2025年度がスタート 釜石大槌の若き消防士6人「地域守る」 決意胸に新たな一歩
制服、制帽を身に着け、気を引き締める新採用の消防士
新年度がスタートした1日、釜石大槌地区行政事務組合消防本部では新採用の消防士6人に辞令が交付された。駒林博之消防長からの激励に応え、ビシッと敬礼。「災害から地域を守っていく」との決意を胸に、新たな一歩を踏み出した。
釜石市鈴子町の同本部・釜石消防署で辞令交付式があり、駒林消防長が訓示。2月に発生した大船渡市の大規模山林火災で、同本部は岩手県内の相互応援隊として隊員を派遣し、連日、各地の隊員と力を合わせ消火活動に当たった。「消防の業務は集団行動。訓練を通じて知識や技術を習得しながら仲間との結束力も高め、実際の現場で動けるよう取り組んでほしい」と背中を押した。
釜石大槌地区行政事務組合消防本部で行われた辞令交付式
新規採用を含めた職員らを前に訓示する駒林博之消防長
新職員を代表して岩間雄史さん(22)が宣誓書を読み上げ、「消防の目的や任務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務の遂行に当たります」と決意を込めた。
新採用職員を代表して宣誓書を読み上げる岩間雄史さん(手前)
岩間さんは浜町出身。小学2年生の頃に経験した東日本大震災をきっかけに「地域の文化や自然を災害から守りたい」と消防士を志した。大船渡の山林火災で全国の消防士と連携して広範囲の消火活動に当たった先輩たちの姿に、素直に「かっこいい」と憧れを抱く。「現場は大変なこともあると思うが、自分もしっかり活動できるよう努力し、地域に貢献したい」と背筋を伸ばした。
「地域のために」。辞令を手に前を向く若き消防士たち
6人は、釜石、大槌ゆかりの18~22歳。震災の経験や身近にいる消防士の存在が、この道につながった。4月7日に県消防学校(矢巾町)に入校。半年間、初任教育を受け、人命と地域の暮らしを守るための訓練に励む。その後、10月から消防署などで実際に勤務する。

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