劇団もしょこむ10周年 集大成のコメディー劇21、22日公演 個性際立つ役が勢ぞろい!


2026/02/17
釜石新聞NewS #地域

10周年公演に向け、稽古に励む「劇団もしょこむ」のメンバー/9日夜、青葉ビル

10周年公演に向け、稽古に励む「劇団もしょこむ」のメンバー/9日夜、青葉ビル

 
 釜石市在住、ゆかりのメンバーが東日本大震災後に立ち上げた「劇団もしょこむ」(小笠原景子代表)が21、22の両日、市民ホールTETTOで10周年公演を行う。2015年3月の旗揚げ公演から9作目となる今作は、「もし夜が来なくても、夢を見る。」と題したコメディー劇。10~50代の男女8人が個性豊かな役で物語を展開する。本番を前に出演者らは熱のこもった稽古を続け、「10年の集大成をぜひ見てほしい」と多くの来場を呼びかける。
 
 脚本は大槌町在住のライター、たておきちはるさんが手掛けた。物語の舞台は“いわくつき”のシェアハウス「神木須館(ジンギスカン)」。“クセ者”ぞろいの住人たちが日常を送るが、実はそこには隠された大きな秘密が…。執筆を依頼するにあたり、「もしょこむの過去作品で思い入れのある要素を伝え、ふんだんに散りばめてもらった」と小笠原代表(41)。「クスッ」と笑える場面が多く、子どもから大人まで幅広く楽しんでもらえる内容だという。
 
過去作品をほうふつとさせる登場人物も。枕を持つのは確か…あの回にも?

過去作品をほうふつとさせる登場人物も。枕を持つのは確か…あの回にも?

 
出演者も「演じていて楽しい」と話すコメディー劇。乞うご期待!

出演者も「演じていて楽しい」と話すコメディー劇。乞うご期待!

 
 10周年公演は昨年6月に構想。脚本(台本)が完成した11月から稽古を開始し、週2回、学業や仕事が終わった夜に演技の練習を重ねてきた。登場人物の要「コースケ」を演じる山口孝太郎さん(34)は第2子の誕生もあり、「練習時間のやりくりが難しかったが、(仕事や子育ての合間の)短い時間を使い、セリフを覚えたり動きを合わせたりした」という。東京都出身、2017年に同市に移住し、18年の同劇団3作目で役者デビュー。今作で6回目の出演となる。演劇を通じて「友だちや知り合いも増えた。もしょこむは人生の大きな財産」と山口さん。「これまで応援してくれた方、初めて見る方、いろいろな人に満足してもらえる作品にしたい。笑いあり、感動ありのあっという間の1時間。気軽に見に来て」とアピールする。
 
役者の夢をあきらめ、ぐうたらな生活を送る「コースケ」を演じる山口孝太郎さん。劇中でアフロヘアから一転、短髪に…。変身の訳は?(公演で!)

役者の夢をあきらめ、ぐうたらな生活を送る「コースケ」を演じる山口孝太郎さん。劇中でアフロヘアから一転、短髪に…。変身の訳は?(公演で!)

 
本番まであとわずか。通し稽古で細かな部分を最終チェック

本番まであとわずか。通し稽古で細かな部分を最終チェック

 
 今回の出演者で唯一の高校生、森美惠さん(18)は同劇団公演初出演。中学2年時から釜石市民劇場など地元開催の舞台に出演を続け、昨春、開校した釜石初のタレント養成所「C-Zeroアカデミー」では演技に必要な基礎的知識や技能を学んできた。今回は「今までに演じたことのない感情の起伏が激しい役」で、役づくりに苦戦しつつも、「現代劇は初めてなので新鮮」と新たな環境と作品を楽しむ。同アカデミーで学んだ日本語の発音技術はセリフの言い回しや滑舌に役立っているという。今春、進学で釜石を離れる。自身の地元演劇の集大成ともなる出演。「もしょこむの世界観に合った演技で作品を盛り上げたい。演劇をやっている他の子たちの刺激にもなれば」と意気込む。
 
もしょこむの舞台、初出演となる森美惠さん。これまでの演劇経験が生きる演技力を発揮

もしょこむの舞台、初出演となる森美惠さん。これまでの演劇経験が生きる演技力を発揮

 
 劇団もしょこむは震災復興のさなかで誕生。「被災地でも芝居がしたい」「演劇で釜石を元気に」との思いから、釜石出身・在住者、市外からの復興支援者らで2015年2月に立ち上げた。劇団名は発足当時のメンバーの名前の頭文字を組み合わせた造語。1カ月後の旗揚げ公演は平田の仮設団地内で行った。震災で両親を亡くし、仮設住宅に暮らす姉妹が悲しみや不安など心の葛藤を抱えながら、懸命に前を向いて生きる姿を描いた。被災者の共感を呼び、その後、県内外の公演で被災地の“今”を発信した。
 
 2作目以降は17年から、ほぼ年1回のペースで公演。コロナ禍で活動休止を余儀なくされた時期もあったが、ジャンルにとらわれない自由な発想で独自の芝居を作り上げ、観客を楽しませてきた。本公演のほか、市内のイベントとタイアップしたミニ公演、演劇ワークショップなども行い、活動の幅を広げている。
 
個性際立つキャラクターが繰り広げる「夢」にまつわる物語。心を一つに本番へ…

個性際立つキャラクターが繰り広げる「夢」にまつわる物語。心を一つに本番へ…

 
 根底にあるのは「誰でもどこでも、演劇に挑戦できる文化がもっと広がってほしい」との願い。コメディーを取り入れ、回を重ねるごとに子どもたちの観劇、笑顔が増え、「次の世代に何かを残したい。つないでいくためにも子どもたちが演劇に触れる機会を増やしていきたい」(小笠原代表)と強く思うようになった。初演から高校生以下の観劇を無料としているのも「演劇は身近なもの」と感じてほしいから。
 
 宮古市で子どもたちの演劇指導も手がける小笠原代表は「演劇はコミュニケーション能力向上のほか、異年代の人たちが意見を出し合い、一つの作品に向かって力を合わせるという面で子どもたちにもいい変化をもたらしている」と実感。「沿岸部の演劇シーンが盛り上がってきている」のも感じていて、今後、「互いに交流し、刺激し合いながら沿岸の演劇文化を盛り上げていければ」との夢も描く。
 
演出も担当する劇団代表の小笠原景子さん(左)。今作は役者としても舞台に立つ。劇団創設メンバーの一人

演出も担当する劇団代表の小笠原景子さん(左)。今作は役者としても舞台に立つ。劇団創設メンバーの一人

 
この後の物語の展開は公演でのお楽しみ。シェアハウスの秘密とは??

この後の物語の展開は公演でのお楽しみ。シェアハウスの秘密とは??

 
 10年の歩みに思いをはせながら、出演者、観客ともに楽しい時間となりそうな集大成公演。21日(土)は午後7時から、22日(日)は午後1時からと午後4時からと、計3回公演する。会場は同劇団初となるTETTOのホールA。前売り券は1500円で、TETTO窓口で販売中。当日券は2000円。高校生以下は無料。詳しい情報は
劇団もしょこむのSNS(フェイスブック、インスタグラム、エックス)で発信中。

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