福祉でまちづくりを―釜石市民、地域共生社会実現へ大会とまつりで認識共有


2021/12/03
釜石新聞NewS #福祉

釜石市民ホールで開かれた福祉まつり=11月27日

釜石市民ホールで開かれた福祉まつり=11月27日

 

 釜石市内では11月に地域福祉の推進や共生社会の実現に向けた催しが続いた。19日の第42回市社会福祉大会(市社会福祉協議会、市共同募金委員会、市民生児童委員協議会主催)では事業功労者などを表彰。大会宣言で、住民主体の福祉活動を進めるため共通認識を深め、努力し合うことを確認した。27日に開かれた「第28回ふれあい福祉まつり」(同実行委員会主催)には市内の福祉団体やボランティアらが集合。物販やアート作品の展示などで障害への理解を深めてもらった。2つの催し(ともに会場は大町の市民ホール)に関わる市社協の丸木久忠会長は「福祉でまちづくりを―という視点に変わる今、多様な人が触れ合い、つながりを持つことで互いを知る必要性はより高まる」と強調した。

 

社会福祉大会で功労者28人表彰、絵画・作文は14人入賞

 

事業功労表彰などを行った釜石市社会福祉大会=11月19日

事業功労表彰などを行った釜石市社会福祉大会=11月19日

 

 福祉大会は約50人が出席した。大会長を務める丸木会長が、地域福祉の向上に貢献している民生児童委員など26人、共同募金運動に力を貸す行政連絡員1人を表彰。13年以上にわたり在宅介護を続ける1人に褒賞を贈った。受賞者を代表し、甲子地区の民生児童委員坂本博さんが謝辞。「この感激を胸に地域福祉向上のため精進、努力を重ねる」と力を込めた。

 

 社協が年長児を対象に募集した絵画コンクールには12施設から169点の応募があり、金賞には澤田咲喜ちゃん(ピッコロ子ども倶楽部桜木園)の「だいすきな おともだち」が選ばれた。小中学生対象の作文コンクールには小学校3校、中学校1校から合わせて6点の応募があり、最優秀賞に日野涼介君(唐丹小6年)の「やりがいを感じられる瞬間」が選ばれた。両コンクールの応募全作品を紹介する展示会は12月7日に開始予定。市民ホールギャラリーで13日まで鑑賞できる。

 

社会福祉大会で表彰された事業功労者ら=11月19日

社会福祉大会で表彰された事業功労者ら=11月19日

 

 受賞、入賞者は次の通り。
【社会福祉事業功労者】▽民生児童委員=伊藤重雄、笹川京子、八幡サエ(南釜石)似田貝佳子(中妻)坂本博、佐々木麻貴子、菅原武、佐藤道子(甲子)武石明子、千葉スミ子、小笠原米子、藤井静子、小森均、金濱喜代、中村英子(小佐野)西原義勝、両川吉男、山﨑元市、矢畑広志(鵜住居)菊池紫登美、小笠原孝一、及川武美(栗橋)▽主任児童委員=菊池有美子(東釜石)川崎悦三郎(栗橋)▽施設職員=菊池美加(愛泉会・主幹保育教諭)鳴瀬佳子(同・調理師)
【共同募金運動功労者】▽行政連絡員=阿部環(甲子)
【褒賞】▽濱名富勝
【幼児福祉絵画コンクール】▽金賞=澤田咲喜(ピッコロ子ども倶楽部桜木園)▽銀賞=前川寛奈(中妻子供の家保育園)マヘ・ケソミ(甲東こども園)▽銅賞=東紀壱、小山結凪(釜石神愛幼児学園)岩﨑心和(鵜住居保育園)久保瑠莉(かまいしこども園)村上波月(唐丹児童館)
【福祉作文コンクール】▽最優秀賞=日野涼介(唐丹小6年)「やりがいを感じられる瞬間」▽優秀賞=小笠原楓真(栗林小4年)「本当に平等な幸せは何か」、前川藍丸(大平中2年)「今こそ勇気を出して行動を」▽佳作=佐々木美依(甲子小2年)「『やさしいこころ』はたからもの」、前田暁月(甲子小3年)「『ありがとう。』をつたえる」、内川愛優(唐丹小4年)「その人の気持ちになって」

 

福祉まつりで障害者の社会参加促す ボランティア、市民と交流

 

福祉団体の手作り品や新鮮野菜を求める市民らでにぎわった=11月27日

福祉団体の手作り品や新鮮野菜を求める市民らでにぎわった=11月27日

 

 福祉まつりは、障害の有無にかかわらず一緒に楽しく触れ合う地域福祉を推進するため開催。市内約10の作業所や福祉団体が出店し、手作りの菓子や野菜、手芸品などを販売した。作品展示では、釜石祥雲支援学校の生徒らが授業の中で制作した絵画や陶芸などを紹介。文字や数字をつなげる奔放自在な造形表現が魅力の地元アーティスト小林覚さんや、藤原美幸さんのカラフルでポップな作品をも並び、多くの目を引いた。

 

 市内で活動するボランティア団体の紹介もあり、手話サークル「橋」のメンバー6人は「上を向いて歩こう」など3曲の手話歌を披露。普段から手話を使う人たちが飛び入りで参加したり、メンバーの動きをまねて手や指を動かす人もいて、会場が一体となり声を出さなくても伝わる歌の世界を楽しんだ。単語カードを使ったゲームで聴覚障害者と交流する高校生の姿も。覚えた手話を駆使して言葉を表現し、伝わるとうれしそうに目を細めていた。

 

会場一体で手話歌を楽しんだ=11月27日

会場一体で手話歌を楽しんだ=11月27日

 

 障害者就労支援事業を行う小川町のNPO法人かだっぺしは釜石ラグビーをPRする木製のコースターやキーホルダー、橋野鉄鉱山をデザインした缶バッチなどを売り出した。同法人が釜石大観音仲見世通りで運営する作業所「きらり工房」で木製品の仕上げや袋詰めなどの軽作業に取り組む八雲町の男性(63)は「細かい作業で大変だが、商品を手に取ってもらうとうれしい。人が集まる場に来るのもたまにはいい。気分転換になる」とうなずく。支援員の吉田洋子さん(58)は「利用者の喜び、やる気、やりがいにつながる」と見守った。

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