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慰霊碑の前で焼香し静かに手を合わせた

松原町に「慰霊の碑」〜震災5年 記憶と教訓刻む

芝崎住職が祈祷した慰霊碑の除幕式

大勢の出席者が見守る中、芝崎住職が祈祷した慰霊碑の除幕式

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市松原町に津波犠牲者を供養する「慰霊の碑」が完成し、2月28日、現地で除幕式が行われた。この碑は松原町内会(八幡徹也会長、69世帯)が実行委員会を組織し、高台の松原墓地入り口に建立。震災から5年を迎える住民らは、碑の前で犠牲者の鎮魂と教訓の伝承に思いを強くし、二度と悲劇を繰り返さないことを誓い合った。

 

 式には町内会員や市、警察関係者ら約80人が出席した。八幡会長と野田武則市長が除幕を行い、仙寿院の芝崎惠應住職が祈祷(きとう)。出席者は焼香し祈りをささげた。同町で夫と夫の弟を津波で亡くし、平田の仮設住宅に暮らす女性(68)は「慰霊碑ができてありがたい。5年がたち、だんだん落ち着いてきた」と心境を話し、犠牲者の冥福を祈った。

 

慰霊碑の前で焼香し静かに手を合わせた

式の出席者は完成した慰霊碑の前で焼香し静かに手を合わせた

 

 芝崎住職は法話で「亡くなった者を慰めるだけでなく、震災の教訓を伝えてこそ慰霊碑本来の意味が果たされる。語り継ぐことが生き残った者の務め」と諭した。

 

 御影石の慰霊碑は高さ1メートル30センチ(台座含む)。「二〇一一年三月一一日 東日本大震災慰霊之碑」と刻まれた。右隣の銘板には、町内会員が考えた文言「鎮魂のいのりは永遠に波濤を超えて」と刻まれ、共に高さ約60センチの土台の上にしつらえられた。総工費は約180万円。町内会員と同町出身者ら縁故者からの寄付金で賄われた。

 

 松原町では震災の津波で住民25人が犠牲になり、町内の事業所に勤務していた人や通行人ら約40人もこの地で命を落とした。当時、町内会には220世帯、30事業所が加入していたが、全体の3分の2が被災。低地に集中していた事業所は9割が流失した。

 

 町内会は震災後約5カ月間、避難所運営に奔走した。その後は毎月1回、仮設住宅などで暮らす人たちも含む集まりの場「松原会」を開き、住民の絆を守り続けてきた。会の中で慰霊碑の話が持ち上がり、震災から5年の節目に念願の建立にこぎ着けた。

 

 八幡会長(64)は「ここから津波で亡くなられた方々が松原の復興を見守り続けてくれるものと思う。1日も早い完全復興、住み心地のいいまちを目指したい」と決意を新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年3月2日発行 第466号より)

 

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【意見募集】釜石の実像と釜石市オープンシティ戦略(案)

【意見募集】釜石の実像と釜石市オープンシティ戦略(案)

意見募集案件

案件名:釜石の実像と釜石市オープンシティ戦略(案)
市では、まち・ひと・しごと創生法に基づき、喫緊の課題である人口減少・少子高齢化に対応し、将来のまちづくりの羅針盤となる、釜石の実像(釜石市人口ビジョン)と釜石市オープンシティ戦略(釜石市総合戦略)を平成28年3月に策定します。
この「釜石の実像と釜石市オープンシティ戦略」(案)について、広く市民のみなさんの意見を募集します。

 

募集期間:平成28年3月4日(金曜日)から平成28年3月18日(金曜日)まで
担当部署:総務企画部総合政策課 電話0193-22-2111(内線132)

 

資料

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/03/gaiyou.pdf

釜石の実像(案)と釜石市オープンシティ戦略(案)の概要

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https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/03/jitsuzou.pdf

釜石の実像(案)

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https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/03/opencity.pdf

釜石市オープンシティ戦略(案)

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上記資料は、意見募集期間中、次の場所でも閲覧できます。
午前8時30分~午後5時15分(※ 土・日曜日、祝日、各施設の休館日を除きます。)
【備え付け場所】
市市民課、市教育センター、市保健福祉センター、市立図書館、各地区生活応援センター、市総合政策課、市広聴広報課

