「おいしいよ~、安いよ~」 釜石小3年生が栽培野菜を販売 「食」テーマの総合学習で


2026/09/21
釜石新聞NewS #地域 #文化・教育

釜石小3年生が自分たちで栽培した野菜を販売する「釜小スマイルマルシェ」

釜石小3年生が自分たちで栽培した野菜を販売する「釜小スマイルマルシェ」

 
 釜石小(五安城正敏校長、児童62人)の3年生13人は本年度、総合的な学習の時間で「食」をテーマとした体験学習に取り組む。4月から継続してきたのが農業体験。市内の農家の畑を借り、さまざまな野菜を育てている。8月には春に植えた2種の野菜を収穫。児童らは9月16日、釜石市大町の市民ホールTETTO前広場で地域の人たちに販売するマルシェを開いた。
 
 児童らが販売したのはジャガイモとカボチャ。カボチャはラグビーボールのような形が特徴の「ロロン」という品種。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に市内で栽培が進み、市民には“ラグビーカボチャ”として親しまれている。ジャガイモは500グラム、カボチャは半分に切ったものをビニール袋に入れ、一袋100円で販売した。
 
大きく成長したジャガイモとラグビーカボチャをPR。天候に恵まれ、カボチャは昨年の2倍、41個を収穫できたという

大きく成長したジャガイモとラグビーカボチャをPR。天候に恵まれ、カボチャは昨年の2倍、41個を収穫できたという
 
児童全員でスマイルマルシェの開店を元気に宣言!

児童全員でスマイルマルシェの開店を元気に宣言!

 
開店と同時に多くの買い物客が詰めかけた

開店と同時に多くの買い物客が詰めかけた

 
 午前10時半の開店を前に、会場には多くの人たちが訪れた。児童らの開店の発声とともに、袋を手にした人たちが列を作り、レジ担当は大忙し。代金を受け取ると手作りの領収書に金額を書き、買い物客に手渡した。呼び込み担当の児童は2カ所に分かれて道行く市民にPR。「いらっしゃいませ!」「ジャガイモとラグビーカボチャあります」「3年生が気持ちを込めて作りました」「おいしいですよ」「1種類100円。超安いです」などと元気な声でアピールした。
 
次々と訪れる買い物客の対応に児童らは大忙し

次々と訪れる買い物客の対応に児童らは大忙し

 
代金を受け取り、手書きの領収書を作成。買い物客に手渡した

代金を受け取り、手書きの領収書を作成。買い物客に手渡した

 
呼び込み担当の児童は大きな声で野菜販売をアピール。お客さまを誘導した

呼び込み担当の児童は大きな声で野菜販売をアピール。お客さまを誘導した

 
 孫から「買いに来てね」とLINE(ライン)をもらったという三浦一美さん(70)は2種類購入。「いろいろな野菜を育てたり、みそ作りを体験したりしている孫は、私よりも知識が豊富。今の子どもたちはすごいなぁと思って」と感心しきり。どうやって食べるか聞いてみると…「孫が好きなカボチャのシチューを作ってあげようかな」。愛情たっぷりの答えが返ってきた。孫の三浦唯花さんはこの日、レジを担当。「大きく育った野菜をお客さんに買ってもらえてうれしい」と生産者の喜びを体感した。
 
 イオンタウン釜石からの帰り道、児童らの呼び込みの声に誘われて立ち寄った平田の女性(83)は「みんな一生懸命やってえらいねぇ。私も孫やひ孫がいるので、孫たちの姿と重なった。買ったカボチャ、おいしくいただきます」と笑顔で広場を後にした。
 
 同校3年生の農業体験学習は昨年度から始まり2年目。4月に市水産農林課職員から釜石の農業について学んだ後、上小川の農家藤井茂さんの畑を借りて栽培をスタート。ジャガイモの種イモやカボチャの苗植え、栄養分を集中させ品質の良い作物を収穫するための「芽かき」などを行ってきた。8月にはダイコン、ハクサイ、カブも植えている。今回は収穫した野菜の販売第一弾。この日に向け、児童らは手書きのポスター約50枚を作成し、学区内の店舗などに貼ってもらえるようお願いしたり、家族を通じた告知などを行ってきた。
 
販売会に向け児童らが準備してきた看板や広告ボード、領収書。手書きのぬくもりが伝わる

販売会に向け児童らが準備してきた看板や広告ボード、領収書。手書きのぬくもりが伝わる

 
お客さまとの交流も。マルシェは地域の人たちと触れ合える機会にもなった

お客さまとの交流も。マルシェは地域の人たちと触れ合える機会にもなった

 
 菊池浩央さんは一連の体験学習で「自分たちが植えた野菜が大きく成長してうれしかった。楽しかったのは収穫作業。もっと野菜を育ててみたい」と話し、多くの客の来店ににっこり。「お客さんから『大事に食べます』とか言ってもらえた」と満足そうな表情を見せた。2種の野菜は開始から45分ほどで完売。収益は学校活動に役立てるという。
 
 同校地域コーディネーターとして児童らの学習をサポートする寺田恵美子さん(64)は「子どもたちは慣れない畑仕事に一生懸命取り組み、回を重ねるごとに表情が輝いていった。自然や土に触れ、植物が大きく育って実をつける過程を見ることは情操教育に、販売活動はキャリア教育にもつながる」とし、児童らの成長を見守る。農業体験の締めは11月20日に予定する第2弾のマルシェ。ダイコン、ハクサイ、カブを収穫し、今回のように販売する。

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