復興加速めぐり舌戦、釜石市議選スタート 予想の22人が立候補


2015/09/07
復興釜石新聞アーカイブ #地域

釜石市議選スタート

復興公営住宅に向けて演説する候補者。4年前の前回選では見られなかった光景だ=8月30日、平田の県営復興住宅前で

 

 任期満了に伴う釜石市議選は8月30日に告示され、定数20に対し、予想通り22人が立候補。9月6日の投開票へ向け、復興加速などをめぐる舌戦に入った。東日本大震災から間もない時期に行われた4年前の前回選では、名前の連呼を自粛するムードがあったが、今回は仮設住宅団地や復興公営住宅、工事現場などを選車が行き交い、復興が進む市街に候補者の連呼が響き渡った。

 

 立候補の受け付けは午前8時半から午後5時まで中妻町の中妻体育館で行われ、現職15人、元職1人、新人6人が届け出た。立候補者は男性20人、女性2人。党派別では公明2人、共産2人、社民1人、無所属17人。

 

 この日の釜石はあいにくの小雨模様で、最高気温も平年より6・5度も低い20・2度にとどまった。候補者らは届け出順の決定を待ち、それぞれ第一声を上げたが、仮設住宅から外に出て耳を傾ける人はまばら。選挙戦のスタートは、いまひとつ盛り上がりに欠けた。

 

 平田の復興住宅前で新人候補の演説に耳を傾けた女性(72)は「4年前は選挙に頭がいかなかった。今回は関心がありますよ」としながらも、「自宅、仮設、復興住宅と住民が三つに分かれてしまい、復興の流れが分からない」と嘆く。

 

 只越町で被災し、天神町の仮設住宅で暮らす男性(83)は「家は残ったが、かさ上げで壊され、復興住宅へ入ろうと決めた。票は地元の候補に入れたい」と候補者ポスター掲示板に見入った。

 

 嬉石町で被災し、上中島町の復興住宅で妻と2人で暮らす男性(80)からは「候補者の政見は自分本位。投票に行く気がしない」と厳しい声も聞かれた。

 

 期日前投票は31日から市内2カ所で行われ、天神町の市役所第4庁舎では5日まで、鈴子町の市教育センターでは2日まで受け付ける。受付時間はいずれも午前8時半から午後8時まで。

 

 投票は6日午前7時から午後7時まで市内39投票所で行われ、同8時15分から甲子町の釜石高体育館で即日開票される。

 
 8月29日現在の有権者数は3万739人(男1万4431人、女1万6308人)。

 

(復興釜石新聞 2015年9月2日発行 第415号より)

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