ひたむきプレー!釜石の高校球児「刺激を成長に」 招待試合で一関学院に挑む

一関学院を迎えた高校野球招待試合。釜石勢が奮闘した
釜石地域の高校球児たちが、岩手県内の強豪校に挑む高校野球招待試合が3日、釜石市平田の平田公園野球場であった。春夏合わせ甲子園出場9回を誇る一関学院高(一関市)に対し、釜石、釜石商工の2校はひたむきなプレーで奮闘。各チームの選手の家族や野球少年ら約230人が熱視線を送った。
招待試合は釜石市野球協会(福成和幸会長)、平田球場を管理している市体育協会(小泉嘉明会長)が主催。沿岸地域のチームと強豪校との対戦の機会を設けるほか、地域の子どもたちに高校生のプレーを見てもらい進路選択の参考にしてもらおうと、初めて企画した。一関学院には釜石、大槌地区から進学した選手がいることもあり打診。秋の県大会を終え公式戦のない時期に入る期間にと日程を調整した。
一関学院(高橋滋監督)は1、2年生56人で来釜し、2試合に臨んだ。第1試合は1年生を中心に釜石商工と対戦。第2試合は2年生を中心に釜石と戦った。4-3、9-4で、いずれも一関学院が勝利。夏の大会後に結成された新チーム(大高諒主将)は結束を高める秋季大会(9月開催)でベスト8にとどまり、「(釜石勢との練習試合で)具体的な課題が見えた。貴重な機会を糧に成長を」と気を引き締めた。

しっかり守り、長打で走り得点を重ねた一関学院
その秋季大会で、釜石(菊池暁監督)は波乱を起こした。夏準優勝の盛岡大付属高、沿岸第1代表の高田高を破り、8強入りを果たした。招待試合でもその片鱗をのぞかせ、3点を追う4回に打線がつながり一挙4点を奪い逆転。応援席を沸かせた。

釜石は果敢なスライディングで塁を狙う

4回に4得点を挙げた釜石。勢いを見せた
「下位打線からつながり、しっかり点を返せた」。釜石の佐々木蒔友主将(2年)は振り返った。選手14人、マネジャー1人の計15人で挑んだ秋季大会では「チーム内でやることをしっかり確認し合っていたことがいい結果につながった」と言い、“勢い”のあるチームの力がどこまで通用するか確かめようと招待試合に臨んだ。
釜石は1点先取した直後の攻撃で一関学院に追いつかれ、継続的に点を積み重ねられた。“地力”のある一関学院の選手一人一人のプレーを間近に見て、佐々木主将は「足りないところを見つけられる試合だった。肩の強さ、声がけ、次のプレーを予測した動きとか、いい刺激になった。春に向け、身体、技術、気持ちの面もみんなでレベルアップできるよう練習したい」と意欲を高めた。

集中して練習試合に臨んだ釜石高の選手たち
選手を見守る菊池監督(47)はベンチから「ゆっくり丁寧に」「冷静に」などと声をかけ続けた。秋の大会が終わって「冬場の鍛錬」に入る時期に、「背番号を付け、緊張感を持つ中で試合ができるのはありがたい」と歓迎。個々の能力、走力、投力、パワーなど強豪校の選手たちとの違いを感じながらも、「(強豪校に)打たれる、走られるのは当たり前。一つ一つのプレーを丁寧に、とれるアウトをしっかりと積み上げ最少失点でおさまる、そんな野球をしたい」と先を見据える。

一塁側の釜石ベンチ。菊池暁監督(左奥)らが見つめる
菊池監督は、釜石高の前身・釜石南高野球部OB。1996年春、釜石南が選抜高校野球大会(センバツ)で甲子園初出場を果たした時、主将としてチームを率いた。30年ぶりに監督として母校に戻ったが、選手たちに「あの時(センバツ)の経験は伝えていない」。なぜか。「当時とは取り巻く環境が違うから」。今ある環境の中で日々の練習に向き合う姿勢が大事で、「ベストを尽くし、行けるところまで行く。可能性はある」と言葉に熱を込める。
秋季大会での2勝は「たまたま」と言いつつ、「持ち味を出し切り、勢いがいい方向に流れれば結果を残せる」と、菊地監督は信じる。「冬の練習を頑張ってもらう。基礎能力、体力を伸ばしながら、自分たちがやりたい野球を楽しめるように」と期待を込め、ハッパをかける。
試合後に言葉を交わしていた菊池、高橋両監督。次のシーズンに向け、すでに動き出しており、「互いに高め合いながら頑張っていきましょう」と約束した。

試合後に一関学院の選手を見送る釜石高野球部
招待試合を企画し、日程調整などを担った釜石市体育協会事務局長の佐久間定樹さん(44)は「接戦、内容のある試合になったようで良かった。子ども、特に中学生に見てもらい、この地域で野球を続けてくれるといい。競技の底上げにつながれば」と願う。そして、高校球児たちが冬場の鍛錬を経て成長した姿を見る時を楽しみにしていた。

釜石新聞NewS
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