明星 新華園本店 釜石ラーメン、好評のカップ麺再販売〜透明スープのうま味で復興アピール、3月4日から全国で発売


2019/02/27
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

好評による釜石ラーメンの再販売を喜ぶ西条店主(右)と野田市長

好評による釜石ラーメンの再販売を喜ぶ西条店主(右)と野田市長

 

 食品大手の明星食品(本社・東京都渋谷区、松尾昭英社長)は3月4日、「釜石ラーメン」を代表する釜石市大町「新華園本店」(西条優度=まさのぶ=店主)の味を凝縮したカップ麺「明星 新華園本店 釜石ラーメン」を全国発売する。東日本大震災からの復興を支援する企画商品の第9弾。2015年の販売で反響が大きかったことから、再販売を決めた。19日、盛岡市の県庁で記者会見した店主の西条さん(69)と野田武則市長は「釜石の復興アピールにつながれば」と期待を述べた。

 

 明星食品は震災直後から復興支援企画に乗り出し、毎年、被災地由来のカップ麺1商品を販売。売上金の一部を支援金に充てて来た。この日は、同社マーケティング部の松川賢一課長、真田育則東北支店長が「釜石ラーメン」の再販売を発表した。

 

 西条さんは「カップ麺が出た後、厨房(ちゅうぼう)にいると、子どもが『僕はカップラーメン』と注文する声が聞こえた。うれしかった。遠方から丁寧な応援の手紙も頂いた」とエピソードを紹介。同席した野田市長は「全国の(釜石ゆかりの)みなさんに、ふるさとを思い出していただける。3月は復興道路や三陸鉄道も開通する。いいタイミングで販売される」と喜んだ。

 

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「おいしいラーメン」の会見は笑顔いっぱい

 

 釜石ラーメンは細めのちぢれ麺と琥珀色(こはくいろ)の透明感あるスープが特徴の、シンプルなしょうゆラーメン。現在は市内の20店以上が「釜石ラーメン」の看板を掲げる。

 

 その“元祖”ともいえる新華園本店は1951年、釜石市只越町で先代の故西条暢士(のぶひと)さんが創業した。大町に店舗を移した後も、その味は受け継がれた。清湯(ちんたん)スープは鶏と豚、カツオ、サバ、煮干しのエキスに香味野菜などのうま味を抽出した。

 

 震災で店舗は厨房などを失ったが、その年のうちに再開した。西条さんは「店は、安否確認などコミュニティーの場にもなった」と振り返り、「オリジナルのラーメンをぶれずに、ひたむきに作り続けようと思う。震災が風化しつつある中、再発売が(まちの)カンフル剤になれば」と期待する。

 

 内容量は88グラムで、価格は218円(税別)。3月4日から半年間、全国のスーパーやコンビニなどで販売する。

 

 真田支店長は「目標は100万食。流通業界の引き合い、反応はいい。販売期間は売れ行きにより、長くなるかもしれない」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2019年2月23日発行 第768号より)

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