防災の思いを世界へ、国連水鳥事務総長特別代表〜鵜住居視察 復興啓発誓う、津波伝承活動関係者と懇談

復興釜石新聞2019/06/04

いのちをつなぐ未来館でスタッフから説明を受ける水鳥事務総長特別代表(左)

いのちをつなぐ未来館でスタッフから説明を受ける水鳥事務総長特別代表(左)

 

 国連の水鳥真美事務総長特別代表(防災担当)は23日、釜石市を訪れ、東日本大震災からの復興状況を視察。震災経験者から当時の避難の様子や、復旧・復興まちづくりに向けた民間の取り組み、被災者の現状についても説明を受けた。就任後、本県を視察するのは初めて。現状を確認した水鳥氏は「住んでいる人々の心の復興が大事。世界の人々のより良い復興、事前予防につながるよう啓発活動に役立てたい」と述べた。

 

 鵜住居町では、市が整備した追悼施設「釜石祈りのパーク」や震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」を視察。野田武則市長、未来館の村上清館長が被災状況や復興まちづくり、教訓伝承に向けた取り組みなどを説明した。

 

 未来館に勤務するかまいしDMCの菊池のどかさんは、中学3年生の時に震災を経験。地震発生時の状況や避難行動、防災の取り組みを静かに淡々と伝えた。

 

 今秋のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となる釜石鵜住居スタジアムも見学。水鳥氏は「自然の中のスタジアム。楽しみですね」と期待感を示した。

 

 魚河岸地区の魚河岸テラスに移動。市内で被災者支援や地域づくり、人づくり、津波伝承などの活動に取り組む団体関係者らと懇談した。

 

魚河岸テラスでは支援活動や地域づくりに取り組む団体関係者らと意見交換

魚河岸テラスでは支援活動や地域づくりに取り組む団体関係者らと意見交換

 
 話題に上がったのは、8年が経過した被災地の課題。「年月がたつほど、自分の心の痛みを打ち明けられない人もいる」といった多様化、複雑化する被災者の悩み、地域活動やボランティア参加への意欲を高める子どもたちの変化などを聞き取った。

 

 水鳥氏は、世界中でさまざまな災害が起こる現状を踏まえ、「日頃の訓練の重要性などをもっと伝えていかなければならない」との認識。国際機関の役割は伝えることと強調し、「つらい経験を踏まえた生の声から、教訓を発信したいとの気持ちが伝わってきた。釜石の震災経験が世界の災害予防につながれば。啓発活動を進めたい」と語った。

 

 24日は陸前高田市を視察。県庁も訪れた。

 

 水鳥氏が現職に就任したのは2018年3月。震災被災地はこれまで宮城、福島県を訪れている。

 

(復興釜石新聞 2019年5月29日発行 第794号より)

 

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