地域まるごとサポーター!認知症見守りへ 釜石・栗橋地区住民有志 チーム結成
認知症の人や家族を支える「チームオレンジ くりはし」のメンバー
釜石市の栗橋地区(栗林町、橋野町)の住民有志は12日、認知症の人やその家族を支える活動に取り組む「チームオレンジ くりはし」を結成した。もともと地域の団結力が強く、根づく住民同士の見守り、支え合いの風土を生かす。各種講座を受けて理解を深めたメンバーが、それぞれ自主的に取り組んできた活動をさらに前進。認知症に関わらず、「共生」の地域づくりを目指す。
同地区には、486世帯986人(2月末現在)が暮らす。昨年秋頃にチームづくりの機運が高まり、認知症サポーター養成講座とステップアップ講座を順次開催。延べ167人が修了している。
結成式は栗林町の砂子畑さんあいセンターで開催。10~90代の約60人が参加し、認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色のリングを受け取った。栗林、橋野それぞれにリーダーは置くが、メンバー各自が「地域まるごと認知症サポーター」として隣近所での見守り合いを継続。栗橋地区生活応援センターや市社会福祉協議会と連携し、認知症カフェの開催なども予定する。
各地区のリーダーからオレンジリングを受け取るメンバー
栗林地区リーダーの小笠原サキ子さん(74)は、親の介護のため7年前に古里に戻った。その頃から地域にチームオレンジをつくる目標を持っていたといい、「結成は結果で、これまでのプロセスや住民の気持ちの動きが大事」と深く感じ入った様子。若い世代の参加もうれしい動きで、「世代が違っても気持ちがつながっていればいい。その輪を広げていきたい」と思いを深めた。
橋野地区リーダーの菊池信子さん(73)は「表情が気になる人がいたら声をかけている。経験者の話も聞きながら活動していきたい」と話した。百歳体操、グラウンドゴルフ、お茶っこ会などの集まりは継続。停滞しているという老人会の活動を見直したり、季節の植物を地域で楽しむ機会を増やしたい考えだ。
「地域みんなが顔見知り」。普段のつながりを活動に生かす
市内では鵜住居、小佐野、唐丹地区に続き4番目の結成となった。栗橋地区生活応援センターの二本松由美子所長は「支え合い文化が根づいた地域で、ゼロからのスタートでない。これまでの支え合いの延長線として考えてもらえたら」と、緩やかな視点での活動を期待した。

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