箱崎町仮宿で林野火災、9ヘクタール焼く〜防災ヘリも出動、1日までに鎮圧
燃え広がる山林火災=28日午後6時53分(釜石大槌地区行政事務組合消防本部提供)
2月28日午後5時半ごろ、釜石市箱崎町仮宿の山林から煙が出ているのが確認され、釜石大槌地区行政事務組合消防本部と県防災ヘリコプターが消火活動を展開、1日午後3時過ぎに鎮圧状態となった。市によると焼損面積は約9ヘクタールで、建物や住民、消防関係者に被害はなかった。
現場は仮宿地区から西側の桑の浜地区を結ぶ、両石湾に面した市道桑の浜―仮宿線に沿った山林で、仮宿から約1キロ付近。近くに民家はなく、道の両側は急斜面で、スギや雑木林が広がる。
市は28日、出火が確認された直後に災害警戒本部を設置し、周辺地域の住民に注意を喚起。同7時40分、災害対策本部に切り替えた。火は西寄りの弱い風で燃え広がり、1日未明、仮宿地区の住民1人が自主避難した。
28日深夜までの消火活動では制圧できず、警戒態勢へ。1日早朝から防災ヘリを加えて消火活動を再開し、午後2時50分、陸上と空から鎮圧を確認した。
2日間にわたる消火活動で、釜石、大槌両消防署、消防団の車両延べ48台、約380人が出動。急な斜面の全域に張り付き、ジェットシューター(簡易消火装備)を背負った人海戦術で消火を続けた。防災ヘリは釜石市の日向ダムで取水し、16回の消火活動で総量9200リットルの水を投下した。
鎮圧後も消防署、消防団が警戒を継続。広域消防本部は「3日も現場での警戒、監視を継続しているが、警戒活動での確認と天候の推移によって鎮火宣言を検討する」とした。
釜石市で今年発生した火災は4件(大槌町1件)で、林野火災は初めて。釜石警察署と消防は今後、焼損面積や出火原因を調べる。
(復興釜石新聞 2017年3月4日発行 第568号より)
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