「五穀甘糀」県加工食品コンクールで最優秀賞に〜自然な甘さ 高く評価、藤勇醸造 リベンジ実る


2018/12/20
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

受賞報告した小山専務(右から2人目)ら

受賞報告した小山専務(右から2人目)ら

 

 釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)が開発を進めていた新商品、県産の米と雑穀100%で造った甘酒「五穀甘糀(あまこうじ)」がこのほど、県などが主催する加工食品コンクール「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2018」で最優秀賞に輝いた。同社の小山和宏専務(53)、小山専務の長女で商品開発と広報を担当する明日奈さん(30)が10日、野田武則市長を訪ね、受賞を報告した。

 

 8月に行われた同コンクールは、6次産業化や農商工連携の推進を目的に県、いわて6次産業化支援センターが主催。県産の農林水産物を主原料とし、県内で製造または加工の最終段階が行われ、販売予定または既に販売されている食品を募った。県内の事業者や団体、学校などから加工食品32点が出品。最優秀賞1点、優秀賞2点、優良賞5点を選んだ。

 

 最優秀賞を受けた五穀甘糀は、同社の米こうじに県産ひとめぼれと5種類の雑穀(赤米、大麦、たかきび、あわ、ひえ)をブレンド。砂糖やアルコールを使わずに、すっきりとした甘さに仕上げた。あえて米や雑穀の粒を残しながら飲みやすく、自然の味わいを凝縮した一品。県特産の雑穀を豊富に使った点、雑穀の食感や風味を生かした自然な甘さなどが高く評価された。

 

 「健康、美容にいい」といった発酵食品ブームに着目した明日奈さんが、東京の知人らと企画。釜石・大槌地域産業育成センターが実施する事業「ヒット商品開発プログラム」と連携し5月から具体的な開発を始め、雑穀の種類や量を変えるなど試作を重ねた。

 

 同社は一昨年、自社の「十割糀みそ」を使ったパウンドケーキを同コンクールに出品し、優秀賞を獲得。昨年は県産ひとめぼれ100%で造った甘酒を出品したものの、入賞は逃した。「今回はリベンジだった」と明日奈さん。力を入れて開発に取り組み、念願の最優秀賞にうれしさをにじませる。「やる気を後押しされた」と、来年のラグビーワールドカップ(W杯)に向けた商品開発に意欲を見せた。

 

 小山専務は「とにかくおいしい」と仕上がりに大満足。「食べる感覚で楽しんでほしい」と強調した。

 

 野田市長は「発酵という技術を生かした取り組みを継続してほしい。W杯に向けた釜石土産の開発に協力を」と期待した。
 五穀甘糀は、160グラム入り税込み230円。市内では道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)などで販売。盛岡市のイオンモール盛岡、クロステラス盛岡、イオンスーパーセンター盛岡渋民店でも購入できる。

 

(復興釜石新聞 2018年12月15日発行 第749号より)

 

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