「サヴァ缶」とコラボ「パスタソース」発売〜「食」の提案で釜石支援、エスビー食品 市などと共同開発


2019/02/05
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

「サヴァ缶」とコラボする形でエスビー食品が共同開発した「パスタソース」

「サヴァ缶」とコラボする形でエスビー食品が共同開発した「パスタソース」

 

 食品大手のエスビー食品(東京都中央区、小形博行社長)は、釜石市、県、関係企業と共同開発した新商品「サヴァ缶パスタソース」を3月から発売する。小形社長(61)が釜石市出身と知った野田武則市長が、「食」を通じて東日本大震災の復興支援に取り組む同社に支援を要請したのがきっかけ。市は「健康志向に合致した画期的な商品」とし、被災した地域産業の活性化につながると大きな期待を寄せる。

 

 新たに開発したのはパスタメニュー「サヴァ缶とオリーブオイルのパスタソース」と「サヴァ缶とレモンバジルのパスタソース」の2種類。サヴァ缶の素材の風味を忠実に再現し、さばの身と国産バジルのおいしさをパスタにマッチするよう仕上げた。

 

 1袋1人前で各275円(税別)。3月4日から全国のスーパーマーケットなどで販売する。

 

 さば缶は手軽さや健康効果が注目され、需要が高まっている。パスタとの相性も良く、パスタメニューの一つとして浸透する可能性を秘めていることから、「パスタソース」の提案でさらなる市場の活性化と拡大を狙う。同社は初年度の売り上げ目標を約2億5千万円とする。

 

 「サヴァ缶」は、国産サバを使用したオリジナル洋風缶詰として誕生。釜石市に本社を置く岩手缶詰が三陸産のサバを使用して製造している。釜石市の支援要請を受けたエスビー食品が、これに着目。東日本大震災で被災した東日本の食品産業の長期的支援を目的とする一般社団法人東の食の会(東京都)などの協力を得て完成させた。

 

 発売を前に小形社長や池村和也常務ら5人が28日、新商品を携えて釜石市役所を訪ね、野田市長、山崎秀樹副市長らと試食した。

 

コラボ商品の完成を喜ぶエスビー食品の小形社長(右)と野田市長

コラボ商品の完成を喜ぶエスビー食品の小形社長(右)と野田市長

 

 野田市長は「サバの風味とバジルの香りがパスタとマッチし、さっぱりとした味わいがいい。これは売れそう」と好評。「震災で被災した企業はやっと再建しつつあるのが現状で、新規事業の展開には至らず困っていた。日本を代表する食品大手が釜石に目を向けてくれ、非常に心強い」と同社の支援に感謝。「順調に販売できるよう後押ししたい。第二弾、三弾の商品も」と共同企画のさらなる展開に期待した。

 

 同社は工場が宮城県内にある関係で、震災直後には南三陸町で避難所への食の支援を実施。その後もイベントへの協賛などで被災地の支援を継続している。小形社長は「釜石には、おいしい食べ物の素材となるポテンシャルを秘めたものがいっぱいある。コラボすることが結果的に支援の形につながれば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2019年1月30日発行 第761号より)

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