「検事の死命」テレビ放送、柚月裕子さん(釜石出身)「孤狼の血」は直木賞候補に


2016/01/22
復興釜石新聞アーカイブ #地域

「検事の死命」テレビ放送、柚月裕子さん(釜石出身)「孤狼の血」は直木賞候補に

「検事の死命」がドラマ化された柚月裕子さん。直木賞候補にもノミネートされている

 

 釜石市出身の作家、柚月裕子さん(47)=山形市在住、釜石応援ふるさと大使=の推理小説を原作にした「検事の死命」が、あす17日午後9時からテレビ朝日系(本県は岩手朝日テレビ)のドラマスペシャルとして放送される。柚月さんは第154回直木賞の候補にも決定、19日の発表を待つ。

 

「検事の死命」は、柚月さんが弁護士・佐方貞人を主人公に描いた人気シリーズの3作目。第1作の「最後の証人」は昨年1月に放送され、上川隆也が勝算ゼロの裁判に挑む佐方を演じ、大きな反響があったという。

 

 これを受け、今回は「検事の死命」から短編「死命を賭ける」「死命を決する」をドラマ化。前回は”ヤメ検弁護士”としての佐方の法廷闘争を描いたが、今回は検事時代の苦闘を法廷サスペンスとして仕上げた。前回に続き、主人公の佐方を上川隆也が演じる。

 

 試写を見た柚月さんは「原作にはないエピソードも加えられ、驚きの連続。とても面白いドラマに仕上がった」と放送に期待する。

 

 柚月さんは2008年、「臨床真理」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、09年に作家デビューした。12年、「検事の本懐」で山本周五郎賞にノミネート。13年には同作品で大藪春彦賞を受賞した。

 

 昨年暮れに発表された第154回芥川賞・直木賞の候補作では、第5作の「孤狼の血」(KADOKAWA)が直木賞にノミネートされた。受賞作は19日に発表されるが、柚月さんは「まさか、まさかのノミネート。候補に挙げられただけで、ありがたい。たとえ受賞できなかったとしても、選考委員が下さる選評が、作家としての私の今後の大きな財産になる」と話す。

 

(復興釜石新聞 2016年1月16日発行 第453号より)

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