地域の米づくり学び46年 白山小児童が最後の田植え学習 講師の藤井さん「名残惜しい」

白山小伝統の稲作学習で田植えに挑戦した児童=26日、上小川
釜石市の白山小(鈴木慎校長、児童27人)の3~6年生21人は26日、同校伝統の稲作学習で田植えを行った。本年度で閉校する同校にとって最後の体験学習。長年、苗や体験の場を提供し、児童らの学習を支えてきた農家の藤井茂さん(86)も「名残惜しいなー」としみじみ。児童らは貴重な体験を心に刻み、秋の豊作を期待した。11月に予定する収穫祭では、餅つきをして同学習を締めくくる予定。
同校児童の体験学習の場は甲子町上小川、日向ダム下流域で農業を営む藤井さんの田んぼ。嬉石町の学校からバスで訪れた児童らは田んぼに入る準備を整えた後、藤井さんや、藤井さんとともに同校の学習をサポートしてきた大船渡農業改良普及センターの職員2人にあいさつした。
今年、児童らが植えるのは本県オリジナル水稲品種の「どんぴしゃり」。稲が倒れにくく、冷害や病気に強い品種だ。苗を分けてもらった児童らはあぜ道から泥田に足を踏み入れた。同センター地域指導課の高橋勇気技師から「苗を3~4本取って3本指で植え付けて。奥まで入れないと根が張りにくくなってしまうので丁寧に」とアドバイスを受けた。

一列に並び、田植え開始。泥の感触も楽しみながら…

苗が倒れないように植え付けはしっかりと。「お米がたくさんとれるといいな」
児童らは藤井さんが付けてくれたます目の線に沿って苗を植え付けていった。経験を積んできた5、6年生は手慣れた様子で、徐々にスピードアップ。初めての3年生は泥に足を取られながらも懸命に作業し、約4アールの田んぼは予定時間より早く青苗で埋まった。

あぜ道から放られた追加の苗をキャッチ。手植えの楽しみの一つ

5、6年生はさすがの腕前!?。きれいな列の青苗が並ぶ
3年の佐々木那海さんは「泥から足を抜くのが大変だった。でも、植えるの楽しい」とにっこり。農家の苦労も感じた様子で、「お米を育ててくれる人たちの気持ちも考えて大切に食べたい」と話す。同校での最初で最後の田植え体験となったが、「機会があったら、またやってみたい」と望んだ。4年の松本航汰さんは「昨年以上に楽しくできた」と2年目の余裕!?。「今年で終わるのはやっぱり寂しい。もっとやりたいな」と残念な気持ちも。農業にも興味が湧いたようで、「お米を育ててみたい」と関心を示した。

新緑がまぶしい山々に囲まれた田んぼ。写真左上に見えるのが日向ダム
同校の稲作学習は1979(昭和54)年にスタート。学校敷地内に“白山水田”を設け、田植えから収穫まで一連の作業を体験してきた。水の管理などが難しくなり、現6年生が3年時に学習を始めた年から藤井さん所有の田んぼに体験の場を移した。藤井さんは同校が現在地に移転する前から学習に協力。最初は苗の提供だけだったが、後に講師として招かれるようになり、田植えや稲刈り、脱穀などの実技指導を行ってきた。

白山小の稲作学習を支えてきた藤井茂さん(手前右)。人生の約半分を同校に協力
「40年以上もよく務まったなあと思ってね。早いもんだ」と藤井さん。学校にあった田んぼでやっていた時は「実った米をスズメに食べられて収穫できなかった年も。田んぼの水は水道で確保していたので苦労した」と振り返る。それでも子どもたちとの触れ合いは自身の元気の源にもなっていたようで、育んできた絆を宝物にする。「統合した学校でもこの伝統を引き継いでくれたらいいがねぇ」。ちょっぴり期待しつつ、まずは今秋の収穫までの栽培管理に力を注ぎたい考え、
同センターの高橋技師は「地元農家の理解と協力があって続けてこられたのだと思う。農家の減少が続く中、こういう機会を通じて農業に関心を持つ人が少しでも増えれば」と願った。

田んぼで見つけたアカハライモリ(写真右下)を観察。田植えでは水辺の生き物との出会いも

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