意見を提出できる方

■市内に住所がある方
■市内に事務所または事業所を持っている個人、法人または団体
■市内の事務所または事業所に勤務している方
■市内の学校に通学している方
■意見募集手続きに係る事案に利害関係を有する人

記載内容

意見を提出する際は、次の内容を必ず記載してください。
■提出する意見とその理由(案のどの部分に対する意見かを記載のこと)
■氏名(法人、団体の場合はその名称)
■住所
■電話番号(連絡先)
※市外の方は、次の項目も記載していただきます。
●勤務先または通学先

意見の提出方法

■郵送…<平成28年3月18日必着>〒026‐8686釜石市只越町3‐9‐13 市広聴広報課あて
■ファックス…0193-22-2678
■電子メール…koutyou@city.kamaishi.iwate.jp
■「みんなの声の箱」への投かん…(設置場所=市役所、各生活応援センター、市教育センター、市図書館、市保健福祉センター)
■直接持参…市広聴広報課へ

 

※皆さんの意見や提言が「文字」となっていることを前提としますので、電話での意見は受けません。皆さんからいただいた意見につきましては、取りまとめの上、意見に対する考え方を付して公表するとともに、検討する際の参考とします。公表にあたっては、個人情報の公表は一切行いません。なお、意見に対する個別の回答はいたしかねますので、あらかじめご了承願います。

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 総合政策課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/1199797_2968.html
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20年前の父母会もエール〜有志が支援金 互野校長「心強い」と感謝

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互野校長に支援金を手渡す米沢さん(中)と小林さん(右)

 

 釜石南高校硬式野球部が初めて春の選抜高校野球大会に出場した当時の父母会の有志が25日、釜石高校(互野恭治校長)に支援金10万円を贈り、20年ぶりに夢を叶えた同部の甲子園での活躍にエールを送った。

 

 当時の父母会長を務めた米沢英敏さん(73)と事務局長だった小林伸行さん(74)が代表して訪れ、「父母会全員ではないが、応援の気持ちを表したい」と互野校長に支援金を手渡した。

 

 20年前の野球部員は1、2年生合わせて43人。当時の父母会員らは今も、母親らを中心に折を見ては集まり、思い出話に花を咲かせるなど親睦を深めているという。

 

 上中島町で薬局を経営していた米沢さんは2003年に廃業。「文武両道の釜石高の20年ぶりセンバツ出場は私にとっても大きな力になる」と喜ぶ。小林さんは箱崎町で被災し、現在は定内町で仮設暮らし。「20年前は初戦が雨で流れ、父母会員らの宿の手配で大変な苦労を味わった」と当時を振り返る。2人は「雨さえ降らなかったら初戦は勝てていた。今でも残念に思う」と口をそろえた。

 

 同校には甲子園出場後援会が設立され、遠征や応援費などとして5千万円を目標に募金を呼び掛けているが、被災地であることを考慮し個別訪問などは控えている。互野校長は「20年前の関係者がこうして応援してくれるのは心強い」と感謝。「今度は甲子園で勝利し校歌を歌うのが目標だが、甲子園で2試合以上となると(資金は)まだまだ足りない」と、さらなる支援を呼び掛ける。

 

(復興釜石新聞 2016年2月27日発行 第465号より)

 

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釜石市東日本大震災犠牲者追悼式

釜石市東日本大震災犠牲者追悼式

市は、東日本大震災によって犠牲になられた方々を追悼するとともに、早期復興を目指して市民をあげて取り組むことを誓うため、下記のとおり市主催の追悼式を開催します。

 

追悼式について

◆日時 平成28年3月11日 金曜日 午後2時30分開始
◆場所 県立釜石高等学校 第一体育館(釜石市甲子町第10地割)
◆対象 ご遺族のほか、どなたでも参列できます。
◆内容 東京都で行われる国主催の追悼式の放映、黙とう(午後2時46分)、式辞、追悼のことば、献唱、献花など
◆形式 無宗教形式で執り行います。

 

参列について

前申し込みは不要です。献花用の花は会場に用意します。
◆服装は礼服・平服どちらでも構いません。
◆会場には駐車場がありませんので、公共交通機関または臨時送迎バスをご利用ください。
※臨時送迎バスの運行表については、後日、市のホームページや広報かまいし3月1日号でお知らせします。

 

臨時送迎バスについて(3月1日追加)

