小規模事業者に20万円支給〜釜石市 コロナ対策4つに2億2千万円、第2・3弾の支援策も用意
釜石市のコロナ対策を発表する野田武則市長、窪田優一副市長(左から)
釜石市は4月28日、新型コロナウイルス感染症対策としての市の対応状況を発表した。大きな影響を受けている飲食・宿泊サービス業など小規模事業者への独自支援策の第1弾としてまとめ、野田武則市長が記者会見で説明した。支援策は①事業者の資金繰り支援1800万円②事業継続に向けた経費の緊急支援2億円③飲食事業者などの業務拡張支援250万円④離職者などの緊急雇用支援―の4つ。総額2億2050万円の補正予算を専決処分した。野田市長は「市民の声を聞き、国や県の支援の動きを絡めてまとめた。市の全面支援のメッセージとして受け止めてほしい。第2、第3弾の支援策も用意する」としている。
事業者の資金繰り支援は、市中小企業振興資金からの借入金について、売上高の減少により支払い条件の変更を余儀なくされる事業者に対し、変更に伴う保証料と最長3年間の利子補給を行う。併せて同資金の据え置き期間を1年間延長し、この場合も保証料と最長3年間の利子を補給する。5月中をめどに調整を進め、2月にさかのぼって適用する。
さらに、市が事業所に貸し付けている建物やテナントの家賃を4月以降、当面3カ月分の納付を猶予する。
事業経費の緊急支援は、新型コロナウイルス感染症拡大で3月または4月の売り上げが前年比20%以上減少した飲食・宿泊サービス業、タクシー・運転代行業、食料品製造業、卸売・小売業など小規模事業者の事業継続を助成する。1事業者当たりの給付上限額を20万円とし、約1千事業者の申請を想定。4月28日から申請の受け付けを始め、5月12日から順次給付する。
飲食店などの食事のデリバリーやテイクアウトサービス、インターネットを活用した広告宣伝の取り組みには最大50万円を補助。すでに市のホームページで対象となる事業者の公募を始め、4月末から情報提供できるよう準備を進めている。
飲食事業者の業務拡張支援事業補助金は対象経費を幅広く設定し、2月にさかのぼって適用する。
離職者などの緊急雇用支援は、コロナ感染症の影響による業績不振で就職先から内定取り消しや解雇された場合に市の任用職員として当面3カ月雇用する枠を設ける。
今後の追加支援策について窪田優一副市長は「さらに情報を集めながら、第2弾は個人への給付を主軸に大型連休明けの5月中にも、第3弾は6月の補正予算でやりたい」などと方針を示した。
(復興釜石新聞 2020年5月2日発行 第886号より)
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