励まし支え合って30年 釜石・ボランティア連絡協 交流会で英気蓄え「活動続行!」


2023/12/20
釜石新聞NewS #地域

結成30周年記念交流会を楽しむ釜石のボランティアら

結成30周年記念交流会を楽しむ釜石のボランティアら

 
 釜石市ボランティア連絡協議会(久保道子、中川カヨ子共同代表)が結成30周年を迎えた。市内で開かれるイベントの運営などで力を合わせたり、市外の団体と交流したり、多様な活動を展開。新型コロナウイルス感染症などの影響で控えていた顔を合わせた活動が徐々に再開される中、構成団体のメンバーたちは奉仕の心を大切にした活動の継続へ気持ちを新たにしている。
 
 同協議会は、1992年の三陸海の博覧会で市内の女性団体がおもてなしを担当したことをきっかけに93年に結成。ボランティア団体の相互の情報交換や連携を目的にし、市社会福祉協議会が事務局を担う。本年度は13団体246人で構成。活動内容は花壇整備や防災活動、手話学習、高齢者家事援助、子育て支援、傾聴など多岐にわたる。
 
 10日、記念の交流会を上中島町の中妻公民館で催し、約60人が日ごろの活動を紹介し合いながら節目を祝った。久保共同代表(釜石地区更生保護女性の会会長)は「この30年、東日本大震災やコロナの感染拡大など、さまざまな困難や苦労もあったと思う。それでも長い間、先輩方の思いをつなぎながら活動を続けてこられたことに感謝の気持ちでいっぱい。お互いに感謝とねぎらいの時間を過ごし、今後の活動の励みとしましょう」とあいさつ。来賓の吉田守実・岩手県ボランティア団体連絡協議会長が祝辞を述べた。
 
開会式であいさつする久保道子共同代表(左)、来賓の吉田守実会長

開会式であいさつする久保道子共同代表(左)、来賓の吉田守実会長

 
人形劇団どっこいしょKが活動紹介。こちらも結成30年

人形劇団どっこいしょKが活動紹介。こちらも結成30年

 
 協議会と同じく結成30周年の「生きがい人形劇どっこいしょK」(千葉勝美座長)が活動紹介。「孤立したキツネ~引きこもり編」と題した演目で、震災で職を失って帰郷し、引きこもりがちになった男性を公的支援につなぐ物語。終盤、音響トラブルが発生したが、団員の菊地恵美子さん(93)がマイクを手に舞台から顔を出し、団体の歴史を話して場をつないだ。
 
途中でトラブルが起きても慌てず場をつなぐ菊地恵美子さん

途中でトラブルが起きても慌てず場をつなぐ菊地恵美子さん

 
 劇団は岩手高齢者大学釜石校の人形クラブを母体に同窓生、OB有志で93年に結成された。脚本づくりから人形や道具の制作、音声、舞台設営まで全て団員が手作りし運営。地域の民話を題材にしたり、保健所と協働で認知症や心の病などをテーマにした演目を市内外の福祉施設、保育施設、講演会などで上演してきた。震災では浜町で保管していた人形などを失ったが、数カ月後に活動を再開。会員9人のうち4人が90代だが、今なお現役で活動する。
 
 コロナ下で3年間活動ができず、団員たちは久しぶりのお披露目に気合が入った。菊地さんも、普段使っているつえを手放しキビキビ歩いて元気満々。「ボランティアは社会にとって大事で、愛と信頼関係がなければ続かない。仲間に感謝。皆さんもお互いに励まし、支え合っていきましょう」と通る声で呼びかけた。
 
団員の平均年齢は90歳超。「生き生きと楽しく」がモットー

団員の平均年齢は90歳超。「生き生きと楽しく」がモットー

 
“お元気シニア”の代表格どっこいしょKの劇に見入る参加者

“お元気シニア”の代表格どっこいしょKの劇に見入る参加者

 
 昼食の時間には、協議会結成のきっかけとなった三陸博の映像や写真資料などがスクリーンに映し出され、参加者が懐かしそうに視聴。そのほか、紙芝居や合唱などの活動紹介もあり、参加者みんなで楽しい時間を共有した。
 
30年前の映像を見ながらおしゃべりを楽しみ親睦を深めた

30年前の映像を見ながらおしゃべりを楽しみ親睦を深めた

 
 事務局担当の市社協職員は「どっこいしょKのようなお元気シニアの皆さんからエネルギーをもらって、それぞれが活動に励んでもらえたら」と期待。人口減、高齢化、会員の減少など課題はあるが、ボランティア活動は携わる人の生きがい、やりがいにつながり、地域も活性化することから、息の長い活動になるようサポートしていく考えだ。

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