釜石-仙台間より近く~県交通高速バス、新路線で運行再開
高速バス「釜石仙台線」の出発式でテープカットし、運行再開を歓迎する関係者
県交通(盛岡市、本田一彦会長)は2日、新型コロナウイルス感染症の影響で運休していた高速バス「釜石仙台線」の運行を再開した。従来は内陸の東北自動車道を通っていたが、三陸沿岸道路(三陸道)を走るルートに変更。所要時間は片道3時間10分で、これまでより約30分短縮となる。同日、釜石市鈴子町のJR釜石駅前で出発式があり、関係者が第1便の乗客を見送った。
「釜石仙台線」は1日1往復。往路は午前6時44分に野田町の同社釜石営業所を出発し、仙台駅前に同9時54分着。復路は午後4時10分仙台駅前発で、釜石営業所に同7時20分に着く。釜石市内で停車するのは小佐野駅前、釜石駅前、上中島のバス停留所。運賃は片道大人3300円(8月31日までのキャンペーン中は2900円)、小学生以下1650円。定員は当面36人とする。
新ルートでの運行が始まった「釜石仙台線」のバスに乗り込む市民ら
遠野市などを経て東北自動車道を通る従来ルートは年間約8000人が利用していたが、コロナ禍で利用者が大幅に減少し、昨年8月17日から運休していた。再開に当たっては、今年3月に宮城県気仙沼市内が開通し、仙台市までつながった三陸道の利用を検討。所要時間の短縮が見込まれ、無料区間が長く高速料金も割安になるなど、「三陸道を使わない手はない」と新たなルートでの運行、コロナ収束後を見据えた「布石」として再開を決めた。
出発式で、本田会長は「地域の役に立ちたいと考えてきた。時間短縮のメリットを感じてもらい、観光、ビジネスにも利用してほしい」とあいさつ。野田武則市長は「バス利用者の利便性向上、地域活性化につながることを期待する」と歓迎した。
第1便に乗り込んだ上中島町の会社員鈴木和弘さん(28)は「以前も時々利用していた。仙台までの時間が短くなり、近くなった感じがする。高齢者や学生など、長距離運転が難しい人たちも利用しやすくなると思う」と運行再開を喜んでいた。
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