自然体で満100歳 釜石の高橋廣志さん 高齢者施設に夫婦で入居「一緒に長生きしよ」


2023/06/29
釜石新聞NewS #地域 #福祉

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の高橋廣志さん(左)と妻の嘉子さん

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の高橋廣志さん(左)と妻の嘉子さん

  
 釜石市甲子町(中小川)の住宅型有料老人ホーム「カサ・デ・ファミリア」で生活する高橋廣志さんが26日、満100歳となった。ともに入居する妻嘉子さん(96)や、県内外で暮らす家族が駆け付けて長寿を祝福。バースデーケーキをパクパクと食し、シャンパンもグイグイ飲み干す廣志さんは「自然と100歳になっちゃった」と、すこぶる元気だ。
  
 廣志さんは1923(大正12)年、鈴子町に生まれた。18歳ごろから定年退職まで約40年製鉄所で働いた。看護師だった嘉子さんと結婚し、1男2女を育て、孫3人、ひ孫1人に恵まれた。多趣味で、特に登山やスキー、釣り、ソフトボールなど体を動かすことが大好き。小佐野町に居を構えると、町内会活動にも積極的に参加した。
  
 体調を崩した嘉子さんの入院を機に、昨年10月から2人一緒に同ホームで暮らす。「かかりつけ医なし」という廣志さんは耳が遠くなってきているが、つえなどの補助なしで歩行ができるほど健康。「好きで一緒になったから大事にしなきゃ。妻を残していけない、長生きしないと」と、週2回通うデイサービスでは筋トレをしたり、今なおアクティブに過ごす。
  
鈴木部長から祝い金などを受け取った廣志さん(中)

鈴木部長から祝い金などを受け取った廣志さん(中)

  
 廣志さんの誕生日に合わせ、釜石市は特別敬老祝い金5万円と記念品の羽毛肌掛け布団、野田武則市長が筆をとった「寿」の額入り祝い状を贈った。届けた市保健福祉部の鈴木伸二部長が「戦争や災害など激動の時代を生き抜いてきた。ご夫婦で長生きしてください」と声をかけると、「わざわざすいません。まさか、こんな風に祝ってもらえるとは夢みたい。何も考えていなかったけど、自然と(100歳まで)いっちゃう感じ。動きは重くなってきたが、これからも体を動かしていきたい」などと応じた。
  
 そんなやりとりを長女小野節子さん(74)=愛知県大府市、次女佐々木惠子さん(70)と夫幸弘さん(68)=盛岡市=が見守った。「穏やかで、責任感があり、家族思いの父。とにかくファミリーが大事で、旅行の思い出もたくさん。あたたかい笑顔は変わらない」と小野さん。自宅のような環境でゆったり過ごす日々が続くことを願っていた。長男一行さん(66)も翌日、愛知・豊橋市から祝いに駆け付けた。
  
「おめでとう」。廣志さん(左から2人目)の長寿を喜ぶ家族ら

「おめでとう」。廣志さん(左から2人目)の長寿を喜ぶ家族ら

  
 釜石市の高齢化率(65歳以上)は5月末現在で40.3%。100歳以上は廣志さんを含め28人(男性1人、女性27人)おり、最高齢は105歳の女性。

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