◆式当日は、会場まで臨時送迎バス(岩手旅行社の黄色いバス)を運行します。
◆運行区間は4方面(栗林、鵜住居町日向、東前、唐丹)です。詳しい運行表は別添ファイルをご覧ください。

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/fukko_joho/fukko_event/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/01/27tsuitourinjibus.pdf

臨時送迎バス時刻表

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※臨時送迎バスの時刻表はあくまで目安です。道路の状況によって遅れ等が発生することがありますので、あらかじめご了承ください。

 

◆行き
運行路線の途中にあるバス停からも乗車できます。満員となった場合はご容赦ください。
◆帰り
行きの臨時送迎バスの利用者を優先しますが、バスが満員ではない場合は、それ以外の方も乗車できます。
帰りの発車時刻は式終了後にご案内いたします。

 

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釜石市 総務企画部 総務課 震災検証室
〒026-0025 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111(107・113) / 0193-22-2686 / メール
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広報かまいし2016年3月1日号(No.1635)

広報かまいし2016年3月1日号(No.1635)

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広報かまいし2016年3月1日号(No.1635)

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【目次】
表紙:東日本大震災犠牲者追悼式を開催します
P02:釜石のこれまでと、これから。~震災から5年。つながったご縁を次の5年へ。いまの釜石をお見せします~
P04:第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」本大会の開催まで約7カ月
P05:ご存じですか?障がい者の手当、、釜石地区被災者相談支援センターをご利用ください
P06:今月のインフォメーション、おもいをつむぐはなみずき
P08:身近な防災豆知識22、平成28年度釜石市育英会奨学生を募集します、市長のつぶや記

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平成27年度第3回釜石市東日本大震災検証委員会開催結果

平成27年度第3回釜石市東日本大震災検証委員会開催結果

標記委員会を開催しましたので、以下のとおり結果概要をお知らせいたします。

 

開催日

平成28年1月26日 木曜日 午後6時~午後8時40分

 

開催結果

開催議事録

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会議録

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議事次第

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shingikai/kaisai_kekka_23/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/02/26/20160126shidai.pdf

次第

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配布資料

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shingikai/kaisai_kekka_23/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/02/26/2-1_kyoukunbassui.pdf

資料2-1 教訓の抜粋(H23~H26検証報告書)

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https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shingikai/kaisai_kekka_23/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/02/26/2-2_kyoukunikentorimatome.pdf

資料2-2 検証委員に対する教訓取りまとめ依頼結果(H271225)

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https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shingikai/kaisai_kekka_23/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/02/26/2-3_kyoukunkossi.pdf

資料2-3 教訓の骨子について

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資料2-4 教訓のまとめ方のレイアウト案について

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元記事:
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shingikai/kaisai_kekka_23/detail/1199640_2586.html
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上中島2期復興住宅自治会の会長に就任し、あいさつする大和田泰佑さん(右から2人目)

市内最大級の復興住宅自治会、入居開始から1年 上中島2期に設立〜難しいコミュニティづくり、”大世帯”の問題も浮き彫り

設立総会に続き交流を深める上中島2期復興住宅の住民ら

設立総会に続き交流を深める上中島2期復興住宅の住民ら

 

 釜石市上中島町の上中島2期復興公営住宅に12日、住民自治会が設立された。4棟の156戸に155世帯、313人が暮らす市内最大級の災害公営住宅。市内で被災したほぼ全域から被災者が入居してほぼ1年。約10カ月の準備期間を経て、やっと自治会発足にこぎ着けた。今後、市街中心部の東部地区などに復興住宅の完成が相次ぐ市は「モデルケースに」と期待を寄せるが、設立総会では早速、”大所帯”ならではのさまざまな課題も浮き彫りとなった。

 

 同住宅内にある中妻地区生活応援センターで開かれた設立総会には委任状を含め142人が出席。野田武則市長も駆け付け、「被災者一人一人が復興の歩みを実感できるよう取り組みたい」と決意を述べた。

 

 自治会規約を決めた後、会長には大和田泰佑さん(72)を選出。大和田さんは「みんなで知恵を出し合い、互いに顔の見える関係をつくりたい」と協力を求めた。金銭管理が難しいことから、当面は会費を徴収しないことも確認した。

 

上中島2期復興住宅自治会の会長に就任し、あいさつする大和田泰佑さん(右から2人目)

