復興推進へ前向き提言、達増知事と県政懇談会〜地域づくりの課題共有、交流人口拡大へ地域間連携を


2018/06/13
復興釜石新聞アーカイブ #地域

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

 

 「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞き、意見を交わす県政懇談会「がんばろう岩手!」は4日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。震災からの復興を目指し、釜石市や大槌町で産業や地域づくりに取り組む5人が活動内容を紹介し、知事と意見を交わした。

 

 出席したのは、釜石で活動する熊谷友行さん(新日鉄住金釜石製鉄所総務部)、小山明日奈さん(藤勇醸造広報・商品企画開発担当)、遠藤ゆりえさん(NPO法人かまいしリンク代表)のほか、大槌町の松橋康弘さん(城山観光常務)、岩間妙子さん(アトリエ・イスト)。

 

 冒頭、達増知事は「元に戻す復旧ではなく、より安全、より暮らしやすく、地域経済や産業も新しい時代へと進んだ復興にしなければ。地元の底力、外部とのつながりを生かし力強く復興に取り組んでいる地域の声を聞き、県政で役立てたい」とあいさつ。5人が取り組みの課題や地域の未来について語った。

 

 共通の話題として挙がったのは、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催。関心の低さを心配する声も聞かれた。インバウンドの推進やW杯のプロモーション事業を手掛ける遠藤さんは▽民間人の活用▽女性と若者の巻き込み▽スタジアムの活用―が課題と指摘。「大会は岩手の復興、釜石ラグビーの再興につながる」と信じ、活動推進に意欲を見せた。

 

 熊谷さんは、仮設住宅や復興住宅の整備などに必要な土地を提供するといった会社の不動産管理を担当し、「生まれ育ったまちの復興に携わることができ、やりがいを感じる」と充実した表情。高校生のキャリア教育にも関わっており、進路選択の幅を広げる機会となる取り組みの継続に向けた意気込みも語った。

 

 小山さんは震災後の商品開発、食育などの取り組みを説明し、つながりの大切さを強調。「地元企業や団体とコラボして売り出すことで既存のものも新しいものに変わる。可能性は無限大」と、ものづくりの楽しさを話した。

 

 交流人口拡大に関し、地域間連携、広域での取り組みを求める人や、県内陸部から沿岸部につながる誘客方法の検討を望む声もあった。

 

(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)

 

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