シープラザ釜石30周年 記念イベント・駅前フェス 「観光の玄関口」活気あふれる


2026/09/25
釜石新聞NewS #地域 #観光

釜石駅前で開かれたシープラザ釜石30周年記念イベント

釜石駅前で開かれたシープラザ釜石30周年記念イベント

 
 釜石市鈴子町の釜石物産センター「シープラザ釜石」が30周年を迎えた。「JR釜石駅からすぐ」との立地により、オープン時から来訪者がまちの情報を集めたり土産物を買ったりできる拠点として利用。イベントフロアなどもあり、人々の交流を促す場にもなっている。節目にあたり「釜石に集い、味わい、一緒に祝おう」と、22日、記念イベント「釜石駅前フェス」を開催。晴れやかな青空の下、多くの来場者でにぎわった。
 
 シープラザ釜石は1996年7月、市が進めた釜石駅周辺整備事業の核施設としてオープンした。建物は地下1階、地上2階。特産品や土産物の販売、まちを紹介する展示コーナー、イベント広場のほか、観光案内所、飲食店なども入る。多い時は約20のテナントが営業していたが、現在は9事業者が入居。プラスチック製のレールなどをつないで列車を走らせる「おもちゃの電車広場」が新たにお目見えした。一時期、民間の団体などが運営を担う指定管理者制度を導入したが、現在は市直営となっている。
 
オープンから30周年を迎えた釜石物産センター「シープラザ釜石」

オープンから30周年を迎えた釜石物産センター「シープラザ釜石」

 
 記念イベントは、市の委託で一般社団法人釜石観光物産協会が主催。釜石観光の玄関口でもある駅前スペースを使い、飲食コーナーや特設ステージを設け、焼きそばやピザなどを販売するキッチンカーをずらりと集結させた。電動カートなどを楽しむ乗り物広場もあり、家族連れで大にぎわい。アマチュアバンドによる演奏が繰り広げられる中、訪れた人たちは買い物をしたり、多彩な味覚を味わった。
 
家族連れでにぎわう釜石駅前フェス。中央の建物がシープラザ釜石

家族連れでにぎわう釜石駅前フェス。中央の建物がシープラザ釜石

 
釜石駅前にずらりと並んだキッチンカーで買い物を楽しむ

釜石駅前にずらりと並んだキッチンカーで買い物を楽しむ

 
バンド演奏を聴きながらおいしいものを味わう人たち

バンド演奏を聴きながらおいしいものを味わう人たち

 
ラグビーでイベントを盛り上げたしんやさん、桜庭吉彦さん

ラグビーでイベントを盛り上げたしんやさん、桜庭吉彦さん

 
 お笑いステージで盛り上げたラグビー芸人しんやさんは、競技の楽しさを伝える体験コーナーにも登場。元ラグビー日本代表の桜庭吉彦さん(前釜石シーウェイブスゼネラルマネジャー)とともに、バスをつないでトライする遊びで子どもたちと触れ合った。
 
 日が傾き始めると、毛色の違った雰囲気に。大人がより楽しむ“乾杯タイム”となり、地酒浜千鳥が振る舞われた。つまみとなる炭火焼きのサンマも約150匹を提供。郷土芸能の虎舞(鵜住居青年会)や、釜石出身のラジオパーソナリティー・民謡歌手の佐野よりこさんが歌う“酒”をテーマにした名曲の数々に酔いしれていた。
 
焼きサンマのお振る舞いには長い列が続いた

焼きサンマのお振る舞いには長い列が続いた

 
サンマを頬張り「おいしい」と喜ぶ家族連れ

サンマを頬張り「おいしい」と喜ぶ家族連れ

 
 初サンマを「おいしい」と喜んでいたのは、花巻市から訪れた夫婦。共に青森県八戸市出身で、定期的に「海が見たくなる」ためドライブがてら立ち寄った。幾度か釜石に来たことはあったが、駅前は初めてだったようで、入場券を買って駅構内の探検も楽しんだ。気になっていた釜石虎舞の演舞も満喫。今回は車の運転があってアルコールは控えたため、「次は汽車で来ればいいのか」とつぶやいた。
 
 浜千鳥のお振る舞いの前、30周年を祝って鏡開きが行われた。同社社長で同協会の新里進会長や桜庭さんらと共に木槌を振った福岡県糸島市の後藤太郎さん(28)は「思いがけない人生初の体験に」と感激。そして「海や山のおいしいものを味わえた」と陽気に笑った。東京との2拠点生活をしながら時々、釜石でシェアハウスなどを運営する団体のもとを訪れ、農業や里山の暮らしを体感中。イベントにも足を運んでその土地柄に触れ、地元の人と時間を共有しつつ自身の成長を促す活動を「これからも楽しみたい」と話した。
 
シープラザ釜石の30周年を祝って鏡開き

シープラザ釜石の30周年を祝って鏡開き

 
 イベント開催に併せ、同協会は1日限定の「乾杯パスポート」を販売した。ドリンク1杯と小料理1品を味わえるチケット2枚に浜千鳥オリジナル升が付いたもので、市内飲食店をめぐってもらうのが狙い。14店舗が協力し、手に入れた“呑(の)ん兵衛”たちは夜のまちへ繰り出した。
 
浜千鳥のお振る舞いにも列。升を手に合言葉は「乾杯」

浜千鳥のお振る舞いにも列。升を手に合言葉は「乾杯」

 
昼から夕方にかけて幅広い年代が楽しめる催しが盛りだくさん

昼から夕方にかけて幅広い年代が楽しめる催しが盛りだくさん

 
 同協会の菊池公男事務局長(64)は「駅がある鈴子地区は釜石の表玄関。駅前を使ってにぎわいをつくり、活性化させるため試験的にイベントをやってみた。天気にも恵まれ、多くの人が楽しめる催しなった」と手応えを得た。30周年の感謝を込めた企画は冬にも実施を予定。「周辺の施設とタイアップしながら、駅前を盛り上げていきたい」と力を込めた。
 
 シープラザ釜石は観光を支える施設だが、東日本大震災の直後は市の災害対策本部が設置され、市職員らが寝泊まりしながら各所に散らばった避難所の支援などにあたった。施設の駐車場付近にはかつて大型テントがあり、支援物資の受け入れ場所になるなど市施設としての機能、役割を果たした。市民生活を取り戻す復旧、復興の過程では各種イベントの開催場所となり、人々をつなぐ拠点としても数多く利用された。
 
 市商工観光課の佐々木智輝課長補佐(48)は30年を振り返りつつ、「シープラザはオープン時から変わらず誘客と情報発信の基地。釜石観光の玄関口にある施設として試行錯誤しながら、まちの魅力発信、誘客促進に取り組みたい」とした。
 

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