上中島2期復興住宅自治会の会長に就任し、あいさつする大和田泰佑さん(右から2人目)

 

 同住宅の入居が始まったのは昨年3月。南は平田、北は鵜住居まで市内のほぼ全域にわたる被災者のほか、建設場所にあったアパートの住民も入居するなど、さまざまな境遇の人たちが集まって暮らし始めた。7月から住民交流会を重ね自治会設立を目指した。

 

 市内では同住宅を含め、野田、平田、上中島1期、日向の5カ所で自治会が組織された。今後は東部地区の14カ所に相次いで復興住宅が完成する。今回の市内最大級の復興住宅自治会設立について、市地域づくり推進課の見世健一課長は「自立への流れをどう導くか考える必要があり、準備に十分時間をかけてきた。今後の参考になれば」と期待する。

 

 しかし、設立総会では新しいコミュニティーづくりをめぐるさまざまな問題も噴出。「立派な住宅に入って幸せだが、隣にどんな人が住んでいるのか分からず、友達付き合いができない」「掃除当番の方法が棟によって違い戸惑う」「仮設住宅とは違い、集会所が使いづらい」など不満の声が相次いだ。

 

 桜木町仮設団地の自治会長も務めた大和田さんは「これだけの大所帯なら問題が出るのは当たり前。新しいコミュニティーづくりは簡単ではない。孤独死などが出ないよう、住みやすい団地にしたい」と思いを語った。

 

(復興釜石新聞 2016年2月17日発行 第462号より)

 

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3回目の「釜石からの手紙」プロジェクトへの参加を呼びかける鹿島委員長

「釜石からの手紙」今年も〜大切な人へ感謝の思いを届けよう、オリジナルデザイン 3枚セットで販売

3回目の「釜石からの手紙」プロジェクトへの参加を呼びかける鹿島委員長

3回目の「釜石からの手紙」プロジェクトへの参加を呼びかける鹿島委員長

 

 東日本大震災から5年となる「今」の思いを絵はがきで届けよう――。釜石市で、3月11日の消印が押されたはがきを大切な人に送るプロジェクトが今年も行われている。「釜石からの手紙」実行委(鹿島卓弥委員長)が主催し、釜石にちなんだオリジナルデザインのはがきを製作、販売している。「この機会に、さまざまな支援で世話になった人、離れて暮らす家族や友人、大切な『あの人』に感謝やまちの現状、震災後の変化、なかなか言葉にできない素直な気持ちをつづって届けてみませんか」と呼びかける。

 

 はがきは3枚1セット。今回初めて1枚のデザインを公募した。市内外から18点の応募があり、釜石市在住の山端寛人さんの写真「過去、今、そして未来へ」を選んだ。24時間稼働し続ける製鉄所、震災後にできた大型商業施設、復興工事が進むまちの夜景をとらえた作品で、鹿島委員長は「釜石の象徴、変わりゆくまちの途中経過を見ることができ、今の釜石の姿が伝わる」と話す。

 

販売する3種類の絵はがきとプロジェクトのロゴマーク

販売する3種類の絵はがきとプロジェクトのロゴマーク

 

 東京都内の都市計画コンサルト会社に勤める山端さんは復興業務を担当するため釜石に転居。日々の仕事をこなしつつ、復興現場の写真を撮り続けている。同プロジェクトに参加し「工事によって失われるもの、生み出されるものがあり、両方が混在しているのは今しかない」と、変わり続ける風景を記録に残す思いを強めているという。

 

 ほかのデザインは釜石にゆかりのある2人が担当した。市内の子育て支援団体「かまめっちょの会」代表の黍原里枝さんは身近にある自然や文化など釜石の魅力を散りばめた作品で、優しい色調が特徴。支援のため釜石に通った経験があるという盛岡市のデザイン事務所「マルツ工房」代表の吉田つとむさんは龍のような虎舞を描き、「逆境に負けずに昇っていく」と未来への希望を込めた。

 

 切手を貼り、10日までに専用ポストに投函(とうかん)すると、「(平成)27・3・11」付の釜石の風景消印が押されたはがきが届く仕組み。はがきセットは270円(税込み)で、1500セットを用意した。釜石観光物産協会、釜石情報交流センター、玉泉堂、さわや書店、ローソン(駅前店・上中島店・鵜住居町店・平田店)などで販売している。

 

