梅酒の原料に!青々としたウメの実を集荷 釜石地方梅栽培研究会 漬梅活用も進行


2026/06/25
釜石新聞NewS #地域

生産者が持ち込んだウメの実を計量する浜千鳥の社員ら

生産者が持ち込んだウメの実を計量する浜千鳥の社員ら

 
 釜石、大槌のウメ生産者や酒造会社、食品製造業者などでつくる釜石地方梅栽培研究会(前川訓章会長、33会員)は15日、本年度総会と集荷会を釜石市栗林町の砂子畑集会所さんあいセンターで開いた。今年は春先の開花期に気温が高く、ウメの生育は順調。梅酒の原料として地元の酒造会社浜千鳥(新里進社長)に提供しており、最終的な集荷量は約3トンを見込んでいる。
 
総会で情報交換しながら生産の安定化を図ることを確認した

総会で情報交換しながら生産の安定化を図ることを確認した

 
 総会には約20人が出席。事務局を務める浜千鳥によると、昨年度の青梅の集荷(期間:6月14日~7月10日)は2475キロで、前年度との比較では96%とほぼ同数だった。出荷者は13人。漬梅は1927キロ発生し、県内外で1072キロが再利用された。廃棄率は46%。会員の食品加工業、麻生三陸釜石工場(同市片岸町)でペースト状に加工し利用しているものの、全量を活用するには至っていない。研究会が「廃棄ゼロ」を目指す方針は変わらず、策を模索する。
 
 そうした中、昨年秋頃から会員の釜石振興開発(同市鈴子町)が「梅こうじ甘酒」(200グラム、税込み700円)を新たに発売。こうじ専門店(八幡平市)の甘酒と漬梅ペーストを組み合わせた一品で、漬梅特有の奥深い甘みと酸味、こうじが生み出す優しい味わいが売りだ。1.5倍~2倍に希釈し、冷たいドリンクとして楽しむのがお薦め。道の駅釜石仙人峠、特産店(シープラザ釜石2階)などで販売している。
 
釜石振興開発が販売する「梅こうじ甘酒」。夏場の熱中症対策にも「いい塩梅(あんばい)⁉」

釜石振興開発が販売する「梅こうじ甘酒」。夏場の熱中症対策にも「いい塩梅(あんばい)⁉」

 
 釜石振興開発の下川原繁夫さん(かまいし特産店店長)は「漬梅の消費につなげるのは、なかなか難しい。年に一つずつでも商品を開発したり、何かしら取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せた。
 
 役員改選もあり、前川会長(80)=栗林町、山崎元市副会長(76)=鵜住居町=が再選された。任期は2年。事業計画としては例年通り、来年1月にせん定や病害虫防除の講習会を開く。
 
丸々、青々。梅酒用に集荷された釜石市産のウメ

丸々、青々。梅酒用に集荷された釜石市産のウメ

 
 総会後はウメの実を集荷。丸々とした青緑の実でいっぱいになったかごが次々と軽ワゴン車に積み込まれた。この日、約70キロを持ち込んだ山崎副会長は「今年は雨が少なく生育が心配だったが、実りは順調」と感触を話す。昨年20本増やしたという鵜住居町の澤本昇太郎さん(73)は「(実が)つく木とつかない木があり、育てるのは本当に難しい。昨年は10キロだったが、それよりはよさそう」との見立て。浜千鳥では、こうした集荷を両市町で7月上旬まで続ける。
 
ウメの実の出来栄えを確かめる生産者「順調かな」

ウメの実の出来栄えを確かめる生産者「順調かな」

 
 ウメの実の収量はその年の気候のほか、地域によっても差がみられるようだ。降水量が平年よりやや少ないこともあってか、前川会長のほ場では実が大きくなる前に落下してしまったものも。自然相手の大変さに四苦八苦する。
 
 それでも前川会長は「育てたものを一手に買ってもらえるのは助かる」と話し、「できるうちは頑張る」と腕まくりする。遊休農地を活用した動きはみられるが、就農者の高齢化もあって進行度はゆっくりめ。「まずは現状維持。良いものをつくりながら、実の消費や活用についてみんなと知恵を出し合いたい」と先を見据えた。

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