めざせ東京パラリンピック〜“わたしの夢”応援プロジェクト”、乙武さんとエール交換

復興釜石新聞2019/12/25

トークを繰り広げた乙武洋匡さん、斎藤由希子さん、萩野真世さん、村田奈々さん(左から)

トークを繰り広げた乙武洋匡さん、斎藤由希子さん、萩野真世さん、村田奈々さん(左から)

 

 「輝け!!未来へ!!東北のパラの星」と題したトークイベントが14日、釜石市の釜石東中体育館で開かれた。一般社団法人チームスマイル(東京都)が行う東日本大震災復興支援活動「“わたしの夢”応援プロジェクト」の一環で、同法人と釜石まちづくり会社が主催。「五体不満足」がベストセラーとなった作家の乙武洋匡さんが、来年の東京パラリンピック出場を目指す東北出身の女子アスリートらに話を聞いた。

 

 宮城県気仙沼市出身で、陸上の世界大会投てき3種目で優勝実績のある斎藤由希子さん(SMBC日興証券)、同仙台市出身で、車いすバスケットボール女子日本代表として国際大会に出場している萩野真世さん(アビームコンサルティング)、釜石市在住で、国内水泳大会で多数優勝している村田奈々さん(釜石市役所)がゲスト。

 

 観客約50人を前に各競技のデモンストレーションを実施。希望者が砲丸投げや車いすバスケを体験し、障害者スポーツへの理解を深めた。トークでは、競技を始めたきっかけや競技生活を送る上での苦労、ルールや見所などを語った。

 

 萩野さんは、障害の度合いによる選手の持ち点の合計が5人で14点以下になるようにチーム編成する車いすバスケの特徴的ルールを紹介。現在、国内大会は男女混合、国際大会は男女別で戦っており、各チームでの役割の違いに「いろいろな目線、状況に応じた対応力が養われる」とメリットを示した。

 

 左腕の肘から先が義手の斎藤さんは、中学の陸上部で健常者と共に競技を始め、東北大会で活躍。高校から障害者の大会にも出場し、大学生の時に日本記録をマークしたが、ライバルのいない大会に物足りなさを感じることも。「健常者と一緒の大会で、もっと上を目指していけば、いつか障害者の世界でトップに立てる」とパラリンピックを目指す決意を固めたという。

 

 高校時代に下肢機能障害を負った村田さんは20代前半から本格的に水泳に挑戦。現在、11歳の娘を育てながら競技を続ける。「娘は時に励まし、時に厳しい言葉をくれる頼もしいコーチ。遠征が続くと寂しい思いをさせてしまうが、できるだけ2人の時間は作るようにしている」。災害時に離れている場合は「お互いを信じて行動する」ことも確認し合っているという。

 

 来年の東京パラに、斎藤さんはやり投げでの出場を、萩野さんは女子日本代表12人に選ばれることを目指している。「今日のイベントが競技場に足を運ぶきっかけになれば。パラは知れば知るほど面白い。興味を持って見ていただけたら」、村田さんは「身近にパラ選手がいることを知ってもらえた。東京パラの盛り上がりが終息しないよう、私たち選手もさらに頑張っていきたい」とし、応援を呼び掛けた。

 

 先天性四肢欠損の乙武さんは、最新鋭の技術を搭載したロボット義足で、1年半前から歩く練習を重ねていることを明かした。「できない、足りないことを嘆くのではなく、できることで頑張っている3人から学ぶ点は多い。釜石はワールドカップで、ラグビーという強みが一段と強化された。釜石だからこそできることで、地域を盛り上げていただけたら」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

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