小佐野地区、復興道路の現場公開〜お楽しみ、学習も人気


2016/12/16
復興釜石新聞アーカイブ #地域

 小佐野町の住宅地で進む復興道路工事の見学会で体験学習も楽しむ子ども

小佐野町の住宅地で進む復興道路工事の見学会で体験学習も楽しむ子ども

 

 三陸沿岸道路の釜石中央インターチェンジ(仮称)を構成する小佐野町と新町に建設される高架橋工事の現場見学会が4日、小佐野町2丁目の現地で行われた。一帯の住民、家族連れ約140人が参加し、工事の進ちょく状況を確認し、大型建設機械の操作体験、魚釣りなどを楽しんだ。

 

 現場は、りんかい日産建設が受注した「小佐野高架橋下部工工事」。同社東北土木支店釜石営業所の谷口保夫所長によると、用地約6千平方メートルの延長約200メートル区間に橋脚4基、橋台1基を建設。工期は今年6月から来年7月、請負額約3億9千万円。

 

 現場の一般公開は初めてだった。早期開通へ、工事は午後7時ごろまで行う。谷口所長は「工事について、住民のみなさんの理解と協力をいただいており、感謝を込めて開催した。暖かく、天気もいい。多くの人が来てくれてうれしい。子ども、みなさんに楽しみながら見てほしいので、食べ物や魚釣りも用意した」と語った。

 

 その「お楽しみコーナー」は現場作業員ら40人がサポート。豚汁、飲み物が用意され、多彩な体験コーナーが待っていた。ニジマスを放した土中の急造生けすには、幅広い年代が群がった。「今夜の一品に」という高齢女性グループ、父母と一緒の子どもが夢中で挑戦した。

 

 バックホー、100トンと25トンのつり上げ能力がある大小のクレーン2台、地ならしするローラーは運転席に乗り込むことができた。高所作業車は人気を集めた。ヘルメット、安全帯を装着し、高さ約20メートルの遠望を楽しんだ。

 

 理科の学習コーナーも用意した。重さ10キロのます状のコンクリートが水に浮かぶ実験は浮力の実証。滑車の数が増すごとに、引き上げる負荷が減少する体験もできた。モルタルの塊で「手形」をとり、終了する2時間後に記念品としてプレゼントされた。

 

 谷口所長は「子どもに楽しく学び、体験してほしい。将来、土木業界を担う人材になってくれれば」と期待を込めた。

 

 お父さんと参加した小佐野小2年の長谷川響君は「初めて魚を釣った。1匹。高いところは少し怖かったけど、遠くまで見えた。手形もとった」と大満足だった。

 

 現場の近くに住む高橋八郎さん(81)は「雨、風の中でみなさんが働いている。大変だと思う。音や振動はあるが、配慮してくれるので気にしない。工事のことを、丁寧に教えてもらい、うれしかった」と語った。

 

(復興釜石新聞 2016年12月10日発行 第545号より)

 

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