鉄の歴史館 名誉館長に大島輝洋さん(高任の玄孫)、橋野高炉跡の遺産価値発信


2015/06/18
復興釜石新聞アーカイブ #地域 #観光

鉄の歴史館 名誉館長に大島輝洋さん
「高任に代わり、釜石市の発展に尽くしたい」と意欲を示す大島輝洋さん

 

 釜石市は12日、市鉄の歴史館(岡崎貞夫館長)の名誉館長に就任した大島輝洋さん(67)=東京都武蔵野市在住=に委嘱状を交付した。野田武則市長から委嘱状を受け取った大島さんは「名誉ある話に感謝している。今後は高任に代わって釜石市の発展のため尽くしたい」と抱負を述べた。

 

 大島さんは、「日本の近代製鉄業の父」といわれる大島高任の玄孫(やしゃご)。祖父は八幡製鉄所の初代技監を務めた大島道太郎で、父は「戦後日本のオートメーションのリーダー」とされる大島康次郎(東大名誉教授)。

 

大学卒業後、横河電機に入社し、エンジニアとして、新日鉄が建設に協力した宝山製鉄所(中国)やプラント向けの制御用コンピューター開発に従事。現在は不動産管理会社の代表を務める。2008年からは釜石応援ふるさと大使も務める。

 

 鉄の歴史館の名誉館長に就任したのは今年5月1日。その直後、「橋野鉄鉱山・高炉跡」がユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)から世界遺産に登録するよう勧告され、「どう対処していいか迷うほど、非常に反響が大きかった」と驚く。

 

 大島さんは今後、講演活動などを通して、高任の偉業や釜石の鉄の歴史、橋野鉄鉱山の価値を広く発信する。橋野高炉跡については「間違いなく世界遺産に登録されるでしょう」と明言。「日本は明治時代から先進国に仲間入りし、それが現在のG7(先進7カ国)にもつながっている。世界遺産登録は、明治維新の歴史を振り返り見直すいい機会になるのではないか」と期待を述べた。

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