ラグビーで地域活性化を「ラグビッグドリーム」今年も 釜石SWプレシーズン3戦目はBR東京と


2023/10/17
釜石新聞NewS #スポーツ

釜石ラグビッグドリームでプレシーズンマッチ3戦目を戦う釜石SW(白×グレージャージー)

釜石ラグビッグドリームでプレシーズンマッチ3戦目を戦う釜石SW(白×グレージャージー)

 
 2023釜石ラグビッグドリーム~RWC MEMORIAL~(同実行委主催)は8日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会釜石開催から4年―。大会レガシー(遺産)を受け継ぎ、「ラグビーのまち釜石」の一層の定着、情報発信を図ろうと官民が協力して今年も実施した。2日付けで、釜石シーウェイブスRFCから「日本製鉄釜石シーウェイブス」にチーム名を変更した釜石SW(略称は従来通り)は、同イベントでプレシーズンマッチ3戦目を迎え、リコーブラックラムズ東京(BR東京)と対戦した。
 
 昨年同様、中学生の交流試合で幕開け。特設ラグビー部を結成している釜石中と甲子中が参加した。市内の中学校は例年、他競技の中総体が終わるころに特設ラグビー部を結成。10月の県中総体同競技大会に挑む。40回記念の今年の大会は28、29日に、初めて会場となる同スタジアムで開催される予定で、市内から釜石、甲子、釜石東の3校が出場する。
 
釜石中、甲子中の特設ラグビー部による交流試合

釜石中、甲子中の特設ラグビー部による交流試合

 
“ラグビーのまち釜石”の中学生が4年前のW杯会場となったスタジアムで奮闘

“ラグビーのまち釜石”の中学生が4年前のW杯会場となったスタジアムで奮闘

 
試合は3週間後の中総体の前哨戦にもなった

試合は3週間後の中総体の前哨戦にもなった

 
 大会に向けチームの力を試す場にもなった交流試合で、釜石中のキャプテン八幡玲翔さん(3年)は「練習期間は短いが攻守でサインプレーもでき、いい試合だった」と手応えを実感。市内のイベントで試合機会を得られることを喜び、「釜石はラグビーのまち。こういう場をもっと増やしてもらえたら」と期待した。自身は釜石SWアカデミーにも所属しており、「ラグビーはこれからも続けてSWに入ることが目標」と夢を描いた。
 
 メインゲームは、ジャパンラグビーリーグワン2部の釜石SWが同1部のBR東京と対戦した。両チームの交流戦は2010年以来13年ぶり。釜石はチームの底上げを図るため、今試合も昨季出場機会の少なかった若手選手を中心に先発。前半は格上の相手に攻め込まれる場面が続き、6トライを奪われた。前半終了間際の39分、釜石は敵陣でのマイボールラインアウトを起点に、ナンバー8セタ・コロイタマナの強力な突破などでゴール前へ運び、ライン際の攻防で再びボールを手にしたコロイタマナがトライ。SO落和史のゴールも決まって7-36で折り返した。
 
ナンバー8セタ・コロイタマナ(左)が相手を振り切り前へ。最後は自らトライを決めた

ナンバー8セタ・コロイタマナ(左)が相手を振り切り前へ。最後は自らトライを決めた

 
 後半、釜石は選手を大幅に入れ替え。開始直後に1トライを許したが、その後は失点を抑え、攻撃のリズムもテンポアップ。敵陣に切り込むたび、スタンドから歓声が上がった。32分には、後半から出場したWTBキャメロン・ベイリーが相手のロングパスをインターセプト。自陣から独走し、そのままトライに持ち込んだ(落ゴール成功)。最後の得点のチャンスは43分。WTB吹越大清が敵陣22メートルライン付近までボールを運んだ後、ゴール前のマイボールスクラムをしっかり押し込み、最後は後半出場のナンバー8サム・ヘンウッドがトライ。19-43で試合を終えた。
 
WTB吹越大清が相手の動きをよく見て抜け出し敵陣へ

WTB吹越大清が相手の動きをよく見て抜け出し敵陣へ

 
FW陣がスクラムを押し切り、試合終了間際に1トライを返した

FW陣がスクラムを押し切り、試合終了間際に1トライを返した

 
 ゲームキャプテンを務めたフッカー王野尚希選手は「前半はリコーのブレイクダウン周りの激しさ、セットピースの圧力に押されてしまった部分が多くあった。細かいスキルの精度、密集の寄りの速さなど、もっと突き詰めていかねば」と反省。須田康夫ヘッドコーチは「流れを持って行かれた。それでもスクラムやタックルは向上してきている。強いプレッシャーの中でも自分たちのラグビーをしっかり遂行できるようにしたい」と話した。
 
 釜石SWのプレシーズンマッチ4戦目は、21日に同スタジアムで行われる「黄金の國、いわて。」招待試合、対トヨタヴェルブリッツ戦。王野選手はターンオーバーされてからの攻守の切り替えの早さ、コミュニケーションの質向上、セットプレーでのFWの安定したボール供給を課題に挙げ、「チーム全体で方向性を一つにして取り組んでいく」と気を引き締めた。
 
 釜石SWは今月4日の定例記者会見で、6人の新加入選手(FW4人、バックス2人)を発表。この日の試合にはプロップ山田裕介選手(25、日本製鉄)が先発出場した。
 
加入後の初試合で先発したプロップ山田裕介(左から2人目)

加入後の初試合で先発したプロップ山田裕介(左から2人目)

 
 会場内にはフードコーナーが設けられたほか、震災復興に尽力した自衛隊、警察、消防の車両展示、音楽ライブ、ラグビー体験、餅まきも行われた。
 
方言を交えた楽曲で観客を楽しませた「ナンダ★モンセ」のステージ

方言を交えた楽曲で観客を楽しませた「ナンダ★モンセ」のステージ

 
釜石SW、BR東京のマスコットもイベントを盛り上げた

釜石SW、BR東京のマスコットもイベントを盛り上げた

 
うのスタ餅まきは今年も大好評。幅広い世代が手を伸ばした

うのスタ餅まきは今年も大好評。幅広い世代が手を伸ばした

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