日本酒の魅力 海外へ発信、酒蔵巡り釜石へ〜メディアの外国人「浜千鳥」見学、味わい・レベルの高さ実感
復興釜石新聞アーカイブ
日本酒の製造過程について説明を受ける外国人記者ら
全国の酒造業者などで組織する日本酒造組合中央会(東京都港区、篠原成行会長)が招いた外国人の記者らが本県を訪れ、17日、釜石市小川町の酒造会社浜千鳥(新里進社長)を見学。奥の深い日本酒の魅力に理解を深めた。
同会は日本酒の世界的認知度を高め、市場拡大につなげようと外国人の記者を招いたツアーを実施。5回目となる今年は本県と青森県が訪問先に選ばれた。
酒類を専門に雑誌やウェブサイト、会員制交流サイト(SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報を発信している欧米やアジア7カ国の記者ら7人が参加。15、16日に弘前市と八戸市の3酒蔵を巡り、17日に釜石市入りした。
一行はこの日、鵜住居町の旅館宝来館で東日本大震災と復興をテーマにした講話と三陸の食に触れた後、浜千鳥を訪問。杜氏(とうじ)の奥村康太郎さんの案内で酒蔵を見学し、麹(こうじ)や酵母を混ぜて発酵させるもろみ造りや仕込みなど日本酒の製造過程について説明を受けた。大吟醸や純米酒など14種類を飲み比べる利き酒も楽しんだ。
浜千鳥14種類を飲み比べ、日本酒の奥深さに触れた
ドイツのビョーン・ビットナーさん(29)は、ワインに精通する“ブロガー”。利き酒で、銘柄によって異なる香りや口当たり、温度による味わいの変化といった日本酒の魅力を堪能した。「華やかな大吟醸が好きだと思っていたが、純米酒の良さ、レベルの高さを実感」と発見。地元では日本食が普及していて、SNSを使って「Sake」のプロモーション活動を始める予定だと言い、「日本酒の情報をもっと伝えたい」と思いを強めた。
会社概要や酒造りの歴史、地域の味覚・日本酒を広める活動を紹介した新里社長。「地元の味をより多くの人に届けられるよう発信したい。日本酒を正しく理解し、世界中に広げてもらえればうれしい」と期待した。
一行はこの後、花巻市に移動。18日は紫波町の「月の輪酒造店」などを見学し、帰路に就いた。
(復興釜石新聞 2020年1月22日発行 第860号より)
浜千鳥 公式サイト
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