受験生、挑戦者を応援「すべらない砂」 JR釜石駅で配布 合格祈願神社で“神頼み”も


2024/01/11
釜石新聞NewS #地域

JR釜石駅で配布している受験応援グッズ「すべらない砂」

JR釜石駅で配布している受験応援グッズ「すべらない砂」

 
 高校や大学の入学試験の時期に合わせ、JR釜石駅で袋詰めされた験担ぎグッズ「すべらない砂」が配られている。改札口付近にお目見えした手製の「合格祈願神社」で、誰でも自由に入手可能。「絶対合格!」と、備えられた振り鈴を鳴らして手を合わせる姿も見られる。
  
 砂は列車が坂道を走行する際、車輪が空転しないよう車体から線路にまく。この「すべらないように」とした工夫にちなみ、20年近く配布を続ける。毎年、受験生やその家族らが砂をもらうために駅を訪れるといい、この時期の取り組みとして定着している。
 
改札口付近に設置された合格祈願神社(右)

改札口付近に設置された合格祈願神社(右)

 
駅員と清掃を担うグループ会社の職員が手作り

駅員と清掃を担うグループ会社の職員が手作り

 
 今年も市内の神社でおはらいした砂と、合格特急券と表した片道切符を袋詰め。切符のデザインは、昨年末に運行が始まったJR東日本の観光列車「ひなび(陽旅)」をイメージした白と赤の2色づかいに新調した。1000個を用意。3月上旬まで無料で持ち帰ることができる。
 
「ひなび」仕様のデザインになった切符と砂を袋詰め

「ひなび」仕様のデザインになった切符と砂を袋詰め

 
 高校受験を控えた盛岡市の山本大豪(だいご)さん(見前南中3年)は7日に “お守り”をゲット。「油断せずに、でもいつも通りに過ごしたい」と気持ちを落ち着かせた。母親の圭織さん(37)は「とにかく神頼み」と神社に向かって熱心に手を合わせた。姉の彩華さん(紫波総合高3年)は、自転車競技に打ち込み競輪選手を目指す彼氏のために砂を入手。「夢を応援したいし、安全に競技を続けられるように」と大切そうに服のポケットにしまい込んだ。
 
「絶対合格」。願いを込めて手を合わせる人の姿も

「絶対合格」。願いを込めて手を合わせる人の姿も

 
 頑張る人、挑戦する人の力になれば―。そう思いを込めて袋詰め作業に取り組んだのは同駅で窓口業務などを担当する三國和馬さん(28)。「受験はもちろん、何かチャレンジしてみようと考えていたら、手に取ってほしい。少しでも前向きな気持ちでその場に臨めるようになったらいい」と願った。
 
受験応援グッズを紹介する三國和馬さんも挑戦を控える

受験応援グッズを紹介する三國和馬さんも挑戦を控える

 
 自身は今月下旬ごろから初の海外生活に挑む。ベトナムに2カ月滞在し、会社からのミッションをこなす研修を控え、期待と不安が入り混じった状態。視野を広げ、語学力や積極性を身に付けたいと目標を掲げていて、実現に向け「一緒に頑張りましょう」と呼びかける。

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