 専用ポストへの投函は26日から。各販売場所のほか、市内8カ所の生活応援センターなどにも設置している。

 

 同プロジェクトは3年目。これまでに約6600枚が投函され、国内外に郵送された。公式サイト(https://kamaishi-tegami.net)には、はがきの行き先が表示される「届いたよマップ」があり、はがきを受け取った人がコメントや写真を寄せている。「釜石の皆さんの想いが、一枚のはがきに乗ってきたような気がしてとても嬉しくなりました」。そんなはがきがつないだ思いを見ることができる。

 

 鹿島委員長は「近況や思いを伝えたい人がいると思う。伝えたい思いを考える時間も大事で、はがきがそのきっかけになれば」と期待する。

 

 はがきの販売場所や専用ポストの設置場所など問い合わせは、同実行委(電話0193・55・6722)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年2月17日発行 第462号より)

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尾崎神社「奥の院」の修復を祝う関係者

尾崎神社「奥の院」玉垣修復、尾崎半島の現地で竣工式〜地元住民らも全面協力

尾崎神社「奥の院」の修復を祝う関係者

尾崎神社「奥の院」の修復を祝う関係者=8日、釜石市尾崎半島の現地で

 

 釜石市の尾崎半島の中央部にある尾崎神社「奥の院」(佐々木裕基宮司)で8日、東日本大震災の地震で壊れた玉垣の修復工事の完了を祝う竣工(しゅんこう)式が営まれた。同院には同神社の御神体がまつられ、玉垣は神域を守る。式には関係者29人が参列し、奉仕作業で修復に当たった北上市の石材加工業、石川満さん(56)=イシカワ石材社長=に感謝。おごそかな威容を取り戻した奥の院のたたずまいを喜び合った。

 

 同市浜町にある尾崎神社本殿は里宮で、尾崎白浜地区に本宮(もとみや)、青出浜には奥宮(拝殿)がある。さらに奥宮から尾崎半島の先端に向け約1・5キロ、歩いて40分ほどの所に「奥の院」がある。

 

 釜石市文化財保護審議会会長で同神社氏子総代の板澤利幸さんによると、大正年代に発行された「釜石町案内」に玉垣造営の由来があり、同神社は寛政年間(1789~1801年)に朝廷から「尾崎大明神 正一位」の宣旨(しんじ)を賜ったとされる。

 

 玉垣を寄進したのは南部藩第36代藩主の南部利敬公。寛政9(1797)年8月、現地に直参し参拝したという。「歴代の藩主は家臣などを代参させるのが普通で、直参は珍しい。長旅、海を渡り、参道の山道を進む難儀を考えると、公は敬神の心が篤かったのだろう」と板澤さん。

 

 聖域の結界を意味する玉垣は石の柱で囲まれ、入り口の両開きの扉、周囲の傘石などすべて花こう岩で造られた。扉には波模様が彫られる。規模は幅約8メートル、奥行約5・4メートル、高さ1・2メートル。門は高さ1・8メートルほど。域内中央には奉納された石や金属の宝剣が並ぶ。

 

 造営から200年以上に及ぶ風雪は一帯を変え、玉垣も傷んだ。佐々木宮司によると、何度かの修復の痕跡がある。2011年の東日本大震災でも損傷。南東側の囲いを中心に内部に倒れ込み、15センチ角の柱20本が割れた。柱の間をつなぐ渡し板(石)も欠損した。

 

 その惨状は、地域づくりを考える地元の若者、支援の学生らの調査で偶然、確認された。これを知った石川さんが修復工事を申し出、昨年12月の現地調査から4回訪れ、工事を進めてきた。

 

 工事では、新たな石材の採用を極力避けた。モルタルは目立たないよう、最小限にした。用具や作業員の海上搬送、山道の運び上げには尾崎白浜の住民や本宮奉賛会の会員らが参加、漁船も提供した。背後から崩れ込んだ土砂も除去し、聖域は本来の姿を取り戻した。

 

 石川さんは震災前から尾崎白浜と縁があり、仕事でも住民と親しんでいた。犠牲者4人、流失住宅22棟のほか、漁業で大きな被害を受けた震災の翌年には、震災教訓碑の建立にも全面的に協力した。青出浜の岩場にまつった「ゑびす様」「大黒様」の石像も復活させた。

 

