ホタル舞う里 復活願い 釜石・小川川の支流水路で餌のカワニナ放流 地道に、成果も

釜石市小川町に整備された水路にカワニナを放流する子どもたち
釜石市の中小川町内会(佐々木正雪会長)は14日、ゲンジボタルの生息地を守ろうと地域を流れる小川川支流の水路で、餌となる巻き貝「カワニナ」の放流会を開いた。参加者は多くのホタルが舞ったかつての美しい風景の復活を願い、手分けして緩やかな流れの中に放った。
小川川の支流から分岐させる形で、同町内会が旧小川小の敷地の一角に整備した水路で開催し、親子連れら約40人が参加した。かまいしホタル友の会の臼澤良一会長(77)がカワニナとホタルの生態や自然環境の重要性を説明。「どちらもきれいな水、土、空気、草がなければ育たない」と強調し、「1匹のホタルがいる。それは自然が残っていることで貴重なこと。地域の人たちが守る宝を一緒に大切にしてほしい」と呼びかけた。

放流の前に活動紹介やホタルの話を聞き、地域の歌で声を合わせた

参加者は中小川町内会の会員からカワニナを分けてもらい放流の準備
カワニナは、町内会の会員たちが事前に小川川上流で採集。子どもらは小さなバケツに入れてもらったカワニナを興味深そうに触ったり観察してから、約1800匹を澄んだ水の中に放った。

ホタルの餌なの?興味津々にカワニナを触る子どもたち

カワニナを放って観察。「ホタル、見られるといいね」
生き物が好きな同市の小学生、澤田紡希さん(9)は友達に誘われて初めて参加した。「ここでホタルが見られることを知らなかった。カワニナを食べて増えたらいい。飛んでいるところを見に来たい」と期待。母の友紀さん(42)は「(ホタルが)どう成長し、光るのか、イメージができた。参加することで子どもたちが自然を大事にする気持ちを育んでくれたらいい」と目を細めた。
放流会は5回目。同町内会によると、かつて小川川流域では走行中の車のフロントガラスに当たるほど無数のホタルが乱舞し、多くの見物客が訪れる「ホタルの里」として知られた。しかし、東日本大震災後は仮設住宅整備など環境変化の影響を受けたのか、ホタルの生息数が減少。カワニナ自体が減っていることも分かった。そこで、再び増やそうと地域ぐるみで活動を開始。佐々木会長(76)の自宅などでカワニナを繁殖し、小川川本流の通称「ワッカラ淵」と呼ばれる中流域で放流を続けてきた。

放流も採取も!参加者は生き物との触れ合いを楽しんだ
この日の放流地について、地元では「ホタル水路」と呼ぶ人もいるとか。数年前からカワニナを放ち、湿地などで見られるショウブやクリンソウなども持ち込み、ホタルが生育しやすい環境づくりに力を注ぐ。そのかいもあってか、6月下旬頃からホタルが見せる淡い光を確認することができ、その数は「年々増えている」と住民らは声をそろえる。
佐々木会長は「人の生活の近くで見られるのは珍しい」と、地道な活動の確かな手応えを仲間と共有する。放流会に子どもが多く参加してくれたとうれしそうに話し、「震災前の光景を復活させたい。ホタルの里をもっと地域にしみ込ませ、みんなの取り組みとして絶やさずに続けたい」と望む。

カワニナを放流した水路(左)と並行して小川川の本流(右端)がある
この水路では、想定外のヘイケボタルが出現しているのだとか。目当てのゲンジボタルは、水路に並行し流れる小川川本流で多く見られるという。ゲンジとヘイケ、2種の共演を楽しめる可能性も加わり、流域の魅力が向上。飛び方や光り方などの違いを話す佐々木会長は「両方をぜひ見に来て」とニヤリと笑った。
ホタルの発光は例年6月下旬~7月上旬。イベントとして観察会は行っていないが、近くの住民が様子を見守る。7月5日には「ほたるの里まつり」を予定。地元芸能団体による歌や舞踊、しし踊りが披露され、餅まきも行う。

釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム











