「甲子柿ジェラート」食品中央コンクール 食品産業センター会長賞〜甘さ凝縮 高く評価、表彰式は3月12日に東京で
甲子柿ジェラートを製造している藤井代表
釜石市甲子町洞泉の創作農家こすもす(藤井サヱ子代表)が製造する「甲子柿ジェラート」が、2018年度優良ふるさと食品中央コンクールの国産農林産品利用部門で「食品産業センター会長賞」を受賞した。藤井代表(74)は「地域を知ってもらえる機会になる。甲子柿など地元の食材を使った商品の開発を拡大させたい」と意欲を沸き立たせている。
甲子柿は、甲子地区で育った渋柿の一種である小枝柿を煙でいぶして甘さを凝縮させたもので、地域の特産品の一つ。旬の時期がある甲子柿を通年で味わえるよう、藤井代表をはじめ同地区の生産者らで協議会を組織し、細胞を壊さずに凍らせるCAS冷凍機で丸ごと一個を凍らせた冷凍甲子柿など加工品の開発が進められている。
藤井代表はレストランを開設した07年から甲子柿を使ったドレッシングの提供を始めた。その後も地域内外の若者らの協力を得ながら独自の取り組みを続け、ジャムやレアチーズケーキなど新製品を続々開発。16年4月に受賞製品のジェラートを売り出した。
柿をラム酒に漬け込み、濃厚なミルクアイスと混ぜ合わせたジェラートは色合いと食感が特徴。トマトのような真っ赤な外観とゼリーのような食感といった甲子柿の持ち味を残している。
同コンクールは、一般財団法人食品産業センター、公益財団法人食品等流通合理化促進機構が主催し、地域で生産される農林水産物の加工利用や、食品の品質向上に取り組んでいる優良事例を毎年表彰している。同会長賞は、農林水産大臣賞(1点)、食料産業局長賞(3点以内)に次ぐ賞。今回の受賞製品は、昨年度開催された県ふるさと食品コンクールで最優秀賞を受賞しており、県が推薦していた。表彰式は3月12日、東海大学校友会館(東京)で行われる。
甲子柿ジェラートは1個(120ミリリットル)350円(税込み)。こすもすと、道の駅釜石仙人峠で販売している。市の「ふるさと納税」の返礼品としても取り扱われている。問い合わせは、こすもす(電話0193・27・3366)へ。
(復興釜石新聞 2019年2月16日発行 第766号より)
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