修復工事に当たった石川満さん

修復工事に当たった石川満さん(右)も神前に竣工を報告

 

 石川さんは「由来を調べると、歴史がある有名な場所。不思議な感覚に包まれた。石材の重さは最大200キロ。柱は84本もあり、それらを人力で運び、運ばせた人々の心を思った。昔の職人技はすごいことも分かった。修復にかかわることができて、ありがたかった」と語った。

 

(復興釜石新聞 2016年2月13日発行 第461号より)

 

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高台を目指して一斉にスタートする「親子の部」

「津波だ、逃げろ」韋駄天競争112人が参加〜教訓胸に高台へ避難

高台を目指して一斉にスタートする「親子の部」

野田武則市長の銅鑼の音を合図に、高台を目指して一斉にスタートする「親子の部」の参加者

 

 「津波だ、逃げろ――」。津波発生時に速やかに避難するよう呼びかける「新春 韋駄天(いだてん)競走」が7日、東日本大震災時に1千人余りが避難した釜石市大只越町の日蓮宗仙寿院(芝崎恵応住職)で行われた。兵庫県西宮市の西宮神社で正月に行われ、全国に知られる開門神事「福男選び」をヒントに、節分行事として行われるようになって3回目。今回は昨年のほぼ2倍の112人が参加し、標高差約30メートルの急坂を懸命に走った。

 

 親に抱かれた1歳の子どもから85歳のお年寄りまで幅広い年齢層が参加。年齢や性別などで5部門に分かれ、震災の津波で浸水した只越町のスタート地点から、銅鑼(どら)の音を合図に高台の仙寿院まで286メートルを全力で駆け上がった。

 

 男性29歳以下の部で「福男」となった田代優仁さん(18)=盛岡四高3年=は山田町で被災し、現在は家族と盛岡市で暮らす。高校では陸上競技部に所属。「周りの人に、いざという時に逃げる判断力を持ってほしい」との思いを込め、トップでゴールにたどり着いた。

 

急坂を全力で駆け上がる「男性29歳以下の部」の参加者

仙寿院までの急坂を全力で駆け上がる「男性29歳以下の部」の参加者

 

 ボランティア活動で札幌市から訪れた大城愛梨さん(19)=天使大1年=は「津波から逃げた人たちを思いながら走りました。みんなで走れば急な坂も苦にならない。この行事が長く続いてほしい」と願った。

 

 今回は地元の浜っ子野球スポーツ少年団の子どもたちがユニホーム姿で初参加。お坊さんも法衣姿で走った。福島県いわき市の日蓮宗大宝寺から参加した僧侶の小林智厚さん(32)は「原発被害からの復興はまだスタート地点に立ったばかりで、これからが正念場」との思いを込めた。

 

 東日本大震災時に本堂を避難所として開放した仙寿院の芝崎住職は「津波が来たら、ともかく逃げる。この教訓を子どもたちに伝え続けたい」との思いを新たにした。

 

 韋駄天競走は首都圏在住の釜石出身者らでつくる「釜石応援団」の発案で始まった。「少しずつ参加者が増え、この行事の趣旨をよく理解してくれているのがうれしい。10年、100年と続いてほしい」と副代表の及川健智さん(40)=東京都江東区=は喜ぶ。

 

各部門で1位となり、「福男」「福女」に認定された参加者

各部門で1位となり、「福男」「福女」に認定された参加者

 

 昨年に続き西宮神社から派遣された同神社開門神事講社の平尾亮講長(39)は「阪神淡路大震災を経験した21年前の恩返しをしたいという思いがある」とした上で、「釜石は、参加者もスタッフも”命を守る”という部分で、ぶれていない」と共感。開門神事の法被(はっぴ)の色と同じ黄色の手袋を参加者に贈り、「関西と東北をつなぐシンボルになれば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2016年2月10日発行 第460号より)

第3回新春韋駄天競走の写真です。菊地写真館さん、いつもありがとうございます!

