釜石出身学生に「応援ふるさと便」〜地場産品をセット宅配、地元業者の支援策にも

釜石出身学生に「応援ふるさと便」〜地場産品をセット宅配、地元業者の支援策にも

釜石出身の学生に無料で送られる「応援ふるさと便」の地場産品

釜石出身の学生に無料で送られる「応援ふるさと便」の地場産品

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大により「巣ごもり生活」を強いられている釜石市出身の一人暮らしの学生を支援しようと、市は6月から、地元産の食材詰め合わせなど特産品セットを無料で送る「学生応援ふるさと便」を始める。郷里を離れて不安な日々を送る地元出身者を励まし、市内の事業者も支援する取り組みだ。

 

 市内の事業者が販売するインスタントの釜石ラーメン、お菓子、ミネラルウオーター、缶詰、三陸産のさんまの干物など水産加工品を市が購入し、1万円相当の地場産品セットとして送る。

 

 市外で生活する大学、短大、専門学校生のほか、市内にキャンパスがある岩手大水産システム学コースの学生も対象。約620人への宅配を見込む。アルバイトや仕送りの減少で生活が困窮する学生を励ますとともに、販路を失い苦境に陥っている地元業者を支援する。

 

 野田武則市長は「アルバイトができず、生活に困っている学生が多いと聞く。ふるさとから少しでも手を差し伸べたい」と思いを寄せる。

 

 かまいしDMCのホームページにサイトを立ち上げ、学生の保護者や本人が自己申告する形で申し込みを受け付ける。アンケートも同封し、第2、3弾の支援の参考にする。

 

(復興釜石新聞 2020年5月30日発行 第888号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

復興釜石新聞 臨時休刊のお知らせ

6月〜7月 復興釜石新聞 臨時休刊のお知らせ

復興釜石新聞 臨時休刊のお知らせ

 

復興釜石新聞は4月後半から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で間引き発行の形とさせていただいておりますが、6月、7月は毎週土曜日の発行とさせていただきます。

 

8月から平常発行(週2回)の形に戻していきたいと考えます。

 

なお、購読料(月決め1千円)につきましては、6月分は集金を見送り、7月と合わせた2カ月(発行8回)を1カ月分として7月末に集金させていただきます。誠に勝手ではございますが、ご理解いただくようお願い申し上げます。

 

釜石新聞社

 

復興釜石新聞

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【縁とらんす 特別企画】ルイ敬子さん紙面インタビュー「トンガ王国ババウ島から釜石の皆さんへ」

【縁とらんす 特別企画】ルイ敬子さん紙面インタビュー「トンガ王国ババウ島から釜石の皆さんへ」

【縁とらんす 特別企画】ルイ敬子さん紙面インタビュー「トンガ王国ババウ島から釜石の皆さんへ」

 

今年1月に放送されたABC朝日放送系列の人気番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」にて、釜石にご縁のある女性が紹介されたのをご覧になった方も多いかと思います。
東日本大震災のあった2011年を含む5年間を釜石で過ごし、トンガ王国に移住されたルイ敬子さん。
番組をご覧になった方にも、見逃した方にも、ご存じなかった方にも、今も釜石に強い想いを寄せて下さっているルイ敬子さんと、その活動をご紹介するインタビューを、縁とらんす特別企画(敬子さんとの合同企画)としてお届けいたします。
※インタビューは紙面アンケートの形で実施しました

 

ーー①まずは、敬子さんと釜石との繋がりについて教えてください。

 

2010年に元夫(トンガ移住後に離婚してしまいました)が釜石シーウェイブスRFC(SW)に加入する事が決まり、家族全員で移住をしました。
釜石にはそれまで訪れた事もなく、正直どんな所かも全く知りませんでした。
 
引越しの当日、東京から車で約8時間、山野を越え、トンネルを潜り、辿り着いた目の前には大きな山々が立ちはだかり、川には鮭が泳いでいる・・・
そこから、釜石での5年間の生活が始まりました。

 

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ーー②釜石での生活はどのようなものでしたか? また、敬子さんにとって釜石はどんな場所ですか?

