賃上げ拡充、職場環境改善、平和実現…へ 5/1「メーデー」 釜石地区の労働者ら2集会で訴え
釜石市内で開かれたメーデー集会(写真上:連合岩手系、写真下:いわて労連系)
メーデーの1日、釜石市内ではいわて労連系と連合岩手系の第95回地区集会がそれぞれ開かれた。円安、物価上昇、平和を脅かす世界情勢で暮らしの不安が増大する中、非正規を含む労働者の賃上げ、長時間勤務やハラスメントのない労働環境の実現などを目指し、声を上げた。集会後は中心市街地でデモ行進も行い、要求実現への強い思いをアピールした。
釜石地方労働組合連合会 第95回メーデー釜石地区集会=1日午前
釜石地方労働組合連合会のメーデー集会は1日午前、大町の市民ホールTETTO前広場で行われた。釜石、大槌、遠野3市町の医療、自治体の職員労組、年金者組合など8団体から約40人が参加した。
木下大輝実行委員長(全医労釜石支部書記長)は「働く人たちを取り巻く状況は悪化の一途をたどっている。物価高、終わりの見えない戦争…。今日集まった全員で、より良い社会をつくるために声を上げていきたい」とあいさつ。来賓の日本共産党岩手県東部地区委員会の深澤寿郎委員長は昨年、県内外で行われた医療労組のストライキについて「戦ってこそ権利が守られる」、釜石市平和委員会の岩鼻美奈子会長は2015年から釜石駅前で継続する反戦行動、市内の医療機能低下などに触れ、「現役労働者が力をつけていかないと時代は変わらない」と述べた。
県医労釜石病院支部、釜石市職労など4団体が連帯の決意表明。物価上昇を上回る大幅賃上げと全国最下位の本県最低賃金の抜本的な引き上げ、長時間労働や格差の是正、軍事費増額や殺傷兵器輸出解禁など軍拡への反対―を求め、団結するメーデー宣言を採択した。参加者は横断幕やプラカードを掲げ、大町から大渡町をデモ行進した。
集会ではプラカードコンテストも実施。3団体に賞が贈られた
デモ行進し、生活改善や平和実現を訴える釜石地方労連集会の参加者
木下実行委員長は「賃上げも物価高には追い付いていない状況。このまま労働者の負担が増え続けると子育て世代はさらに厳しい。本県では医療現場の人手不足も深刻。働く現役世代の訴えをしっかり届けなければ」と話した。
連合岩手釜石・遠野地域協議会 第95回釜石地区メーデー集会=1日夕
連合岩手釜石・遠野地域協議会のメーデー集会は1日夕、大町の釜石PITで開かれ、県職労、岩教組、民間企業各労組など15組合から約90人が参加した。小島安友実行委員長(日本製鉄釜石労組)は「今年の春闘では、連合の中間集計で5.77%の賃上げがあったとされる。加えて、(4月から)医師や建設、運送業従事者に対しても残業(時間外労働)規制が始まった。深刻な人手不足で事業継続さえ危ぶまれる中で、人が辞めないような働き方を進める必要がある。より良い暮らしを求めるため、われわれは声を上げ続けていかねばならない」とあいさつした。
来賓が紹介され、代表して大久保隆規県議(釜石選挙区)があいさつ。「自治権の7割は国が握っているのが実態。地域だけの努力では大きな課題解決に向かわないのではないか」と、政治を動かす必要性を示した。
今春闘の賃上げの勢いを中小企業の組合などに波及させること、働く者・生活者の立場に立った政治勢力の結集・拡大を目指すこと、石川県能登半島地震の早期復旧・復興への被災地支援活動―などを盛り込んだメーデー宣言を採択。団結「ガンバロウ」を三唱し結束を図った。会場ではお楽しみ抽選会、被災地支援の募金も行われた。
決起集会では参加15組合が決意表明を行った
組合旗や風船を手に大町周辺をパレードする連合釜石・遠野地域協集会の参加者
決起集会で各労組が決意表明を行い、約7年ぶりにパレード(デモ行進)も実施。全ての労働者の処遇改善、ジェンダー平等の実現、暮らしの底上げ強化など安心社会の実現へシュプレヒコールを繰り返した。
釜石新聞NewS
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