今年も広がる夢空間 色とりどりのバラに来場者感激 甲子町「陽子の庭」10日まで一般公開


2023/06/08
釜石新聞NewS

木立ち性、つる性のバラが咲き誇る「陽子の庭」=4日、甲子町洞泉

木立ち性、つる性のバラが咲き誇る「陽子の庭」=4日、甲子町洞泉

 
 釜石市甲子町洞泉の私設ガーデン「陽子の庭」がバラの開花時期に合わせ、今年も一般公開されている。菊池秀明さん(75)、陽子さん(76)夫妻が自宅周辺の敷地に設けている手作りの庭園には約160種のバラが植えられていて、色や形、香りの異なる花が訪れる人たちに癒やしの空間を提供している。10日まで公開(午前9時~午後4時まで)。最終日は水晶でできた楽器の演奏も行われる。
 
 菊池さん夫妻が開放している庭は広さ約700坪。山の斜面を造成し、15年ほど前から夫婦二人三脚でこつこつと造り上げてきた。園内は傾斜に沿って設けられた小道が連なり、エリアごとに日本庭園風、イングリッシュガーデン風などさまざまな趣を楽しむことができる。園内には豊富な草木に加え、季節ごと開花時期の異なる複数の花が植えられている。
 
順路案内に従って小道を進むと園内の魅力をくまなく楽しめる

順路案内に従って小道を進むと園内の魅力をくまなく楽しめる

 
 1年の中で最も華やかな様相を見せるのが多くのバラが開花するこの時期。バラは庭造りを始めて4~5年後、陽子さんが植え始め、友人からも“つるバラ”を提供されたことなどで年々、規模を拡大。つるを這わせる棚は、今では見事なバラのトンネルを形づくる。3年前からはバラ専用のスペースを確保し、さまざまな品種を育てている。
 
つるバラを這わせたアーチは圧巻。夢いっぱいの空間が広がる

つるバラを這わせたアーチは圧巻。夢いっぱいの空間が広がる

 
さまざまな品種のバラを一堂に集めたエリア。見比べも面白い

さまざまな品種のバラを一堂に集めたエリア。見比べも面白い

 
 早咲きのバラは例年、5月25日ごろから咲き始めるが、今年は10日ほど早く開花。遅咲きも早まるのではと心配されたが、こちらは例年並みで、6月1日からの一般公開では多くの品種の競演が見られている。期間最初の日曜日となった4日は、市内外から多くの観賞客が訪れ、美しく咲き誇るバラに笑顔を広げた。
 
左:ウルメールムンスター/左:ジュピレデュプリンスドゥモナコ

左:ウルメールムンスター/左:ジュピレデュプリンスドゥモナコ

 
左:ゴールデンボーダー/右:プリンセス・アン

左:ゴールデンボーダー/右:プリンセス・アン

 
左:ホットココア/右:ピンクサマースノー

左:ホットココア/右:ピンクサマースノー

 
 市内野田町から足を運んだ20代、30代の女性2人は、目にも鮮やかな色合いと豊かな香りにうっとり。「日常を忘れる癒やしの空間。気持ちが穏やかになり幸せな気分」と口をそろえた。広大な敷地で多種類を育てる菊池さん夫妻に、「とても2人でやっているとは思えない。バラは管理が難しく手間がかかると言われるが、すごく手入れが行き届いていて素晴らしい」と感心しきり。「地域の貴重な資源。ぜひ継続してほしい」と願った。
 
 庭造りは秀明さんの定年退職を機に始まった。当初は日本庭園だけで完結するつもりだったが、東日本大震災で被災した方から庭石の活用を提案され、譲り受けた石を組んでロックガーデンを造成。園内の草木もほとんどが託されたもので、夫妻の手によって新たな地で息を吹き返した。今や同庭の代名詞にもなっているバラは、毎年少しずつ種類を増やしてきた。
 
水も流れる和風テイストのロックガーデン。秀明さんら男性3人で1カ月かけて造り上げた

水も流れる和風テイストのロックガーデン。秀明さんら男性3人で1カ月かけて造り上げた

 
4日は家族連れや友人グループなどが次々に来訪

4日は家族連れや友人グループなどが次々に来訪

 
 6月の一般公開は今年で8年目。近年は10日間で約700人が訪れるなど、市内外の人たちに愛される人気スポットとなっている。陽子さんは「見てくれる人、支援してくれる人のおかげで続けてこられた。2人とも年を重ね作業は大変だが、お客さまの声に励まされ、何とか頑張っている」。秀明さんは「まずは10回まで、あと2年はできれば。後のことはそれから考えるべ」。陽子さんと顔を見合わせ仲良く笑う。
 
自宅庭を開放する菊池秀明さん、陽子さん夫妻

自宅庭を開放する菊池秀明さん、陽子さん夫妻

 
4日は花空間でmia&リアスバンドのミニコンサートも行われた

4日は花空間でmia&リアスバンドのミニコンサートも行われた

 
 園内ではこの後、バラに続きアジサイ(6月末~7月中旬)やヤマユリ(7月上旬~中旬)も開花する。今回の公開期間後も見学者を受け入れる。場所は、市街地から向かう場合は国道283号を釜石鉱山方面に西進。道の駅釜石仙人峠を過ぎて車を走らせると、右手に誘導看板が見える。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス