釜石ガス「カーボンニュートラルLNG」導入開始 脱炭素社会貢献へ


2022/03/24
釜石新聞NewS #産業・経済

釜石ガスで行われたカーボンニュートラルLNG受け入れ式=15日

釜石ガスで行われたカーボンニュートラルLNG受け入れ式=15日

 

 釜石市鈴子町の都市ガス業者・釜石ガス(渡邉浩二社長)は、自社の二酸化炭素(CO2)排出量を森林の吸収量と相殺し、実質ゼロにするための取り組みを開始した。石油元売り大手のENEOS(エネオス、大田勝幸社長)が昨年11月から販売する「カーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)」を購入し、都市ガス製造設備、事務所の給湯や空調などの都市ガス使用分に充てる。年間15トンの供給で、約50トンのCO2排出量削減に貢献する。

 

 カーボンニュートラルLNGは、海外の森林保全プロジェクト由来のCO2クレジットを活用し、「天然ガスの採掘から燃焼までの工程で発生するCO2」を「植林や森林保全によるCO2吸収量」で埋め合わせすることで、実質排出量ゼロとみなされるもの。

 

 両社が同LNGの売買契約を締結。15日、鈴子町の同社で、エネオスの冨士元宏明ガス事業部長が渡邉社長に供給証明書を手渡し、受け入れを開始した。渡邉社長は、国が目指す2050年までのカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現(20年10月宣言)、釜石市のゼロカーボンシティ宣言(昨年10月)に触れ、「エネルギー利用者として少しでも貢献できれば。お客様からの要望があれば、カーボンニュートラル都市ガスの販売も検討していきたい」と努力姿勢を示した。

 

エネオス冨士元ガス事業部長(左)から供給証明書を受け取る釜石ガス渡邉社長

エネオス冨士元ガス事業部長(左)から供給証明書を受け取る釜石ガス渡邉社長

 

 今回のカーボンニュートラルLNGの導入は、県内の都市ガス業4社が足並みをそろえて行い、釜石のほか花巻ガス(花巻市)、水沢ガス(奥州市)、盛岡ガス(盛岡市)も同様の売買契約を結んだ。4社で1年分の使用量計104トンを購入し、約340トンのCO2排出量削減につなげる。

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