わいわい思い出づくり!閉校予定の釜石・白山小 統合前に深める 友達、地域との絆

「じゃんけん列車」の遊びで交流を深める白山、平田小の児童たち=6月2日
2028年度末に閉校を予定している釜石市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童27人)で、同年代の友達や地域との新たな関係づくりにつながる取り組みが進められている。6月に行われた統合先の小学校との交流、地元の大先輩との触れ合い活動をのぞいてきた。
交流学習で仲良く 来春から通う平田小で

都道府県に関するクイズを楽しむ2校の4年生=6月2日
76年の歴史を刻む白山小は、市が学校規模の適正化として平田小(同市平田町)と統合する計画を発表している。来年4月に統合されるのを前に、児童同士が顔を合わせ、スムーズな合流につなげることを目的に交流活動を計画。6月2日、白山小児童が平田小(布田貢校長、児童144人)を訪れて交流学習を楽しみ、仲良くなった。
1年生から6年生までが学年ごとに分かれて活動。2時間目の授業と中休みを共に過ごした。1年生26人はじゃんけんの勝者を先頭に列をつくっていく遊びや好きなものを絵で描いたりしながら、自分のことを伝え合った。4年生36人はドッジボールで歓声を上げ、平田小児童が考えた都道府県クイズで頭を働かせながら共に学ぶ楽しさを味わった。

ボール遊びやお絵描きをしながら仲良くなる1年生

白山小の友達を歓迎して会話を楽しむ平田小の児童たち
平田小1年の久保梓さんは、就学前に一緒のこども園に通った白山小の佐々木洸慎さんと再会し大感激。そばで気にかけてくれる存在がいることを感じた佐々木さんは「うれしい」とうなずき、「ありがとう」と伝えていた。
白山小4年の平野玄晟さんは「みんな優しかったし、話しやすかった。新しい友達ができた。来年からここで勉強したりするのが楽しみ」とワクワク感を漂わせた。相手が分かりやすいように伝えようと交流学習の準備を進めたと話す平田小の鎌田多(もあ)さんは「緊張したけど、一緒に体を動かしたりして楽しくなった。分からないことがあったら進んで教えたい」と心待ちにしていた。

大好きな友達との再会を喜ぶ顔もあったり

「またなー」と約束をし合ったりする姿も
帰り際には「またなー」と声をかけ合い、ハイタッチする子どもらの姿も。次回の直接対面は9月を予定し、その間にはオンラインでの授業交流も続ける。5、6年生は修学旅行の日程や行き先が同じだったことから、交流の時間を設けて友好を深めた。
子どもたちの明るい雰囲気を見守った両校の校長にも笑顔が伝ぱ。白山小の鈴木校長(56)は「少人数の学校だった子たちがスムーズに打ち解けられるか、正直不安もあったが、受け入れの準備を整えてくれていたのが感じられ、うれしかった。子どもたちにとっても互いに、いい意味で刺激になっただろう」と相好を崩した。平田小の布田校長(55)も「一緒になるという意識をつくる機会。平田の子たちが受け入れるという気持ちを持てたのも大きい成果」と実感を込めた。

「子どもたちのために」と力を合わせる白山小の鈴木慎校長(左)、平田小の布田貢校長
「子どもたちにとって、いい形の統合となるのが一番」。2人の校長は思いを同じくする。ともに大船渡で中学、高校時代、野球に打ち込んだ先輩後輩の間柄。「気心を知れる仲」「言いたいことを伝えられる関係」は今も変わらぬようで、両校で連携しながら新たな学校生活に向けた関係づくりを深めていく。
白山の好きなところは…「トークフォークダンス」で住民と語り合い

27のお題で、児童と大人がそれぞれ熱心に語り合った=6月15日
白山小の児童と近隣住民が輪になって向かい合い、相手を変えながらお題を踏まえて語り合う「トークフォークダンス」という催しは15日、同校体育館であった。地域との関わりが深いのが特徴だったが、閉校により来春には対面活動はなくなる。そこで、地域に住む人同士として交流することで「仲良くなるきっかけに」と学校側が企画した。
トークフォークダンスは、対面した人が1対1でそれぞれ1~2分間、お題をもとに語り合うのが定型スタイルという。この日は同校の全校児童27人と、60~80代の近隣住民21人に教職員が加わって向き合い、「休みの日に何をしているか」「宝物は」などのお題について答えを伝え合った。

懸命に伝え、話を聞いたり子どもたちの姿に大人の顔はほころぶ
児童にとっては初対面という人も多く、初めは緊張した様子だったが、徐々に打ち解け、フォークダンスのように相手を変えて語り合うことを楽しんでいた。「白山小の好きなところ」というお題では「みんな仲良し」と子どもが答えると、「そうだね」と大人も同調。27個目のお題は「『ありがとう』を一番伝えたい人」についてだった。友達や家族といった声が多い中、「白山小」と返した子がいたようで、聞いた大人たちは感慨にふけった。
5年の小山結凪さんは「いろんな話を聞けて楽しかった。地域の人との関わりをこれからも大事にしたい」とはにかんだ。同校のすぐそばで暮らす小原みよしさん(83)は「子どもたちから元気をもらっている。学校から聞こえる声、毎日見ていた姿が見えなくなると思うと、少し不安な気持ちになる。でも、きょうはいろいろと話せてうれしかった。みんなは変わらず、元気のもと」と目尻を下げた。

トークフォークダンスで世代を超えた語り合いを楽しんだ児童と地域の大人
閉校に向けた活動は今後も続く。各年代の卒業生の話を聞いて学校の歴史を振り返り、全校で取り組む遠足やマラソン大会などで学区内をめぐり改めて地元を知る機会にする。友達との絆、学校や地域への感謝を届ける学習発表会も予定。「最後の一年」も、「魅力ある白山小学校」を発信する。

釜石新聞NewS
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