Posted by 釜石応援団あらまぎハート(釜石を想う ふるさとプロジェクト) on 2016年2月8日

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広報かまいし2016年2月15日号(No.1634)

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【目次】
表紙:奥で名高い釜石浦は ホイヤホイ いつも大漁で繁盛する
P02:復興への思いを白球にのせていざ全国へ!
P04:市県民税の申告を受け付けています、被災者生活再建支援金[基礎支援金]の申請期限を延長します・災害関連死も災害義援金の支給対象です
P05:復興をサポートしています 全国からの派遣職員
P06:日向復興住宅の入居者を随時募集します、『釜石市民の暮らしと復興についての意識調査』にご協力をお願いします、釜石市東日本大震災犠牲者追悼式を開催します
P07:災害危険区域を指定しました、コミュニティ助成事業(宝くじの助成金)で整備しました
P08:まちの話題
P10:市民のひろば
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:かまいし徒然日記

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釜石市「被災者支援フォーラム」

避難所運営へ教訓生かす、被災者支援フォーラム〜地域のつながり、絆を今以上に 62町内会、27団体、213人に感謝状

釜石市「被災者支援フォーラム」

3人がそれぞれの立場から震災後の活動を紹介した被災者支援フォーラム

 

 釜石市の「被災者支援フォーラム」は7日、大町の釜石情報交流センター多目的集会室「釜石PIT」で開かれた。関係者約170人が参加。東日本大震災で避難所の開設や運営に尽力した町内会、民間施設や自宅を被災者のために提供した団体や個人を顕彰し、地域の支え合いのあり方を考えた。(被表彰者・団体名は13日付で掲載)

 

 野田武則市長が「震災の検証で、被災者のためにご労苦をいただいた多くの市民の姿が浮き彫りになった。感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつ。避難所運営活動を行った62町内会(自主防災組織)、避難所として民間施設などを提供した27団体、自宅などを被災者のために提供した213人に感謝状を贈呈することが発表され、それぞれを代表して荒川町内会の川原清文会長、幸楼(浜町)の金沢敬専務、両石町の澤口勇助さんに野田市長が感謝状を贈った。

 

 岩手大学地域防災研究センターの越野修三教授(釜石市東日本大震災検証委員会委員長)がコーディネーターを務め、「市民による市民のための被災者支援のあり方」をテーマに3人が事例発表した。

 

 松倉町内会の佐野賢治事務局長は、コミュニティ消防センターに自主的に開設した避難所について説明。震災直後の約10日間は町内会員が暖房や食料を持ち寄って炊き出しをし、役員が昼夜常駐。救援物資が届くようになると、物資の受け取りや分配など甲子地区の集積拠点として機能した。町内会一丸となり適材適所での対応ができた一方で、避難者同士の摩擦、不満の仲介、物資配布トラブルの対処などの苦労も。佐野事務局長は「有事の際に即応できる体制づくりが必要。何より”人”。日ごろの町内会活動による住民のつながりが最も大事」と実感を込めた。

 

 釜石パンション(大只越町)の長瀬裕子さんは、近くの石応禅寺の避難者を受け入れるとともに周辺避難所や在宅避難者への炊き出し基地となった当時を振り返った。栄養士の長瀬さんはプロパンガスなどの提供を受け、浸水を免れた厨房(ちゅうぼう)で米を炊き、おにぎりと汁物を提供。弁当配布以降は、揚げ物が苦手な高齢者らのため煮物などの総菜を作った。近隣の被災飲食店主やボランティアが協力し、最大で約700人分の食事作りを担った。施設は情報交換、支援活動の拠点にもなった。「避難者を含め自発的にできることをやった。大規模災害時は行政だけでは対応不可能。地域で中心になる人が必要」と長瀬さん。

 

 やえがし歯科医院(平田)の八重樫祐成院長は震災当日、津波にのまれ消防団に救助された人たちや帰宅困難者を受け入れた。停電で暖房器具が使えない中、濡れた衣服を着替えさせカイロや毛布などで体を温め、負傷者を応急手当て。医療資材や2階の自宅にある物を集めて避難者の命をつないだ。八重樫院長は自身の反省を踏まえ、「飲料水や非常食など最低限の備蓄は必要。車もこまめに給油するなど、いざという時の意識を高めておきたい」と教訓を示した。

 

 震災後、釜石市には最大で104カ所の避難所が設置され約9900人が避難。市指定外の避難所は50カ所と半数近く、地域住民が運営の柱として力を発揮した。越野教授は「支援がうまくいった所は普段の地域活動が活発で、リーダーがいて役割分担ができていた。地域のつながり、絆を今以上に促進することが支援のあり方の最終目標だろう」と話した。

 

(復興釜石新聞 2016年2月10日発行 第460号より)

 

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