 

東京で生まれ育ち、パリで5年暮らした後に来た釜石での生活は、私にとってその全てが初めてだらけでした。
山、川、海に囲まれた美しい土地。
夏は毎日のように甲子川で泳ぎ、週末は海や川でBBQ。
地元のじいちゃんばあちゃんが、採れたての野菜や果物、魚介類を届けてくれて、食べ方まで教えてくれる。
狩りの時期には熊や鹿肉まで届き、季節や自然の恵みを感じながら生きていると思いました。
今まで経験した事がない生活で、本当に感動の連続でした。
 

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スーパーやコンビニに行けば、365日同じ食べ物が手に入れられる都会での生活はもちろん便利ですが、もしかするとそこに価値や有り難みを感じにくいのかもしれません。
釜石では、その日に食した物が次の日も同じように手に入る保障がなく、全てのものが新鮮で、そして何と言っても味が本物なんです!
驚きと感動の日々は今でも忘れません。
 
でも、一番は釜石の人たちの温かさではないでしょうか。
近所の人たちがみんな、子供達を純粋に可愛がってくれて、見守っていてくれました。
SWのメンバー、社宅の皆さん、スーパー、薬局、病院、商店街の方々、レストラン、バスの運転手さん達、松倉グラウンドの管理人の方も、みんなが私たちを受け入れて、色々なシーンで支えてくれました。
 
釜石は、私たちにとって心のふるさとです。

 

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ーー③ババウ島での暮らしについて教えてください。

 

ババウ島に引っ越して5年目となりますが、最初の2年半は電気のない暮らしを送っていました。水は雨水、ガスは街からプロパンガスを持って来てと、とにかく不便でした。
 
電気がないので、日が沈む時間を考えて食事の準備をしなくてはいけない。
学校通学や買い物の交通手段はボートのため、潮の満ち引きや満月の日を考え、風向きや風速を調べて日々の生活スケジュールを立てる。
全く経験した事がない生活です。
 

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でも、ババウ島に引っ越すと決めたのは、釜石での暮らしと東日本大震災の経験がきっかけでした。
子供達に生きる力をつけてほしい、そして物資的な豊かさを求めるのではなく、周りと分かち合い助け合って生きて行くような生活をしたいと考えての移住でした。
 
トンガ移住後に離婚という予想外の展開になってしまいましたが、それでも子供達と一緒に島に残ると決めました。
今は、コテージやホエールウィッチングを営みながら、島の生活を楽しんでいます。

 

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ーー④YouTubeで情報発信をされているとお聞きしました。始めたきっかけ、また、どんな事を発信されているのでしょうか?

 

YouTubeを発信し始めたのは、『世界の村で発見!こんなところに日本人』というテレビ番組に取り上げて頂いたのがきっかけです。スペシャル番組(2020年1月7日)で放送後、たくさんの方々からメッセージを頂きました。
 
頂いたメッセージの中で特に心に残ったのは、ご自身やご家族が被災した方々、シングルマザー、人生での様々な困難に直面していたり、それを乗り越えて来た方々からの、「元気になった」「感動した」「生きる意味を感じた…」という言葉でした。
 

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反響に驚きながらも、私たちのちょっと可笑しな島生活が少しでも人々の励みになり、家庭の中、学校や職場で自分の居場所が見つけられていない方々、そして子供たちが、『普通じゃなくてもいい。みんなと違ってもいい。泣いても笑っても、生きていることに感謝しながら生きていこう』と感じて頂けたなら・・・。
そんなメッセージを送りたいと思い、撮影も編集もアップロードも、初めてで分からないことだらけですが、ビデオレター作りに挑戦し始めました。
 
島生活ならではの、サイクロン被害や野生動物、自然と共に生きなくてはいけない波乱万丈な毎日を通して、「生きる」そして「生き方」をテーマに動画を配信しています。
YouTubeチャンネル 『Cocokara beach』

 
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ーー⑤最後に、釜石の皆さんへメッセージをお願いします。

 

私自身、ババウ島に来てから、ライフラインもない、右も左もわからない生活、そして家族が壊れてしまって・・・どうやって生きて行っていいのか分からなくて、たくさん悩んで涙してここまで来ました。
 
でも、いつも、釜石を思うと前に進む事が出来ました。
東日本大震災の時に見た、全てを失っても立ち上がる人々の強さや優しさを、私は一生忘れません。
それが心の底に焼きついているので、今ここにある毎日を大切に生きて行こうと思っています。
 
たくさんの素敵な思い出をくださった釜石の皆さんに、あらためて「ありがとう」と言いたいです。
そして、また必ず、心のふるさとに帰ります!

 

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<編集追記>
インタビュー内で敬子さんにご紹介頂いたYouTubeチャンネル 『Cocokara beach』の第9弾(2020/04/23公開)では、釜石の様子も取り上げられています。こちらもぜひご覧ください。
 

 

<補足情報>
ルイ敬子さんがご紹介された回の「世界の村で発見!こんなところに日本人」の再放送の予定です。
2020年6月9日(火)19時~ ABC朝日放送系列(IAT岩手朝日放送など)にて
世界の村で発見!こんなところに日本人|朝日放送テレビ

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縁とらんす編集部による記事です。

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広報かまいし2020年6月1日号(No.1737)

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元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020052600049/
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