古里への愛着を表現⁉アーティスト小林覚さん 書作品が釜石市新庁舎に リズミカルな文字で来庁者をお出迎え

新しい釜石市役所庁舎のエントランスホールにお目見えした小林覚さんの作品
「鉄と魚とラグビーのまち」をうたう釜石市。9月24日に開庁した市役所の新庁舎エントランスホールに、まちを象徴するそれらの言葉をつづったパネル作品が掲げられ、来庁者を出迎えている。
お目見えしたのは、一見すると「模様?」「抽象画?」と捉えてしまうかもしれない書作品。じっと見ていると、「文字じゃない⁉」と驚きが続く面白さがある。作品名は「鐵と魚とラグビーのまち かまいし」。釜石出身のアーティスト小林覚(さとる)さん(37)=花巻市在住=が制作した。

文字を探せ⁉作品「鐵と魚とラグビーのまち かまいし」

釜石市出身のアーティスト小林覚さん(中)が制作した
障害のあるアーティストの作品をさまざまな形で世に送り出している福祉企画会社ヘラルボニーとのコラボレーションでも注目されている。独自の規則で自由に走り、踊り、つながる線は「サトル文字」として知られ、そこで表現されるのは豊かな感性と魅力的な造形性。分解された文字や言葉のつながりを発見する、わくわく感を味わえる作品を生み出し続けている。
釜石の発展を支えてきた鉄鋼産業、豊かな海の恵み、市民に根づくラグビー文化という3つの要素を奔放な線で描いた小林さんの作品をパネル(縦約90センチ、横約168センチ)にして、市に寄贈したのはNPO法人釜石市身体障害者協議会(川畑克弘理事長)。新庁舎が高齢者や障害のある人、乳幼児を連れた家族など、誰もが安心して利用できるようユニバーサルデザインの考え方を取り入れて整備されたこともあり、「ボーダレスなまちづくりを」との願いを込めた。

作品を寄贈した釜石市身体障害者協議会の川畑克弘理事長に感謝状が贈られた
作品の寄贈を受け、市は28日に同法人と小林さんに感謝状を贈った。小野共市長は「新たな行政運営の拠点となる庁舎に潤いと彩りをもたらし、まちの魅力を広く発信するシンボル。作品に込められた豊かな感性と創造性は多くの市民に感動と希望を与える。末永く受け継いでいく」と述べた。

小野共市長(右)から感謝状を受け取る小林覚さん(左)、寄り添う父の俊輔さん

市関係者らに囲まれて、ほほ笑む小林さん(中)
この日、新庁舎を見学した小林さんは「明るくて楽しい」とほほ笑んだ。そばに寄り添った母の眞喜子さん(69)は「釜石への愛着を感じながら描いたと思う。言葉が少ない障害者も表現する力があることを理解してほしい。どんな文字が書いてあるのか、クイズみたいに楽しんでもらえたら」と望み、父の俊輔さん(71)は「覚の作品はダイナミックでリズミカル。障害者も健常者もお互い尊重し合いながら生きていける社会を目指すためのシンボルみたいになればいい」と期待した。

作品解説。画面の3分の2を占めるのは「鐵」という文字で、残りに「魚」「ラグビー」「かまいし(カマイシ)」が散りばめられているという。「解読を楽しんで」

釜石新聞NewS
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