県高校野球沿岸南予選、釜石勢対決 商工に軍配〜釜石商工 打線つながり着々加点、釜石高 最後の夏 追撃及ばず


2020/07/16
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

県大会出場を決めた釜石商工

県大会出場を決めた釜石商工

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった夏の全国高校野球選手権岩手大会の代替大会として県高野連が独自に開催する夏季県高校野球大会の沿岸南地区予選(代表3校)は3日から釜石市の平田公園野球場で行われた。同地区予選には7チームが出場。釜石勢の釜石と釜石商工は5日に直接対決し、釜石商工が7―4で釜石を下して県大会出場を決めた。地区予選を勝ち抜いた31チームによる県大会は11日から盛岡市の県営球場などで開かれる。優勝校は東北大会に出場する。

 

 釜石商工は初回に主将の3番堀内海希、4番小笠原瑠大の連続適時打で2点を先制。二回2点、五、七、八回にもそれぞれ1点を加えて逃げ切った。

 

 釜石は二回に5番中館大気が左翼に本塁打を放ち、反撃開始。五回には9番菊池広海の二塁打などで2点を加え、1点差と食い下がった。その後もチャンスをつくったが、九回は1点にとどまり、及ばなかった。

 

目を潤ませて保護者に感謝する釜石

目を潤ませて保護者に感謝する釜石

 

 安打数は釜石12、釜石商工14と、拮抗(きっこう)した好試合。両チームの選手の思いを凝縮した2時間半の熱戦だった。スタンドの保護者席は、熱闘が進むにつれ掛け声が大きくなり、グラウンドとの一体感を盛り上げた。釜石の保護者は「最後になったけど、試合ができてよかった」と選手の気持ちに寄り添った。

 

 釜石商工の堀内主将(3年)は大黒柱としてチームを引っ張った。「釜石にも中学校のチームメートが多く、複雑な気持ちだったが、負けたくなかった。甲子園(夏の全国高校野球選手権)がなくなり、チームは一時やる気をなくしたが、気持ちを入れ直した。投手中心のチーム。バッティングで岩手県一を目指す」と決意を示した。

 

応援席は家族のみ

応援席は家族のみ

 

 完投した山崎蓮(3年)は五回、足がつるアクシデントにも、仲間がもり立てて続投した。「最初はコントロールがばらばらだったが、みんなが守ってくれた」と感謝しつつ、「県大会では釜石の分もがんばって勝ち進んでいきたい」と前を向いた。

 

 釜石の菊池広海(3年)は2安打、1打点と貢献した。野球は小学3年生から始め、小佐野クラウンに所属、釜石中と続けた。「自主練、チーム(練習)の再開と、野球から離れることはなかった。自分の課題は打撃だった。2本のヒットを打てたことは練習の成果。チームは負けたが、自分のプレーには満足している」と、潤んだ目で話した。

 

(復興釜石新聞 2020年7月11日発行 第894号より)

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