鵜住居第2トンネル貫通、釜石市と大槌町結ぶ
東日本大震災の復興リーディングプロジェクトとして整備が進む三陸沿岸道路釜石山田道路(釜石市甲子町―山田町船越、23キロ)で16日、釜石市と大槌町を結ぶ鵜住居第2トンネル(1445メートル)の貫通式があった。「復興道路」として国土交通省南三陸国道事務所(佐藤和徳所長)が整備を進める釜石山田道路に建設される10本のトンネルのうち7番目の貫通。残り3本のトンネルも本年度内から2016年度の早い時期の貫通を予定しているが、同トンネルが含まれる釜石北インターチェンジ(IC)―大槌IC(4.8キロ)間の用地取得が残り、使用開始時期の見通しは立っていない。
貫通式はトンネル坑口から約800メートルの貫通地点で行われ、関係者約200人が出席。佐藤所長、野田武則市長らが最後の発破のスイッチを入れ、貫通を確認した。トンネルの両側の地域住民らが握手を交わし、市立鵜住居幼稚園児が「ちびっこ虎舞」を披露。作業員らが樽(たる)みこしを繰り出し、鏡割りで貫通を祝った。
鵜住居第2トンネルの貫通式で鏡割りする関係者
施工者を代表して西松建設東北支店の菅原秀明支店長が「今後の復興を象徴する道路の建設を通じ、三陸沿岸地域の復興に微力だが力を注いできた。一日も早い完了を目指して今後も工事を進める」とあいさつ。野田武則市長は「地域の復興に欠かせない道路で、命の道としての活躍も期待される道路。課題を克服し、一刻も早く供用開始時期が決まることを願う」と期待した。
鵜住居第2トンネルは同道路で2番目に長く、2013年10月に着工した。西松建設が同トンネルと一括で請け負った小鎚第1トンネル(309メートル)は14年10月に本格着工し、一足早く今年5月に貫通。今後は道路舗装や照明設備の設置などを行う。
地元の子どもたちも駆け付け貫通を祝った
佐藤所長によると、同事務所が実施する復興道路全体の用地取得の進ちょく率は8割で、「用地買収の進ちょく率を高めなければ工事に着手できなくなり、両市町と連携し合いながら地権者の理解を得ていきたい」と説明。18年度という当面の開通目標を示し、「復興支援道路は高速道路で、開通すれば物流コストの削減や観光振興の面で大変インパクトがある。一日でも早く開通できるよう努力する」と話した。
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