三陸の海をもっと学ぼう!中学生対象に釜石でサマースクール開催


2021/08/16
釜石新聞NewS #文化・教育

県漁業取締船「岩鷲」を見学したカレッジ参加者

県漁業取締船「岩鷲」を見学したカレッジ参加者

 

 次代を担う中学生に郷土が誇る海への関心を高めてもらおうと、「三陸マリンカレッジ~Summer School~」が7月31日、釜石市平田の岩手大釜石キャンパスなどで開かれた。県沿岸広域振興局と東京大大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(大槌町)が主催。沿岸部の中学生ら13人が三陸の水産業や海洋環境、海上保安業務の一端に触れ、好奇心をかきたてられた。

 

 県と同センターは、震災で海に親しむ機会の減った子どもたちが興味を持つきっかけにと、昨年度初めて同カレッジを開催。1泊2日の合宿学習で知りたいことを絞り込み、同大研究者らのサポートを受けながら調査、実習を重ね、成果を発表する一連の取り組みを行った。今回は2年目の本開催を前に、導入部としてサマースクールを企画した。

 

 この日は4プログラムを体験。県水産技術センターでは、アワビの種苗生産・放流など本県を代表する養殖水産物の資源管理について学んだ。平田漁港の岸壁では、水中カメラで海底の様子や魚を観察。近年、活躍する水中ドローンの説明も受けた。県漁業取締船「岩鷲」では、普段見られない船内の装備機器を見学。業務内容について聞いた。釜石海上保安部の協力で海の安全講習もあり、救命胴衣の着用、応急的な救命器具作りを体験した。

 

海中映像を見ながら水中ドローンの役割を学ぶ

海中映像を見ながら水中ドローンの役割を学ぶ

 

ペットボトルを使った応急救命器具作りを体験

ペットボトルを使った応急救命器具作りを体験

 

 佐々木奈碧人君(大平中3年)は「水産技術センターの方からアワビの話を聞いたり、普段乗れない取締船に乗せてもらったり、全てが新鮮な体験だった。海についてもっと知りたくなった。この後行われるマリンカレッジにも参加してみたい」と興味をそそられた様子。

 

 昨年度の同カレッジには6人が参加。地元の海の環境と天気、生物との関係、カキの養殖棚に集まる生物、地元の海で捕れる魚とその漁獲法など、それぞれに興味をもった分野で学習に取り組んだ。サマースクールでは、昨年度の受講生が自身の経験や感想を語った。

 

 本年度の三陸マリンカレッジは11月に同センターでの合宿を予定。1人1人テーマを決めて、専門家の話を聞いたり関係施設での実地学習を行ったりして、冬休み中にレポートをまとめる。学習成果発表会は来年1月に開催する計画。県の担当者は「学校とは違った勉強ができる。沿岸部の海に関心のある中学生にどんどん参加してほしい」と呼び掛ける。参加者は秋から募集を始める。

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