人間と動物の共生社会実現へ セラピー犬と触れ合い&ペット防災学ぶ


2022/05/27
釜石新聞NewS #地域 #防災・安全

セラピー犬との触れ合いイベントで記念撮影を楽しむ子ども=TETTO

セラピー犬との触れ合いイベントで記念撮影を楽しむ子ども=TETTO

 
 セラピー犬との触れ合いを通して、犬の適正飼養やペット防災について学ぶ催しが22日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。釜石市を拠点に活動する動物愛護団体「人と動物の絆momo太郎」(鈴子真佐美代表)が主催。認定NPO法人日本レスキュー協会(兵庫県)のセラピー犬が訪れ、来場者と交流。災害時、ペットとの避難を円滑に行うための日ごろの備えを教える講話も行われた。
 
 病院や福祉施設、災害被災地などで人の心と体のケアを補助するセラピー犬。この日は同協会で特別な訓練を受け各地で活動実績のある、にこり(ゴールデンドゥードル11歳、雌)、はっぴー(ラブラドール・レトリーバー6歳、雌)、りょうま(雑種8歳、雄)の3頭が来釜。来場者はしつけの行き届いた犬たちに感心しながら、体をなでたり記念撮影を楽しんだりし、心身ともに癒やされた。
 
モフモフの「にこり」に大人も子どももメロメロ

モフモフの「にこり」に大人も子どももメロメロ

 
“お手”も上手に。愛くるしい「はっぴー」の姿にみんな笑顔!

“お手”も上手に。愛くるしい「はっぴー」の姿にみんな笑顔!

 
赤ちゃんに優しいまなざしを向ける「りょうま」

赤ちゃんに優しいまなざしを向ける「りょうま」

 
 同協会員によるペット防災の講話では、災害時に飼い主とペットが安全安心に避難するための備えについて説明があった。ポイントは4つ。▽所有明示(鑑札、狂犬病予防注射済票、マイクロチップなどの装着)▽健康管理(ワクチン接種、寄生虫や感染症予防、シャンプー・ブラッシングケア)▽しつけとコミュニケーション▽持ち出し品の用意・備蓄。
 
 環境省のガイドラインでは、災害時に置き去りにされたペットの徘徊や野生化を防ぐため、飼い主との「同行避難」が推奨される。避難先ではケージでの飼養が必要となる場合が多く、普段から慣れさせておくことが重要。「ケージ=自分だけのスペース」と認識しリラックスできると、慣れない場所でも大きなストレスを感じずに過ごせるようになるという。また、日常的にさまざまな環境、人、音などに慣れておくことで、災害による急な環境変化にも順応できるようになる。
 
長い時間、ケージに入っていても落ち着きをみせるりょうま。普段から安心できる場所として慣れさせてあげることが大事

長い時間、ケージに入っていても落ち着きをみせるりょうま。普段から安心できる場所として慣れさせてあげることが大事

 
災害に備え用意しておくと安心なペット用品を展示。ペット用非常持ち出し袋のプレゼントも

災害に備え用意しておくと安心なペット用品を展示。ペット用非常持ち出し袋のプレゼントも

 
 ペット用支援物資は届くまでに時間がかかる場合があるため、最低5日分の食料と水、薬、ペットシーツなど必要な物をまとめて持ち出せるよう準備しておくことも必要。会場では、非常持ち出し品の展示も行われ、スタッフが来場者にアドバイスを行った。
 
 ペット同伴可能な避難所は全国で増えつつあるが、現状では屋内に持ち込めないケースが多い。飼い主は事前に、地域の避難所の受け入れ可否の確認、一時的な預け先の確保をしておくと安心。
 
 東日本大震災時、愛犬との避難を経験した平田の60代女性は避難所には入れず、親戚の家で世話になった。「災害があるたびに飼い主が苦労している姿を目にする。人と一緒に避難できる場所が少しでも増えるといい」と願う。当時は非常時の持ち出し品も準備しておらず、他の飼い主からペットフードを分けてもらった。「ペットの命を守るのは飼い主の責任。これを機に再度見直したい」と気を引き締めた。
 
 以前、犬を飼っていた上中島町の70代女性は、多頭飼育や虐待などペットを取り巻く問題にも心を痛め、「小さいころから絵本や動物との触れ合いを通して命の尊さを教えることで、大人になっても家族の一員として大切にできる気持ちが育つのでは。今回のような催しがもっとあれば」と期待を寄せる。
 
子どもたちはセラピー犬との触れ合いに大喜び!

子どもたちはセラピー犬との触れ合いに大喜び!

 
はっぴーとのジャンケン対決も楽しんだ来場者

はっぴーとのジャンケン対決も楽しんだ来場者

 
 主催団体の鈴子代表は「海外では公共施設などに犬と一緒に入れたり、人間と動物の共生への理解が進む。日本ではまだまだだが、今回、この会場で動物イベントができたことは大きな一歩」と喜ぶ。ペット同伴が社会的に認められるようになるには、飼い主のきちんとしたしつけが絶対条件。「いろいろな場所に行っても無駄吠えをしない、犬同士でけんかをしない―など、犬の社会化ができていないと実現は不可能。こういうイベントなどで飼い主が日ごろのトレーニングの重要性に気付き、積極的に取り組むきっかけにもなれば」と話した。

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