趣味の作品集まれ~ 中妻公民館に展示コーナーお目見え 地域交流、来館促進、達人発掘も?
中妻公民館でスタートした「みんなの作品展」=18日
釜石市上中島町の中妻公民館(中妻地区生活応援センター、小山田富美子所長兼館長)は3月から、地区住民が誰でも出品可能な「みんなの作品展」を始めた。趣味で創作している人、こども園や学校、サークルなど個人、団体、年代を問わず作品を募集。1カ月単位で展示期間を設け、毎月継続していく。「住民が地域とつながるきっかけに」と作品提供を呼び掛ける。
3月の展示は18日から開始。中妻地区に住む高齢者ら男女3人が作品を寄せている。一枚板をくりぬいてさまざまな模様を施した木工の壁掛け、切り絵、和紙人形、羽子板、パッチワークなど16点が並ぶ。いずれも趣味で創作しているもので、これまで多くの人の目に触れる機会のなかった作品だ。
同館を利用する女性は「初めて見る作品も。地域にこういうのを作っている人がいるのは知らなかった。素晴らしい」と驚いた様子。自身も創作活動に興味があり、「何か開拓しようかなと思っていたところ。いろいろ見ながらやりたいことを見つけたい」と刺激を受けていた。
パッチワーク、切り絵、和紙細工… 作者の思いが詰まった作品が並ぶ
木工細工の壁掛けは商品のような仕上がり。部屋を素敵に彩りそう
同地区には震災後、復興住宅が建設され、他地区からの移住者が増えた。住民には高齢者も多く、同館では引きこもり防止策の一助にと体操やゲーム、健康相談、昼食会などサロン活動を定期的に開催するが、「なかなか足を運べない」「人が集まる場は苦手」という人もいる。そういう人でも地域とのつながりを持てればと考えたのが「みんなの作品展」。話を聞くと、自宅で物作りを楽しむ人は意外と多く、作品を通して新たな交流が生まれるのではないかと常設の展示コーナーを設けることにした。
来館者も初めて見る作品に興味津々。制作過程が気になる
菊池洋範所長補佐は「作品を持ち寄ることで外出のきっかけになったり、作品を楽しみに気軽に公民館へ来てもらったり。制作者、来館者双方にいい効果があれば」と期待。同館では今のところ、定期的に活動するような制作系のサークルはなく、「こうした展示を機に新たなサークル活動に発展することもあるかも。人と人との輪がさらに広がっていけばうれしい」と今後を思い描く。
作品展示を希望する方は中妻公民館(電話0193・23・5543)まで連絡を。なお、3月の展示は4月17日までを予定する。
作品展は入り口近くのロビーで開催中。今後、展示の仕方も工夫する予定

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