元プロバスケ選手 高橋憲一さん(秋田出身)に学ぶ 釜石商工高生 メンタルにヒント


2026/09/08
釜石新聞NewS #スポーツ

元プロバスケ選手、高橋憲一さんを講師に招いて行われた特別授業=1日、釜石商工高1

元プロバスケ選手、高橋憲一さんを講師に招いて行われた特別授業=1日、釜石商工高

 
 釜石商工高(小松了校長、生徒160人)で1日、元プロバスケットボール選手の高橋憲一さん(45)による特別授業が行われた。日本テレビ放送網がスポーツ庁の委託を受けて行う「アスリート全国学校派遣プロジェクト」の派遣講師として来校。講話と実技を通して、自身の経験を生徒らに伝えた。同校が保健体育の授業に講師派遣を受けるのは昨年度に続き2回目。3年の全生徒と1、2年のバスケ部員計57人が学んだ。
 
 講師の高橋さんは秋田県潟上市出身。秋田工業高から東北学院大に進み、実業団選手を経て2006年、プロ選手になった。東北の4チームで計11年間プレー。bjリーグの2009-10シーズンにフリースロー成功率1位のタイトルを獲得。2年間在籍した岩手ビッグブルズでは主将も務めた。現在は秋田県を拠点に小中学生ら後進の指導にあたるほか、Bリーグの解説者も務める。
 
特別授業は講話と実技の2本立て。講話は3年生と1、2年バスケ部員が聴講

特別授業は講話と実技の2本立て。講話は3年生と1、2年バスケ部員が聴講

 
自らの競技人生について語る高橋憲一さん(左)

自らの競技人生について語る高橋憲一さん(左)

 
 高橋さんは、史上最高と言われた米マイケル・ジョーダン選手に憧れて小学5年生からバスケットボールを始めた。高校時代は部活が楽しみで、シュート練習に明け暮れる日々。スリーポイントを得意とした。大学では全国大会ベスト8。卒業後に入社した日立電線で実業団選手となり、日本リーグで新人王などに輝いた。転機となったのは国内初のプロリーグ、bjリーグの発足。ドラフト指名を受け、仙台89ERSに入団した。
 
 講話では、プロ選手として歩む中で経験したけがや不調を明かし、思うように結果がでない時に実践したこととして、▽原因の追究▽休養▽周りの人への相談―を挙げた。「出てしまった結果は変えられない。次への準備、気持ちの切り替えが大事」と高橋さん。現役時代、持っていた4つのメンタリティ「向上心」「探究心」「闘争心」「克己心」について説明し、「最も意識していたのは克己心。困難な状況でも誘惑に負けず、目的に向かって努力し続ける強い精神力を持つことが大事」とした。また、「自分に物の考え方や取り組み方を教えてくれる人“メンター”を近くに置くといい」とも。
 
高橋さんは11年間のプロ選手活動で得た心の持ち方などについて話した

高橋さんは11年間のプロ選手活動で得た心の持ち方などについて話した

 
質疑応答では生徒が次々に手を挙げ、高橋さんに質問。今後の人生を歩む上でのさまざまなヒントを得た

質疑応答では生徒が次々に手を挙げ、高橋さんに質問。今後の人生を歩む上でのさまざまなヒントを得た

 
 講話後、生徒から高橋さんにさまざまな質問があった。「プロ選手を目指す時に不安は?」「新チームでのコミュニケーションは?」「試合の緊張への対処法は?」…など、終了時間まで計12人が聞きたいことをぶつけた。1、2年のバスケ部員は「試合中は何を考えてプレーしている?」「シュートのスランプを脱出するには?」など、より専門的な質問で高橋さんのアドバイスを受けた。
 
 男子バスケ部を率いる大瀧流空主将(2年)は「自分も思うような結果が出なくて悩むことがある。原因を考える、人の話を聞く、次に備える…など今まであまり意識していなかった対処法を教えてもらった。大会も近いので、それに向けた練習に生かしていきたい」と高橋さんの言葉を心に刻んだ。
 
体育館で行われた実技の授業。ボールを使った各種メニューを体験した

体育館で行われた実技の授業。ボールを使った各種メニューを体験した

 
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高橋さんの指導で楽しく体を動かす生徒。たくさんの笑顔が広がった

 
 3年生はこの後、体育館に移動し、ボールを使った実技の授業を受けた。ドリブルやシュートを織り交ぜた各種ゲームに挑戦。高橋さんが生徒に助言しながら、判断力や瞬発力養成につながるプログラムを提供した。生徒らは楽しみながら体を動かし、仲間とのチームワークも培った。硬式野球部で活動してきた山﨑龍磨さん(3年)は「バスケの動きは野球とはまた違った体の使い方で楽しかった。講話では挫折を経験した時の対処法も聞けてためになった。今後の人生に役立てたい」と話した。
 
ボールを挟んでペアで向き合い、指示通りに動く。最後の合図でボールをゲットしたほうが勝ち

ボールを挟んでペアで向き合い、指示通りに動く。最後の合図でボールをゲットしたほうが勝ち

 
ドリブルをしながらジャンケン、「あっち向いてホイ!」も(写真右)

ドリブルをしながらジャンケン、「あっち向いてホイ!」も(写真右)

 
 近年は、東北出身のプロスポーツ選手が増え、目覚ましい活躍を見せる。前川心さん(3年)は「憧れを持っている人も多いと思う。高橋さんも言っていた、あきらめない心や継続する力を自分もまねしていきたい」と刺激を受けた様子。困難や挫折を乗り越え、仲間と協力して目標を達成するスポーツにも魅力を感じ、「社会人になったら中学時代にやっていたバドミントンをまた始めてみようかな」と生涯スポーツへの意欲も高めた。
 
2チームに分かれてシュート対決。仲間の声援を受けながら…

2チームに分かれてシュート対決。仲間の声援を受けながら…

 
高橋さんvs生徒、先生のフリースロー対決も!

高橋さんvs生徒、先生のフリースロー対決も!

 
 高橋さんが同プロジェクトで高校生への授業を行うのは本年度2校目。講話では生徒から次々に質問も出て、「(対話を通して)心の距離が縮まった感じ。実技でもみんな表情が良く、楽しんでもらえたよう」とやりがいを実感。生徒には「今を大事に!好きなことを見つけて、一生懸命取り組んで」とメッセージを送った。卒業後はそれぞれの進路を歩む高校生に対し、「夢や目標に向かって努力をし続けられる人になれるといい。まずは自分が打ち込めるものを見つけて努力する。若い時にしかできないことがあるので、ぜひいろいろなことに挑戦してほしい」と願った。
 
楽しい授業を思い出に高橋さんと記念撮影する3年生

楽しい授業を思い出に高橋さんと記念撮影する3年生

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