日本ラグビー界のレジェンド 伊藤剛臣選手、引退の胴上げ〜「ありがとう」とファン惜別

復興釜石新聞2018/01/23

引退の胴上げで8度も宙を舞った伊藤剛臣選手。見守るファンからは「ありがとうー」と感謝の声が上がった

引退の胴上げで8度も宙を舞った伊藤剛臣選手。見守るファンからは「ありがとうー」と感謝の声が上がった

 

 日本ラグビー界のレジェンド、今季限りで現役引退を表明している釜石SWのFW伊藤剛臣選手(46)が、揺れる大漁旗の中で宙を舞った。高校からラグビーを始めて31年。引退の胴上げは不本意にも入れ替え戦まで持ち越されたが、多くのラグビーファンが見守る中で、グラウンドに別れを告げることができた。熱いプレースタイルで多くのファンから愛された伊藤選手。「楽しかった」「最高でした」と長いラグビー人生を締めくくった。

 

 釜石SWが残留を決めた勝利はスタンドから見届けた。選手の歓喜の輪に駆け寄ると、伊藤選手の姿がプリントされたTシャツを着たチームメートが取り囲み、胴上げが始まった。

 

 「8回だぞ、8回」と須田康夫主将がメンバーに指示。伊藤選手が長く付けた背番号にちなみ、8度も宙を舞った。胴上げに合わせ、そばで見守るファンから「ありがとう―」「お疲れさまでした」と感謝の声が上がった。

 

 長い競技生活の中で胴上げされたのは初めてという。「ラグビー人生の最後に釜石でプレーできて本当に良かった。これ以上ない花道をつくってくれた。もう思い残すことはない」と目を赤くした。

 

 初めてラグビーを知ったのは、大漁旗が揺れる中で躍動する新日鉄釜石ラグビー部の姿をテレビで見てから。赤いジャージーのV7戦士にあこがれた。「原点は釜石。そこで選手生活を全うできて本当に幸せ」と万感の思いをかみしめる。

 

 18年間プレーした神戸製鋼では、新日鉄釜石と並ぶ日本選手権7連覇に貢献。東日本大震災で被災した釜石を盛り上げようと、41歳でトライアウトに臨み釜石に移籍した。「その恩に報いたいと6年間やってきた」。鬼気迫る表情で前進するプレースタイルとは対照的に、ファンには気さくに話しかけ、誰からも愛された。

 

 目標にしたトップリーグ昇格は果たせなかったが、「それは若い選手に託したい。今後は一サポーターとしてSWを応援したい」とジャージーを脱ぐ。

 

(復興釜石新聞 2018年1月17日発行 第656号より)

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