトからのパスを受け独走トライを決めたWTB吹越大清(左)
その後、広島が強いアタック力を発揮し2トライ(ゴール成功)。5-14とリードを許した釜石は前半35分、得意のモール攻撃で本領を発揮。広島のオフサイドにより敵陣ゴール前5メートルのラインアウトを得ると、すかさずモールを形成し、じわじわと前進。そのままゴールポスト付近に押し込み、フッカー伊藤大輝のトライ(ゴール成功)で、前半を12-14で折り返した。
前半35分、ラインアウトからのモール攻撃で2本目のトライ。12-14と釜石が追い上げる
雨の中、ボールを得ようと奮闘する両チーム。後半の攻防
後半も一進一退の攻防が続く。釜石は15分にSOブレット・キャメロンのPGで15-14と逆転。広島は9分にナンバー8がレッドカード(危険なタックル)の判定で退場処分。1人少ない状況ながら20分にトライ(ゴール成功)を決め、15-21と再び勝ち越した。追加点が欲しい釜石は28分、前半同様、ラインアウトからのモールに持ち込み素早く展開。フランカー河野良太のトライ(ゴール失敗)で1点差に詰め寄った。逆転勝利への最後のチャンスはロスタイムのキャメロンのPG。選手、観客が息をのんで見つめたボールはわずかに右にそれ、この日の残留決定はかなわなかった。
後半28分、敵陣ゴール前のモールを押し込み釜石3本目のトライ。釜石20-21広島
釜石SW・須田康夫ヘッドコーチは「地力で負けた印象。プレーの質は相手のほうが上だった。ノットストレート、コラプシングを取られるなど重要なところでのミスが響いた」と振り返り、“勝つしかない”次戦に向けた修正、質の向上を口にした。
CTB小野航大主将は「何としても勝たないといけない試合だった。非常に残念」と悔しさをにじませた。反省点として挙げたのはセットピース(プレー)の不安定さ、細かいエラーの多さ。次の日野戦に向け、「チームとしてやるべきこと、向くべき方向を明確にし、準備できればチャンスはある」と話した。
順位決定戦最終節を前に勝ち点は日野5、広島4、釜石1。釜石は日野戦で勝利し勝ち点4を加えなければ、2戦を終えた広島を上回ることができず、最下位が決定。3部との入れ替え戦に回ることになる。
惜しくも敗れたが、80分間の激闘に拍手を送られる釜石SWフィフティーン