にぎわい創出へ 膨らむ期待、鵜住居まちなか再生計画委〜複合商業施設の早期整備を要望
鵜住居地区のまちなか再生計画書を野田市長に提出する策定委員会メンバー
震災で大きな被害を受けた釜石市鵜住居地区の土地利用や公共施設の配置、民間商業施設整備など、まちなか再生計画を話し合ってきた「鵜住居地区まちなか再生計画策定委員会」(佐々木憲一郎委員長)は17日、検討結果を野田武則市長に報告した。懸案となっていた複合型商業施設の整備に関し、核店舗となるスーパーマーケットが内定したことで再生計画がまとまった。このほか、5店舗の入居も決まり、佐々木委員長は早期の整備を要望。市は来夏のオープンを目指すとし、整備が進む公共施設などと併せ、地域ににぎわいを呼び込みたい考えだ。
佐々木委員長ら5人が市役所を訪ね、昨年から3回にわたって検討を重ねてきた計画書を野田市長に手渡した。佐々木委員長は「困難を極めたが、当初描いた、理想に近いものができた。スーパーなど出店者の熱意、地権者の理解に感謝している。生活に密着した、にぎわい施設になってほしい。一刻でも早く、計画がしっかり進むよう協力してほしい」と求めた。
野田市長は「鵜住居地区の住民が次の展開に踏み出せる力になる計画。実現するのが役所の務め。期待に応えられるよう全力を尽くす」と応えた。
再生計画によると、商業施設は鵜住居小・釜石東中に近い、国道45号沿いに建設される。鉄骨平屋で建築面積は1489平方メートル。盛岡市に本社があるスーパーマーケットを核店舗に、自動車整備業、建築・リフォーム工事業、婦人服販売店、保険代理店、美容室の5店舗が入居する。
釜石まちづくり会社(社長・野田市長)が整備した上で、テナントに貸し付け運営。整備費は約3億9千万円を見込み、復興庁の津波立地補助金を活用する。
建設予定地は同地区の中心部で、土地利用のポイントは、安心安全でコンパクトな市街地の形成。一帯には、震災犠牲者の追悼施設「祈りのパーク」や津波伝承施設、観光交流施設、市民体育館などを市が整備する計画となっている。
同席した委員は「これからが始まり。自分たちのまちをつくるとの思いが大切になる。住民として鵜住居の発展に協力したい」と前向き。入居を決めた委員は「とどまるか、内陸部に移るか迷っていたが、残って良かった。地元でもう一度頑張りたい」と意欲を語った。
(復興釜石新聞 2018年4月21日発行 第683号より)
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